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ALW|22/23EFLチャンピオンシップを戦ったアーセナルのローニー Vol.3

◆ブルック・ノートン-カフィ(ロザラム→コヴェントリー)
試合出場:41試合 先発28試合

今シーズン最も成長した選手は、ブルック・ノートン-カフィ。ロンドン出身の彼は、チェルシーのアカデミーから12歳でアーセナルへ。同年代にチャーリー・パティーノ。U16から年代別イングランド代表に召集され、ヘイルエンドでも非常に評価が高く期待の大きかった選手だ。
ストロングポイントはそのしなやかな体躯を活かした突破力、スタミナ、足元の技術、それでいて戦術理解度が高い、そんなFB。その高みはリース・ジェームズか…。
ロザラムでの彼を見たら、何を言っているのかと疑問に思うだろう。球離れも悪く、当時ポール・ウォーンに求められていたクロスボールのクオリティも低い、ドリブルをしても簡単に止められる….。正直ロザラム時代での内容は散々だった。ダイレクトプレーを主としていたロザラムとは戦術の相性も良くなかった。

-コヴェントリー移籍

1月マーク・ロビンズのコヴェントリーに移籍して、その力が引き出されていくことに。まずパススタッツ、1試合平均16本だったパス数は25本に増え、成功率も9%も上昇。特に短中のパスがそれぞれ5本、3本ずつ増えてサイドからの崩しを担っていた。DFスタッツはその機会の多いロザラムと比較するとデコボコといった感じで主だった上昇はなかった。ポゼッションはタッチ数が11回増で特にディフェンシブサードでの数値が増えた、DFラインからのビルドアップにも参加していたことの表れだ。ストライドが長いので、回数以上に距離を稼げるのも魅力。強みのドリブル関連だと、Prg.Cが0.5回増えていた。(物足りないと言えばその通りですが…)
ロザラムでの20試合とコヴェントリーでの21試合を比較してどの数値も微増だった。しかし後者に移籍してそのクオリティが高まり、特にPO争いを繰り広げた4月以降のプレー内容は彼が、その才能を評価されていることが間違っていないと言わしめた。
ルートンとのプレーオフ決勝後は即アルゼンチンに飛んでヤングライオンズに合流。今後が非常に楽しみな選手。彼もまた、完全移籍を望んでアーセナルを出ていくのだろうか。トップチームがプレミアリーグの中でも若い世代を駆使して好調を維持しいている。そんな中、18~21歳くらいまでのレイヤーの選手の去就は複雑に、そして決断が難しくなっているのかもしれない。
いずれにしても、来季はシェフィールドウェンズデイといった移籍先の噂もあるよう。ダレン・ムーアのソリッドなスターターに彼がいても何ら不思議ではない。


◆マルキーニョス(ノリッジ)

ポジション:RWG ブラジル20歳
試合出場:11試合 先発8試合

アーセナル、ブラジリアンコネクションの一人。1月に加わって最も輝いた瞬間がチャンピオンシップデビュー戦となった2月末のカーディフ戦だろう。この試合では1G1Aと名刺代わりとなったが、その後チームの低迷もあり厳しい結果が続いた。ケアレスミスがそのまま失点につながることもあり、集中力やメンタル面でのケアも必要を感じる。
ポジティブな要素はカットインして入る独特なキャリーとキーパス。ボックス付近でのクオリティは高い。今後はシーズン通して出場できる、メンタル、フィジカルのブラッシュアップが期待される。


◆ミゲル・アズィーズ(ウィガン)

ポジション:CMF イングランド20歳
試合出場:22試合 先発1試合

語るにも及ばずという結果だった。恐らく彼のウィガン移籍は時期尚早だったかもしれない。
1試合目のカーディフ戦ではウィル・キーンのラストプレー弾で同点に追いついたラティックス。こともあろうことか、サポーターが投げ入れた発煙筒をリシャーリソンよろしく手に持ち掲げて、これをSNSに掲載(その後削除)、制裁を食らった。少し恥ずかしいのは、この得点はアズィーズのものではない、そしてローン先でこのようなことはやらないほうがいい、チャンピオンシップにはまだ早かったようだ。
このことが発端かどうかは分からないが、ルートン戦以降出番がなくなり、マロニー体制になってからもチャンスは与えられずにU23の試合に降格した。下部組織でも期待されているプレーメーカーで、才能があるのはわかる。プレーはトリッキーなリズムで運ぶキャリーと、広い視野を持ち、供給されるパスもボックス内では脅威となる。


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