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イギリスの共働き子育てに祖父母は不可欠

◆育休後復帰は、週3日から

自分が子育て世代としてイギリスに来るようになり、こちらでは子育てに祖父母の助けが不可欠なことに驚きました。

ヨーロッパはベビーシッター先進国でイギリスでももちろんシッターやオウペア(学生などの住み込みシッター)も見つけることはできますが、こちらで会う同世代の友人たちの多くは3歳で幼稚園などに自治体の補助が出て無償(時間制限あり)で通えるまでは祖父母が週1〜3日見るのが当たり前。


育休を1年程度取った後は、妻は週に3、4日の勤務(そのうち1日は半日勤務や家からの勤務などが多い)し、夫は週4日+1日は自宅勤務などで共働き。妻が働いていない2日を見て、2日は祖父母、1日は夫といったような体制が多いようです。

◆祖父母の4割は、孫の面倒を定期的に見る

 調べてみると、イギリスの祖父母の4割は定期的に孫の面倒を見ていて、そのうち10%は1日1回は孫に会う。18%は週に4〜6回、38%は週に2〜3回も会う機会があるという統計も見つけました。会う=面倒を見ることがメインであると考えると、本当に祖父母が子育てに深く関わっていることが分かります。

 さらに定期的に孫を見る祖父母には、年250ポンド(約3万3000円程度)が年金に加算されるという助成もあるとか。年に3万円程度だと大きな収入ではないとはいえ、孫を見ることがいかに彼らの生活を占め、そしてそれを国も奨励しているかが分かります。

◆ではなぜ保育園に預けないのか?

 祖父母が子育てに協力的でなんていい国!と一言で済ませられない事情がその裏にあります。それはやはり保育園事情。イギリスにも0歳から保育園に入れることはできますが、安くでも週に200ポンド以上。日本円だと25000円以上です。これだと一カ月10万円以上。ロンドンなど大都市になると更に金額もあがり、月に15万円や20万円となると育休後に復帰した給料をそのまま持っていかれてしまうも同然です。

 イギリスでは、幼稚園や保育園は一定時間を無料で受けることができ、その対象時間が近年拡大しつつあります。通常だと働いていてもその時間内で収めるために預けるのは9時から13時までなどで済ませている人が多く、そうなると幼稚園などに入れていたとしても祖父母の助けは不可欠。働いている友人たちの中でこうした幼稚園補助を使っているのは10人中2,3人程度で、やはり祖父母の助けと併用していました。

 唯一、親が近くにいないロンドンの友人は、ヨーロッパの学生がイギリスで語学学校に通ったりしながら住み込みで子供の面倒を見るオウペアを雇っていました。ベッドルームにゆとりがある家でないとできないことですが、オウペアに一部屋与えて住み込み、日中子供たちが幼稚園などの間に語学学校行くなり自由に過ごしてもらい、子供のお迎えや食事など親が帰るまで見てもらいます。住み込みなので融通が聞くのは助かりますが、休みの日をきちんと与えたり、住居の提供や給料の支払い(住居とバーターとはいえ、お小遣い程度に支払う)、相手とのフィーリングなど簡単にはいきません。

どこの国でも共働きで子供を育てるというのは、なかなか大変なんだなと改めて思った日々でした。

 

これからの教育や子育てはどんどん可能性がひろがっていく!ワクワクする新しい考え方を、フリーエディター&ライターのみどりが日々の取材などからつぶやきます。