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「週刊エコノミスト」で私のインタビューが掲載されたので、備忘録。コロナとか世の中の変化とか。

衰退産業でも稼げます  『代替わりイノベーション』のセオリー」の著者・藻谷ゆかりさんに取材していただき、週刊エコノミスト 5/5・12合併号に、私のインタビューが掲載されています。

脱・東京一極集中  地方で働く
「新しいふるさとを創る」 
子育て世代が地方へ移住 

と題し、移住/多拠点と仕事をキーワードに、さまざまな事例が紹介されています。

私は、「他拠点で同じ仕事(ライター)をする」事例として、紹介していただきました。

その他、
2拠点でIT企業の取締役を務めながら、家業の木材店の社長をしている方や、
証券会社のトレーダーから、移住して旅館経営者に転身した方など、
興味深い事例が掲載されています。
ご興味のある方はお手に取ってみてください。

さて、この取材を受けたのは2/6の午後のことでした。今年は全国的に雪が少なかったですが、この前日に各地で今シーズン初の本格的な雪が降り、久しぶりの積雪の中を「なんで今日に限って雪が…」と思いながら、鯖江市のめがねミュージアムに向かったのでした。

調べてみると、ダイヤモンドプリンセス号の乗客が自室待機となったのは2/5。
この時には、コロナの影は確実に日本国内に忍び寄っていたと言えます。

けれどもその頃、私にとって、そして多分多くの日本人にとって、コロナはまだテレビの中の出来事。
この1週間ほど前に、武漢から最初のチャーター便が到着し、帰国者の動向が連日ニュースで報道されているような時期でした。

まさかその1〜2ヶ月後に日本がこんなことになっているとは、この時はまだ想像すらしていませんでした。


しばらくして原稿が完成し、掲載日の調整が行われていたのですが、
その間、コロナの影響は日増しに拡大していき、それまでとは全く違う日常が、私たちの新しい、けれどもあまり歓迎できない日常になろうとしていました。
そのために、「移動」を当たり前としている私の働き方をどのように掲載するかなどの苦慮があったことと思います。

発行された冊子を見てみると、コーナーの導入はアフターコロナを見据えたものとなっていました。
筆者の藻谷さんをはじめ、編集部の皆さまは色々なご調整があったかと思います。掲載していただいた者の1人として、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

そして、その調整(が行われていたと予想される)の際に、私の元にも、現在の率直な意見を聞かせてほしいという連絡がありました。その際に考えたことが、今回の備忘録のメインとなります。

ここ5年ほど?地方移住がトレンドのようになり、
ついこの間までは、
他拠点やらデュアルワークやら、仕事も拠点も複数持つことが賞賛されるような空気が少なからずあったと思います。

「色々なところを移動するのが今時の働き方!」と、ひとところにとどまらない働き方を自慢したり、憧れたりする人も多かったはずです。
中には「動き回らなければいけない働き方」にシフトした方もいたことでしょう。

私は生来の出不精で、こんな風に見えても、本当は1つの場所でじっと同じ仕事をしていたい人間です。
そんな自分が嫌で、少しでも無理をしなくちゃと自分に鞭打って、わざわざ複数の拠点、複数の仕事を掛け持ちするために日々生きてきました。

けれども今、「移動してはいけない」という考え方が、否応なく私たちの新しい常識となってしまいました。

アフターコロナの世界で、
移動する、しない、
1つの仕事を突き詰める、複数の仕事を持つ、
都会に住む、地方に住む…

それらのどれがスタンダードになるのかはまだわかりません。

例えば、コロナ後の世界は地方移住が増える、と言う人がいますが、
私はあまりそうは思っていません。

都会には都会のメリットデメリットがあり、
地方には地方(この場合は、人口が少なく狭い土地柄の地域)のメリットデメリットがあると思います。

それぞれのメリットデメリットの大きさは、コロナ前と1mmも変わっているようには思えなくて、
ただそれぞれが浮き彫りになっただけだと感じています。

だからこれからのことは、私には何もわかりません。
ただ次の時代は、さらにあらゆる可能性を考えて生きていかないといけないと思っています。

私もこれまでたくさん考えてきたつもりでした。
住むところは一箇所に決めるべきではない、
仕事を一つに絞るべきではない、
資産は分散して保有するべきだ…

色々なリスクヘッジをしているつもりでした。

でも、まさか移動してはいけない世の中になるなんて…。

自分の思考の範囲を超えた常識が常識になった今、ただ一つ言えることは

「〜〜しなければいけない」
「〜〜するべき」
の考え方はやめておこうと思う、ということです。

「〜〜もできるし、〇〇もできる」

そんな風に、いつも余白を置いておいて、どれでも選択できるゆとりを持てる自分でありたいなと思います。


とにもかくにも、1日も早いコロナの終息を願っています。
コロナで肉体的にも精神的にも傷つけられる人が、1人でも減ってほしい。
そう思います。

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