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シネマニア倶楽部

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映画館で見た作品を中心に紹介や感想を書いています。単なる映画好きなので、間違いや解釈の偏りはご容赦くださいませ。一人でも多くの人が、映画を愉しみ、映画館に足を運ぶきっかけ作りにな…
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#映活

『ファーザー』  “いつか“より“今“を生きることを大事にしようと思う

老いによる喪失と親子の揺れる絆を、記憶と時間が混迷していく父親の視点から描き出した作品。 ロンドンで独り暮らしを送る81歳のアンソニー。彼の認知症の有りようを、登場人物が入れ替わったり物語の時間軸が変わるなど、観る者に視覚と認識を混乱させる。

それによって、認知症を擬似体験させながら観せて行く。両親や私自身にも誰にでも起こり得る人生の望まない転機=認知症を思うと、一日一日の大切さを感じさせてくれる作品だった。。   アンソニー・ホプキンスがその演技で、「羊たちの沈黙」以来

るろうに剣心・有村架純の役者としての成長を感じた

『るろうに剣心 最終章The Beginning』 2012年、第1作『るろうに剣心』 2014年、第2作『るろうに剣心 京都大火編』、第3作『るろうに剣心 伝説の最期編』前後編2部作 2021年、最終章2部作『るろうに剣心 最終章 The Final』、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』   私が劇場で観たのは最終章2作だけ。 第1作から第3作までをTV放映で観た時も原作漫画もアニメも知らず、出演者にも特に興味無く、更に邦画アクションに期待もせずに鑑賞

『RUN』〜長年に渡る思い込みや束縛の狂気から逃れるために!

車椅子のクロエ、そして、その母ダイアン 近隣の家が見えない家に二人で暮らし。念願の大学合格通知を待ち、郵便配達の車が来る度にソワソワするクロエに、「届いたらすぐあなたに渡すから」と言うダイアン。最初は物分かりが良い母と、障害を持ちながらも前向きな娘という描写。 だけどすこしずつ・・・何かヘンだよね?と、次第に母に疑問を深めていく展開をモニカ視点で見せる。車椅子に縛られ自由が制限された状態が緊迫感と息苦しさを高める。さらに、見えない怖さを背中から感じさせる音楽。 あーー怖

『ザ・ファブル‥』 笑わない凄腕殺し屋・岡田准一が頼りがい抜群

『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』 岡田准一のスタント無しアクションに感嘆!ちょっと都合良過ぎない?と思うシーンもあるけど、アクションの出来で許せてしまう。 スッキリしたい時にオススメです。 そして 今回はアクションに加え、作品にはコメディタッチも有る。歴史上の人物を演じ時代劇映画にも出て、かつてはNHK大河ドラマ主役もはった。色々な作品に馴染み、幅広い役柄を演じる岡田君の先がとても楽しみ❗️   一方、共演の堤一。正悪どちらも演じられる役者だと改めて思う。悪役がうまい

スカーレット・ヨハンソン 美しさとアクションを惜しみなく発揮!

『ブラック・ウィドウ』 もともとは2020年初夏公開予定で、TOHOシネマズ他メジャーな劇場で公開されるはずだった作品 何度か延期された末に、2021年夏公開と同時にディズニープラスのプレミアアクセスで配信されることになった。その結果、大阪・梅田では異例に見える、ミニシアターのシネリーブ梅田での公開 個人的には「え、ここで!?」と驚いたし、もっと大きなスクリーンでスカーレット・ヨハンソンのアクション観たかったなぁーー スカーレット・ヨハンセンは『ゴースト・イン・ザ・シ

歌手&声優:中村佳穂の歌声が世界観を創る!

『竜とそばかすの姫』 映画の分け方は色々あります。 今日の映画は、   《映画館で見る方がいい映画》 更に、音響の良い劇場をオススメしたい‼️   細田作品の特徴でもある画の美しさと、何よりも今作の特徴は音楽、歌い手《中村佳穂さん》❗️  こんなに音に乗り、音を操り、音と遊び、体全体から音楽が好き、歌が好き❗️な歌い手さんが居てこその作品だと思う。 もう上映開始から3ヶ月近く経ったけれど、 これは映画館で体感してほしい‼️ 映画は、上映からあまり日を置かず行くのがい

人生やパートナーとの関係を見直すきっかけになる作品

『ドライブ・マイ・カー』 目の前のパートナーが自分を裏切っていたら? パートナー自身にも、共有する過去にも向き合えないまま突然、永遠の別れを迎えることになったら? 幼い娘との別れ、妻との別れ、母との別れ、生まれ故郷との別れ。それまで縁のなかった人同士の関わりの中で、それぞれが別れと向き合う心の旅が、愛車に乗った旅と共に描かれる。     村上春樹氏の原作は読んだことがないけれど、映画に漂う独特の空気感は監督の創り出すものと作者の創り出すものとの融合なんだろうなぁ。    

1日で一生を終えるーそんな場所に閉じ込められたら?!

『オールド』 子どもほど成長が早く急速に大人に近づき、大人は少しずつ衰えていく。 時間の流れは同じでも、外見の変化は大きい。     どうやってこの地を発見したのか? どうやって発見した人はそこから脱出できたのか? 体は大人になっても、知性や知識は子どものままではないのか? などと突っ込みたくなる点は多い。   それでも、その場に居合わせた家族それぞれの抱える問題や葛藤を描き、単にスリラーになっていない。 9/12@大阪ステーションシネマ

何があっても未来を諦めない。その姿に心動かされ、展開も目が離せない!

『東京リベンジャーズ』   ヤンキー映画に特に興味はない・・・はずが! 行きつけの美容室のスタッフさんに教えてもらった源作漫画からの鑑賞。
以前その人から教えてもらった漫画もアニメ『呪術廻戦』が面白かったから選択眼を信じたら、また当たり!面白かった! 人は良いけど力では勝てない少年、北村匠海演じる花道くんが、好きな人・大事な人の未来を救うために次々と困難を打ち破っていく。その間、辛さも苦しさも味わいながら何があっても諦めず、成長していく姿が描かれる。
    花道くんを応援

期待値の低さが一気に上がる!

チラシの真ん中の男性は明らかに主役、タイトルのシャン・チー。とわかっていても、おじさん顔の20代若者が画面に現れたとき、本当に彼が主役なの?という疑問符が頭に浮かぶ。(シム・リウさん、ごめんなさい(^_^;)) というマイナスイメージが数分で崩れた! 期待値の低さからの素晴らしいスタートダッシュ!! 不思議だ。外見が変わったわけじゃない。素手で相手をいなしてしまうカンフーのしなやかさとスピーディーさが一気に、見え方を変えてしまった。この出だしだけで、作品が成功と言えるくら