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「なぜナチュラル/オーガニックスキンケアが選ばれるのか?」考えてみました

「植物ベースだから効果がありそう!」「なるべくオーガニックなものを使いたい!」「スキンケアはナチュラルに!」
ナチュラルスキンケアの人気は高まっているように思えるのですが、なぜかはっきりとした理由がなく、
「なんとなく〇〇〇な感じがして・・・」っぽいあいまいな言葉聞こえてきます。

化粧品に関して「<ナチュラルな><オーガニックの>ものを使いたい、人工的に合成されたもの、有害な化学物質を排除したい」という想いをもっている方、とても多いです。
とくに<有機栽培や無農薬栽培などにこだわった野菜や食材を買いたい><ガーデニングで自家製の野菜を育ててみよう><食事はなるべく手作りで>などと食にこだわりがあるなら、化粧品も有害なものを避けて、安全なものをと考えるのは自然な流れですよね。

なるべく農薬や化学的な肥料を使わずに育てた野菜を食べたいと考えるのと同じように、化粧品にもできる限り自然に近い、安全なものを使いたいはずです。
今回は、ナチュラルスキンケアとは?ナチュラルスキンケアと一般的な化粧品の選択の基準について考えてみましょう。

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「ナチュラル」って何だろう?

「ナチュラルって何?」いう問いに正確に答えられる人、なかなかいなんじゃないでしょうか?とても難しい問題です。
辞書によると「自然」はこんな風に書かれています。

 ”山や川、草、木など、人間と人間の手の加わったものを除いた、この世のあらゆるもの” 出典:小学館デジタル大辞泉 

人間の手の加わったものを除くとすると、畑で育てた野菜は自然とはいえないのかも‥‥
そんなことを考えはじめると、自然なものなど現在の生活の中にはみつけられうのでしょうか?
狩りや野草を採取していた時代にもどらないかぎり、自然な食べものを手に入れるのは簡単ではなさそうです。

さらに、玄米は自然だけど、人間の手を加えて精米し、さらに米粉にしたら自然じゃなくなるのか…、プラスティックは自然じゃないけど、紙は自然なんだろうか?
なんて、ちょっと意地悪な考えも浮かんできたりして、こんがらがっちゃいますね。

大きな目でみた場合、ほとんどの人は植物や動物、鉱物などの天然物に由来し、最小限に加工したものなら「ナチュラル」と考えているようです。
例としては、パウダー状にする、乾燥させる、油を搾り取る、蒸留して精油を抽出する、などはナチュラル考えられます。

では、石鹸はどうでしょうか?石鹸がナチュラルスキンケア派の間で議論になる問題のひとつです。石鹸は神への捧げものとして羊を焼いたときにしたたり落ちた脂が薪の灰(アルカリ)と混ざり、雨が降って石鹸になったと伝えられています。石鹸を製造には強いアルカリを使用するため、賛否がわかれるのです。

野菜ならそれだけが有機栽培で育てられたかどうかが判断できますが、化粧品の場合はいくつかの原料を混ぜ合わせてつくることがほとんどなので、ナチュラルから離れてしまうという意見もあり、さらに混乱を招きます。そうなると「ナチュラル」のものを探すことなどできなくなってしまいます。

ナチュラルだから安全?

ここで改めて考えたいことは、「自然=安全?」という神話についてです。「自然だから安全だよね」ってよく聞きますが、それは本当なのでしょうか?
例えば、「じゃがいもの芽は食べてはいけません」と教えられます。じゃがいもの芽には毒があるからですよね。
マンゴが大好きなのにアレルギーで食べられない人もいますよね。
このように自然のものでも有毒なものもあり、一般に食べられているものでもアレルギーがあるから危険という自然の食べ物だってありますよね。

ある植物由来の成分が生産国では安全に使用できると認められていても、ほかの国では使用禁止成分であることもあります。安全の基準についても国レベルで異なることがあるのだから、個人レベルだとますます安全の基準もあいまいになるでしょう。大事なのは自分自身が安心して、楽しく食べたり、使ったりできるものを選べることかもしれません。

化粧品の原料やアロマテラピーに使われる精油(エッセンシャルオイル)は直接肌に触れないようにと警告されます。スキンケアの成分としては効果が認められていても、正しく使用しないとトラブルの原因になる危険性があるからです。

化学物質は有害?

ナチュラルが好まれる反面、化粧品に使われる化学物質が敬遠される傾向にあるのはなぜでしょうか?

化学物質とは簡単にいうと元素や元素が結びついたものなので、自然のもの、人の手でつくったもののすべてが化学物質です。私たちが食べる塩も砂糖も実は化学物質。ですから、化学物質には「天然物」と「合成物」が含まれ、化学物質がすべて危険だとはいえないことをまずに理解しておきたいと思います。

広辞苑には”人工的、あるいは工業的に合成した物質。天然物に対する概念として用いられる” とあり、もともとこのような意味はないとも指摘しています。つまり、天然物に対する言葉として工業的に製造した物質を化学物質と呼ぶようになったということです。

そんな経緯から、一般的に化学物質=危険というイメージが間違って定着してしまったようです。この世の中にある化学物質は何十万もの種類があり、そこには有害なものも含まれます。しかし、人間は昔から暮らしの中で化学物質を便利に使ってきました。また、通常安全に使えるものでも、使い方によって有害になってしまうこともあります。アルコールも化学物質ですが、人間にとって上手に使えば薬に、間違った使い方をすれば毒になったりしますよね。

ナチュラルスキンケアと一般的なスキンケアの違い

新鮮な食べ物は時間とともに傷みます。自然をスキンケアに取り入れる場合はその素材が工場で規格通りに作られた不純物を含まない材料とは別のものと考える必要があります。自然から得られる素材は土地や天候などの条件によって常に一定ではないことも心にとめておくといいですね。

一般的な化粧品なら規格に応じて一定期間は品質を保つよう工場でつくりだされますが、自然に近づくほどそれは難しくなります。新鮮なものは新鮮なうちに、保存食なら消費期限内に食べるように。そこを含めてナチュラルスキンケアを選び、安全に使う方法を知ることが重要だと思うのです。

それでも「ナチュラル」を選ぶ理由

工場で化学的に作られた物質を並べてみると、はやりナチュラルなものに手が伸びるのはなぜでしょうか?添加物の多い食品を選ぶより、畑から採れたばかりの新鮮な野菜や果物を体の中にとりいれたいと感じるの理由はどこからやってくるのでしょうか。

食事に興味がない人なら、生きていくために必要な栄養素をまるごと詰め込んだサプリメントがあれば、そのサプリメントだけを摂取して生きたいと思うかもしれません。新鮮な野菜を食べることに幸せを感じないなら、それもひとつの選択でしょう。

私、個人的には野草や山菜や食べられる実などを採って食べる、ことが大好きで、食べられ植物を発見したときはワクワクしていまいます。おばあちゃんがよく昔話で「帰り道におなかがすいたから、おやつにナツメの実を食べながら帰った」などとという話を聞くと、なんともうらやましく思います。ケガの手当にヨモギの葉を患部にあてておけば治るという知恵を残しておきたいのです。


自然からの恵みに感謝して、自然と共に豊かな生活をおくることに強い憧れを感じることが私がナチュラルなスキンケアを選ぶ理由です。これは人によって違っていて当然です。

スキンケアはただ肌を整えるだけではなく、気分の切り替えや自分へのいたわり、そして、自分を育むための日々の積み重ねの作業でもあります。
自分が自然の一部であり、大地とつながっていて、植物からパワーや癒しをいただく幸せを感じるためには、自然の力が必要です。工場で無機質に作られた材料からは、そのパワーやエネルギーを感じることはないのです。

何世紀にも渡って効果が実証されてきた自然由来のスキンケア、クレオパトラの時代から人間は自然にあるものを使って自身を健康で美しく保つために
さまざまな実験を繰り返し、数千年かけて多くの人が効果を認めてきたからこそ、その実力が現在にまで伝わっているのです。

ナチュラルスキンケアを選ぶ方法

自然と化学合成の成分、どちらもメリット、デメリットがあることを知りながら、効能とともに「安全」を優先させて選べるといいですね。食品に好き嫌いがあるように、ライフスタイルや考え方によって最適のスキンケアの選び方はそれぞれ。

ナチュラルな素材だけでのスキンケア製品には使用感などにおいて限界があります。それをどんな風に受け入れたり、手放したりするのかが大切です。
最適なスキンケア製品を選ぶためにはまず自分自身の軸をもつこと。これこそがナチュラルなスキンケアの最初の1歩なのではないでしょうか。


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