どうしてエディブルスキンケアなの?
どうして私がスキンケアに関わる仕事をはじめたのかを書いておきます。「エディブルスキンケア」のエディブルは「edible=食べられる」で、ただ食いしん坊なだけで冗談半分(いえ、9割本気)ではありますが、スキンケアがなぜ外せないのかという話しです。
スキンケアにこだわる理由
2014年にエディブルスキンケアを起ち上げ今もなんとかスキンケアに関わる仕事を続けられています。とくにコスメマニアでもなく、ずぼらで美容に徹底的にこだわるなんてこともないのですが、スキンケアは私に必要なものです。
エディブルスキンケアを起ち上げてから、何度も危機的な状況に追い込まれながらも、続けてこられたのはスキンケアがやはり私を離さなかったから。
今、こうしてこの記事を書けているのは、この仕事があったからだと考えるとほんのり幸福な気持ちになります。
私にとってスキンケアとは肌を健康に保つことのみじゃなく、人として磨かれていくために必要なものなのかもしれません。
肌はその人を表す鏡
皮膚は人間の最大の臓器であり、人間の内側と外側を隔てる境界です。痛みや温度を感じたり、体温の調整をしてくれるなどの働きのほか、自分で見ることができない体の内側の状態を映し出してくれるのも皮膚です。
チョコレートを食べすぎればブツブツできて、水不足だととカサカサになって、元気がなくなると肌のくすみが気になり、皮膚の状態が健康状態のバロメーターになったりします。
人の第一印象は最初の数秒で決まるといわれますが、その大部分は顔の肌の状態から得られる情報からなのだそうです。肌の状態から人がわかってしまう、そう考えると手抜きできないかも。
顔の肌の状態で判断されちゃうのだから…そしてスキンケアは1日がんばっても結果は残せない、毎日の積み重ねが勝負の作業ですから理想の状態に保つのはとても難しい。
スキンケアをしなくても美しい肌を保てるのが理想ですが、私は生きていく上でスキンケアがどうしても必要なのです。
アトピーに悩まされた日々のこと
生まれたときから肌が弱く、気が付いたときにはアトピー性皮膚炎と診断されていました。夏になると症状が悪化して、症状が現れると肘や膝が見えないような服選びに苦心したものです。
中学性でドライスキンに悩み、肌のつっぱりを感じはじめます。10代では皮脂も多少ありましたが、目の周辺は乾燥によるシワが目立ちはじめ、実年齢より相当老けてみられてました。
スキンケア製品を自分で選んで買えるようになってからは、化粧品を試しまくりました。アイクリームはとくに大事なアイテムで、いろいろ使いましたが、「これ!」という効果を感じられるものは皆無でした。
美容学校でメイクアップモデルのアルバイトをはじめたのですが、常に肌のつっぱり感に違和感を感じていました。肌の状態が完璧ではない上に、不健康な肌にメイクアップをのせると仕上がりに大きく影響します。
「肌って大事」って痛感したのもその頃です。そして、アトピーは成人すれば治るといわれていたのですが、カタチをかえて成人後もお付き合いすることになりました。
大人のアトピーに移行してからは、季節を問わず症状が現れるようになりました。入院するまでには至らなかったけれども、真っ赤に腫れた顔を冷やしながら仕事をしたりする時期もありました。とくにストレスが増すと必ず症状が悪化します。
強いステロイドを使ったり、貼り薬、腰に注射を打ったり、といろいろな治療法を試したのですが、根本的な治療にはなりませんでした。
化粧品製造会社で感じたこと
すでに20代前半でスキンケアを怠るとすぐに肌がカピカピ状態になり、近い将来には顔中シワだらけになってしまうと恐れながら、偶然にも化粧品の製造会社で働くことになったんです。
もともと専門分野が貿易だったので、化粧品やその使い方を海外の顧客に紹介する、OEM化粧品を提案する、美容テキストを作成するなどの業務を担当しました。自分の肌のことには気を使っていた私ですが、他人の肌のことまで考える余裕などなく、ここで化粧品というものをゼロから学ぶことになりました。
仕事として化粧品と関わるようになって初めてわかったこと。それは、化粧品について何もわかっていなかったということです。化粧品の世界は、外から眺めるのと、内側から見るのではまったく異なることに衝撃を覚えるほどのものでした。
この会社では植物成分を用いて化粧品を製造していたのですけれど、これで自然っていえるんだ~という事実でした。化粧品に自然を求めるのは無理な話のかもしれないとさえ思ったものです。
オーガニックスキンケアサイエンスを学ぶ
その後、ジェットコースターのような人生を送る運命にある私は、別分野の貿易の仕事をすることになるのですが、やはりスキンケアの仕事をしたいと考えはじめます。
もっと植物に寄り添うスキンケアがあるはずと、スキンケアについて詳しく学べる場所を探しはじめました。もともと大学院などの学ぶ機会がほしいと考えていたので、懸命に探したのですが、日本には私が希望するような
学校はありませんでした。
海外に一般的な化粧品処方について学べる機関をみつけましたが、ナチュラル/オーガニックに特化したコースはまだ数少ない時代でした。インターネットが普及しはじめた頃必死で探し続けて、イギリスにホリスティック/オーガニックのスキンケアの設計を教えるという学校を見つけました。
創立間もなく、女性が独りで起ち上げた学校でした。そして、私がその学校で初の日本人の生徒となりました。まだE-ラーニングなんて言葉が一般的でなかった時期でしたが、留学もせず勉強できるなんて、なんて便利になったんだろうと思いました。
その学校でいくつかのコースを修了し、日本人初のオーガニックスキンケアのチューターになったたころ、私はまた運命に流されて介護と同時に起業することになりました。その学校は私が介護に翻弄されている間に生徒の数がどんどん増えて大きく成長していきました。
介護から解放されるころ、イギリスでその学校のカンファレンスに参加し、世界のナチュラル/オーガニックスキンケアのブランド創始者、素材のサプライヤー、化粧品設計者と出会うことができました。
その仲間を通して、(とくに女性が)協力的に働くことで、独りでは実現できない大きな仕事を可能にしていく現場を体験しました。そして、日本でもこんな事仕事ができたらという目標ができたのです。
スキンケアとライフスタイル
世界のナチュラル/オーガニックスキンケアのビジネスに関わる人たちとの出会いで、スキンケアはますます私の大切なものになりました。私が学び続ける原動力であり続けます。
アトピーと化粧品とオーガニックコスメを学んだこと、そしてその背後にある食生活やライフスタイルが私の肌の状態に良くも悪くもどう影響するのかが、なんとなくぼんやりとわかってきたばかりです。
肌と食事とライフスタイルは確実に関連していて、普通の化粧品にはできないことが植物の力によって可能になることを実感してきました。ナチュラルなスキンケアと先端の技術を組み合わせることでもっと健康的なスキンケアが可能になることを確信しています。
スキンケアは皮膚をきれいにするだけでなく、ライフスタイルを通して人として磨きをかけながら、自然や生き方を学びつづける手段として、とても重要な存在なのです。
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