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【血統×Mの法則】2020オークス(G Ⅰ)全頭診断(簡易無料版)

#馬券は自己責任
#このページには予想 (買い目)は記載しておりません

◉診断基準
【A】積極的に馬券を購入したい
【B】好材料があり、馬券を購入したい
【C】不安材料があり、馬券を購入したくない
【D】消したい

2020年 オークス(GⅠ) 東京 芝2400m
【A評価】2頭 【B評価】5頭 【C評価】7頭 【D評価】4頭

※今回も簡易版ということで、全頭無料公開致します。


1.デゼル【B】 (ディープインパクト×Le Havre)
父ディープインパクト、母父はBlushing Groom系Le Havre。母は仏牝馬2冠アヴニールセルタンという歴史的良血。怪我が重なり3月半ばデビューという遅咲きだが、破竹の2連勝でオークス出走に漕ぎ着けた。なんとなく印象だけで「気のよさと体力で走るL(淡白さ)系か?」と思っていたが、この2走の走りをよく見てみると、馬群を割いて差し切ったり、馬体を併せて一伸びしたりするように、強いS(闘争心)とバランス良くC(集中力)を内包するチャンピオンタイプに見えた。非根幹距離の1800m経験しかない経験の浅さ、デビュー前の怪我は気になるものの、疲労やストレスは少ない状態でレシステンシアのいないレースなら条件は悪くない。脚質的に差し損ねる可能性は高いが、間違いなく世代トップレベルのポテンシャルの持ち主。

2.クラヴァシュドール【C】 (ハーツクライ×Giant's Causeway)
父ハーツクライに母父Giant's Causewayという米国系パワータイプ。世代トップレベルとも遜色ないレースをしており高いポテンシャルを有するが、コンパクトにまとまったタイプ故になかなか勝ちきれない。前走は重馬場の極限GⅠという強いSを求められるレース質になり、前哨戦までにSを補填しきれてない分最後ガス欠になった。大幅延長自体は苦にしないが、前走で力任せに走ったことにより心身のダメージやストレスを抱えたタイミングでもあり、4着から一気にパフォーマンスを上げる格も有していない。

3.アブレイズ【C】 (キズナ×ジャングルポケット)
父キズナ、母父はダービー馬ジャングルポケット。母母父タイキシャトル、母母母父フォーティナイナーという非常に日本にゆかりのある血統。無敗トリオの一角だが、やはり地味な印象は抜けず人気になっていない。血統構成の通りSの塊のようなタイプで、好調期には多少の困難ははね除けるが、S任せの楽なレース経験しかないことはマイナス材料。疲労やストレスはないが、硬くなりやすそうなタイプでもあることや、600m延長をこなす体力や量は微妙なだけに苦戦は必至。

4.デアリングタクト【A】 (エピファネイア×キングカメハメハ)
父エピファネイアに母父キングカメハメハ、祖母デアリングハート(桜花賞3着)という血統構成。桜花賞では重馬場の中で一頭異次元の差し脚を見せ、世代トップどころか歴史的な名牝の誕生すら感じさせた。タイプはS主導のチャンピオンタイプで完全な連チャン状態。桜花賞でのダメージやストレスは懸念材料だが、二走前がOP特別であることや、若駒の時期は勢いが勝る部分もあり心配ない。高速馬場で前にいる馬が有利に働く分、どうしても脚質的な不利は否めないが、今のテンションなら先行することもできるので、先週のアーモンドアイのようなレース運びも可能。先週のヴィクトリアマイルで連チャン期のサウンドキアラで先行した松山騎手なら、前目での競馬は十分あり得る。

5.ホウオウピースフル【C】 (オルフェーヴル×キングカメハメハ)
父オルフェーヴル、母父はダービー馬キングカメハメハ。半兄は有馬記念勝ち馬ブラストワンピース(父ハービンジャー)という血統。母母父フジキセキということで、サンデーサイレンスの3×4というインブリードを持つ。兄と違い父がオルフェーヴルになるので強いS主導タイプだろう。前走のフローラSでは直線で窮屈になる不利がありながら、馬群を割ってしぶとく伸びて2着に入ったところを見ると、非常に高いポテンシャルを感じると共に、強いストレスを抱えてしまった。気の張った若駒だけにはね除ける可能性はあるが、トライアル2着から更にパフォーマンスを上げるような格も有しておらず、苦戦は必至。

6.リアアメリア【B】 (ディープインパクト×Rockport Harbor)
父ディープインパクトにUnbridled肌のRockport Harborという血統構成で、いかにも仕上がりが早い快速タイプ。大味なレース振りからも分かるように典型的なL系で、前走の桜花賞では、重馬場を出遅れながらジワジワと前に行く一番苦手なレース運びで最後は投げ出した。しかし今走に関してはペースの落ちる「1600m→2400m」の大幅延長、広く摩擦の少ない東京コースと好材料が豊富な臨戦ではある。惨敗から巻き返すにはやや格不足も「GⅠ 1人気」「東京マイル重賞1人気1着」とギリギリ踏ん張れてもよいタイミング。

7.ウインマイティー【B】 (ゴールドシップ×カコイーシーズ)
父はGⅠ6勝ゴールドシップ、母父カコイーシーズ(父Alydar)、母アオバコリンは地方ダート戦線で活躍した。勝ち上がりに3戦を要したが、父ゴールドシップから引き継ぐ豊富なCで二連勝とリズムに乗った状態。前走の忘れな草賞も内枠で集中力を活かすレースで見事な勝利だった。地味な血統で人気になっていないが、連勝で加熱状態なら間違いなく力を出し切れる状態。高テンション故に先行できる状態でもあり、スタート次第では前目でレースすることもできるだろう。デビューから馬体が増え続けながら好走しているが、ここは一期に450kg台あたりまで絞って、究極の状態でのレースに期待したい。

8.スマイルカナ【C】 (ディープインパクト×Distorted Humor)
父ディープインパクトに母母キャタリナとくれば、血統構成はほぼエイシンヒカリ。毛色や強いSなど多くの類似点があり、前走桜花賞3着の粘りに驚いた人も多いだろう。SとLを併せ持つタイプで、距離自体は許容範囲内だが、桜花賞で「前走逃げられなかった逃げ馬」のカードを使った後だけにタイミングは微妙。延長での臨戦が多いことや、高テンションの馬が多いだけに、前目に馬が集まると厳しい展開になる。オークスでは経験豊富で小柄な馬の好走がセオリーだけにピッタリなタイプではあるが、割り引かざるをえない。

9.インターミッション【C】 (ディープインパクト×キングカメハメハ)
父ディープインパクトに母父キングカメハメハはワグネリアンと同じ組み合わせ。また母系にはダノンシャークも輩出しており血統構成も酷似している。中山マイル3連発からの桜花賞というローテで大きくパフォーマンスを下げたが、けして悪い馬ではない。気のいいL系で、ペースの落ちる「1600m→2400m」の大幅延長、広く摩擦の少ない東京コースにストレスを吐き出した状態で望めるのは好材料。雰囲気としては同じく血統構成のワグネリアンのダービーに近いイメージだが、ワグネリアン程の格がないだけに、己のポテンシャルとの戦いになるだろう。

10.ミヤマザクラ【A】 (ディープインパクト×Mr. Greeley)
父ディープインパクトに母父はミスプロ系Mr. Greeleyで、母はクロフネの半妹ミスパスカリ。前走の桜花賞では最悪の臨戦・展開ながらしぶとく伸びて5着とポテンシャルの高さと現状の充実度を示した。この馬もまた強いSとLを併せ持つタイプで、広いコース替わりは好材料。もちろんクイーンCを見ても分かるように東京コース適性も高く、前走で疲労とストレスを吐き出しての臨戦はほぼベスト。「1人気1着」などのポテンシャルの証明が乏しい中での上位人気はやや不安だが、「牡馬混合重賞好走」「2000m実績」などでカバーできると判断。切れる脚がないだけに、前目で強気なレース運びができれば大きな期待ができる。

11.リリーピュアハート【C】 (ディープインパクト×Galileo)
父ディープインパクト、母父は英ダービー馬Galileo(父Sadler's Wells)という配合。兄は青葉賞勝ち馬ヴァンキッシュラン。L色の強いタイプで量は豊富そう。前走の忘れな草賞では「東京2400m→阪神2000m」というL系にはきつい臨戦で精彩を欠いたが、今回は「2400m→2000m→2400m」のバウンド延長という強烈に異端なカードを有することになり無視できない一頭になった。適度に負けての得意コース替わりはパフォーマンスを上げる可能性としては十分だが、極限GⅠでパフォーマンスを上げられる精神構造をしているかと言われれば微妙。兄のヴァンキッシュランが青葉賞勝ちからダービーを惨敗したように、はやり格の面で不安は残る。

12.マジックキャッスル【D】 (ディープインパクト×シンボリクリスエス)
父ディープインパクトに母父シンボリクリスエスとHail to Reason同系配合で、母は桜花賞3着のソーマジック。1勝馬ながら3戦連続2着という堅実さが売りの同馬だったが、前走の大敗でリズムを失った。以前にも書いたように、リズムの途切れた同系配合のS系は深刻な不振状態に入りやすく、今回大幅にパフォーマンスを上げるとは考えにくい。前々走のクイーンCで好走しているだけに、好材料は東京コース替わりのみ。2歳時の頃のように前目につけれたらという不気味さはあるが、いまのリズムでは先行することすらできないだろう。

13.ウーマンズハート【D】 (ハーツクライ×Shamardal)
父ハーツクライに母父はGiant's Causeway肌のShamardalという血統構成。新潟コース2連勝で重賞を制したように、摩擦の少ないコースでのレースが得意なS内包型L系で、今回の東京コース替わりは好材料。ただ昨夏から勝ちが遠ざかっている深刻な不振状態の同馬が、劇的にパフォーマンスを上げる材料としてはあまりにも乏しい。

14.フィオリキアリ【D】 (キズナ×Successful Appeal)
父キズナにIn Reality系Successful Appealという血統構成。前々走は1勝クラスからのリステッド競争という格上げ戦だったが、キズナ産駒らしく-12まで絞って2着に入るという強いCを見せた。また前走もプラス体重での極限GⅠという臨戦ながら7着入線と、CとSの充実度を示した。ただやはり2400mへの延長はプラスにはならず、集中力を活かすにはもう少し内枠が理想ではあった。東京コースは新馬勝ちはしたが、本来は得意なコースという訳でもなく厳しい。

15.チェーンオブラブ【D】 (ハーツクライ×Street Cry)
父ハーツクライに母父Street CryでHaloの3×5というインブリード。Haloカラーが強く出ており、自分の得意条件では一本調子に走る。2戦連続惨敗からの臨戦で巻き返せる精神構造はなく、特に買う材料も見当たらない。

16.ウインマリリン【B】 (スクリーンヒーロー×Fusaichi Pegasus)
父スクリーンヒーロー、母父はケンタッキーダービー馬Fusaichi Pegasus(父Mr. Prospector)、兄はラジオNIKKEI賞勝ち馬ウインマーレライ(父マツリダゴッホ)という血統構成。前走のフローラSでは前目でしぶといレースを見せ、ポテンシャルの高さを見せた。S主導で若いうちはある程度のCも見せるが、加齢と共に不安定な走りをみせるようになるタイプだろう。ただ今回は中山・東京という求められる資質の異なる条件を連勝してきており、非常に充実した状態であることは確か。前目につけるスピードもテンションもあり、間違いなく有力馬の一頭。前走の-10kgからの大幅増だけは要注意しておきたいところ。増減なしか軽く増える程度にとどめたい。

17.マルターズディオサ【B】 (キズナ×Grand Slam)
新種牡馬キズナを父に持ち、母父Grand Slamという血統構成から、SとCがバランスよく織り混ざったチャンピオンタイプ。これまで安定して走っていたが、チューリップ賞で抱えた強いストレスにより桜花賞は惨敗に終わったように、前走は最悪と言っていいタイミングだった。それでも直線で見せ場を作る走りをしており、ストレスと疲労を吐き出しての臨戦は前走より好材料。リズムを失った直後だけに、単純に先行して雪崩れ込むような形では間違いなく苦戦するので、上手く馬群の中で集中力を活かしながら「先行→差し」などの脚質的にはショックを決めたい。

18.サンクテュエール【C】 (ディープインパクト×Canadian Frontier)
父ディープインパクトに母父はGone west肌のCanadian Frontier、兄は米GⅠ馬のYoshida(父ハーツクライ)という血統構成。パワー型のまとまったタイプで、摩擦の少ないコースに良績が集まっている。前走の桜花賞はシンザン記念からの休み明けで精彩を欠いたが、広い東京コース替わりは実績もありベスト。しかしながらコンパクトにまとまったタイプだけに、「牡馬混合重賞勝ち」「東京コース重賞実績」のカードだけでは強調材料に欠ける。少なくとも馬体を絞り、「差し→先行」の位置取りショックを決めることができれば、世代トップレベルのポテンシャルで巻き返せる可能性はある。

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