AJCC血統的見解

今回からできる限り重賞の血統診断や所見を書いていきたいと思います。
主に血統ですが、それ以外のこともあります。また主なクロスは5世代を目安にみています。
今回はAJCCです。アメリカジョッキークラブカップはオールカマーと同じ2200m。ずーっと続く緩やかなカーブのためにスピードは出にくく基本的には先行有利です。昨年も逃げたマイネルミラノ、まくったダンビュライトが馬券に絡みました。ただし今年は逃げ馬も複数いるのでペースが若干上がっていくのではないでしょうか。

アクションスター 大野拓弥56.0
父 アグネスタキオン
母父 Loup Solitare
主なクロス Hail to Reason 4×5
基本的に芝の中距離の血統で父はディープスカイにダイワスカーレットを輩出しています。ただ母母がフォーティナイナー系ということから弟のヴェネトは年明けマイルで昇級。もう少し短い距離で映えるのかなとは思いますが、この馬は後ろからしか行けないのが致命的ですね。パワー系が母父系に入っているのでそこにチャンスを見いだせそうですが、どうでしょうか。昇級して早4年、一度も馬券内なし、意地見たいところですが次走以降になりそうです。

○地 サクラアンプルール 蛯名正義56.0
父キングカメハメハ
母父サンデーサイレンス
主なクロスノーザンダンサー5×5×4
King mambo系とサンデーサイレンス系の組み合わせを僕は王道血統と呼んでいます。主流同士の組み合わせで現代の軽い芝に1番あっている組み合わせではないでしょうか。
そしてこの馬の母母、父母には共にノーザンダンサー系が入っておりスタミナの持続もOK。なのでコーナーから動きだし、長い脚の求められる中山が得意なんです。重賞勝ちを果たした札幌記念も早めに動いての押し切り勝ちでしたよね。それがこの馬の勝ちパターンなんです。明け8歳と高齢になってきましたが、有馬記念は不完全燃焼。改めて期待です。

シャケトラ 戸崎圭太56.0
父 マンハッタンカフェ
母父 Singspiel
主なクロスHalo 3×4 ノーザンダンサー5×5
マンハッタンカフェ産駒は基本非根幹距離が得意な血統でルージュバックはこのコースで重賞勝ちも果たしています。産駒は中山が得意でこの馬も日経賞を勝つなど適正の高さを見せています。またHaloの3×4なので瞬発力ならずば抜けている血統です。クロスが強いぶん脚元の弱い体質になってしまいました。その骨折からの休み明けなので、あまり重たい印は打てない印象です。外回りコースは初めての経験ですが、長い脚も使えそうな血統なので期待できそうです。

○地 ショウナンバッハ 三浦皇成 56.0
父 ステイゴールド
母父サクラバクシンオー
主なクロスノーザンテースト4×4ノーザンダンサー5×5×5
キタサンブラックの半兄で中日新聞杯では穴を開けたのが記憶に新しいかと思います。このステイゴールドとサクラバクシンオーの組み合わせも意外と長距離に向くらしく安定した成績を残しています。また中山のこのコースでもノーザンダンサーの持続力からでしょうか、掲示板が多いです。今回も人気以上は期待できそうです。
ただ瞬発力のサンデー系とスプリントのサクラバクシンオーなので追い込み一発の競馬になりがちで展開に左右されるところが多いのが難点ですね。

ジェネラーレウーノ 田辺裕信56.0
父スクリーンヒーロー
母父ロックオブジブラルタル
主なクロスノーザンダンサー5×5×5×5×5ダンチヒ4×4 Hail to Reason5×5
いつ見てもクロスのすごい馬です。中山が得意なこの馬、重賞二勝は共にこの中山です。
父系はHail to Reasonのクロス、母系はノーザンダンサーのクロスなのですが、どうやら母系の血がよく出ているようでスピードと持続力に長けている印象です。今回も持ち味を生かせれば勝機もあるでしょう。
個人的には前走折り合いをついたことを考えると番手に控えて瞬発力にかけてみるのも面白いかと思います。

ステイインシアトル 内田博幸 56.0
父 ステイゴールド
母父 Belong to Me
主なクロスHail to Reason4×5 ノーザンダンサー5×4
ステイゴールド産駒はオルフェやゴルシを見てもわかる通り気性が荒いので前へ前へ行きたがる馬がたまに出てきます。マイネルミラノ、クロコスミアそしてこのステイインシアトルなどです。ハイペースにならないことを祈らないといけないところが弱点ではありますが、母系にDanzig入ると中山が得意になる気もするので気の抜けない一頭です。中山初というところも怖いところです。

ダンビュライト 北村友一 57.0
父 ルーラーシップ
母父サンデーサイレンス
主なクロス ナスルーラー(系統)
父譲りの気性の荒さは乗り手を選びますね。今回は前走に引き続き北村友一騎手。テンから行っても後ろから行っても競馬ができる器用さがあるんです。遠いですが父母、母母にナスルーラーのクロスがあります。基本的に父よりの血統なので番手から差すのが一番決まります。父母のキレは健在です。
昨年のような走りができれば連覇も見えてくるでしょう。

フィエールマン C.ルメール 57.0
父 ディープインパクト
母父 Green Tune
主なクロス ノーザンダンサー5×5
サンデー系とノーザンダンサー系の黄金血統です。未勝利戦から菊花賞まで常に上がりは上位なところを見るとこの馬は父方が遺伝した様子です。母方のマルゼンスキー系はスタミナと持続力なのでちょっと早めに動いても山藤賞のように瞬発力はもちそうで去年のダンビュライトの競馬を今年はこの馬がするのでは?とにわかに考えています。もしそうすれば敵はいないでしょう。独壇場になる可能性すらあります。とにかくジェレラーレとの一騎打ちになるか?と期待を寄せています。

マイネルミラノ 柴田大知 56.0
父 ステイゴールド
母父 Polish Precedent
主なクロス ノーザンダンサー5×4×5 Hail to Reason4×5
昨年のこのレースは粘りこみの三着、波乱を展開しましたが、その後は逃げも決まらず追い込んでも足が持たずと衰えが見えてきた様子です。血統的背景は先ほどのステイインシアトルと類似。こちらの方が少しノーザンダンサーの血が濃いので逃げて逃げ残りを期待するしかない血統でもあります。
前走のように控えた競馬は似合わないのでどんどん逃げて行って欲しいところです。

ミライヘノツバサ 北村宏司56.0
父 ドリームジャーニー
母父 シルバーチャーム
主なクロス ノーザンダンサー5×4ノーザンテースト5×4 Hail to Reason5×5
父はステイゴールド×パーソロンの黄金血統でノーザンダンサーが強めです。当然中山得意な血統ですが、この馬は外回りより内回りの方がいいような気もします。母系は日本で導入がうまくいかなかったシルバーチャーム。ただこのステイゴールドの子供たちとはいい相性を見せているのがいかにステイゴールドがマイナー血統に順応するかがわかるかと思います。父母のパーソロンもそうですよね。このステイゴールドの柔軟性が孫へも遺伝しているかです。

メートルダール Oマーフィー56.0
父 ゼンノロブロイ
母父 Silver Hawk
主なクロス Hail to Reason4×4
この馬はこの中山のような坂のあるコースは得意です。ただし、少し直線が長い方がいい印象を受ける血統ですね。重賞勝ちが中日新聞杯なところを見ても納得いきます。
東京の2000mの重賞がほとんどないのがこの馬にとっては不運ですが、是非とも天皇賞・秋で見てみたい血統です。
今回は4コーナー手前から動き出して足が持つかの戦いになりそうで、母系がどう出るかの勝負になっていきそう。開催後半の荒れた馬場になっているのなら母系の遺伝がより重要になっていきます。


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