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「都市一極集中から地方の活性化へ。」 枝野幸男街頭演説@金沢駅 10/4 《全文書き起こし》

10月3日から4日にかけて石川県金沢市にお伺いし、石川県総支部連合会(県連)設立大会に出席、市内2カ所(神谷内町交差点、金沢駅前中央交差点)で街頭演説を行いました。また、自主夜間中学設置に向けた取り組みを行う方々、学童保育関係者とそれぞれ意見交換を行いました。

10月4日に金沢駅前で行った演説の全文書き起こしを公開します。

※街頭演説の様子は、YouTubeでご覧いただけます。

街頭演説 10/4全文書き起こし

たくさんの皆さんにお集まりいただき、ありがとうございます。立憲民主党の枝野幸男です。よろしくお願い致します。第二次安倍政権ができてから約8年。安倍首相に、「この道しかない」なんて言わせる政治を許してきてしまいました。民主主義というのは、こっちが駄目だったらこっちがちょっとおかしいなと思ったらあっちを選ぶ、選べるから、選挙があるわけです。残念ながら、その選択肢を皆さんにしっかりと示してくることができなかった。この8年近くのあいだの様々な経緯を乗り越えて、いまこの状況だからこそ、きちっともう一つの選択肢を皆さんに示さなければならない、そう決意をして、今回合流を呼びかけさせていただきました。多くの皆さんにご理解をいただいて、9月15日、新しい立憲民主党をスタートさせることができました。

これまでの日本の政治は、安倍さんだけじゃありません、その前の小泉さんの時代が一番分かりやすかったけれど、昨年亡くなられた中曽根元総理の時代の頃から、官から民へ、民間でできることは民間でとなりました。その後ろにあるのは何なのでしょうか?「自由に競争すれば、世の中良くなる」こういう考え方でずっときませんでしたか?この国は。競争すれば良くなるんだから、競争の邪魔になる規制がないほどいいんだ、国のものもどんどん民間に売っ払って民間にやらせればいいんだ。その結果、本当に良くなりましたか?残念ながら、この間、都市と地方の格差は広がっています。個人の間でも格差は広がっています。当たり前です。競争をすれば、勝つ人もいれば負ける人もいるんです。勝った人はいいかもしれないけど、負けた人はどうなるんでしょうか?競争をずっと続けていけば、最初は勝っていた人も勝っている人どうしでまた競争するから、どんどんどんどん勝ち組は少なくなるんじゃないですか?これに対して、「自己責任だ」「自分が悪いんだから仕方がないだろう」、そういう社会に残念ながらこの国はなってきてしまいました。

その結果、今年、新型コロナウイルス感染症が襲いました。競争をどんどんさせればいいんだから役所なんて小さい方がいい、その結果何が起こりましたか?保健所が足りなくて、皆さんのなかにも、ご家族や知り合いのなかにも、高熱がでて保健所に電話したけど検査して欲しいのに電話がつながらない、そんな方いらっしゃいませんでしたか?保健所の皆さんサボっていたんじゃないですよ、不眠不休で仕事していたんですよ。それでは、病院は?一時期はPCR検査で陽性とでても、熱がでても、受け入れるベットが足りないという状況が全国で起こったじゃないですか。新型コロナウイルス感染症の対応のためにベット・病床をあけなければいけないと言って、ちょっと待ってくれというのが全国で起こったんです。救急搬送する救急病院が足りなくて、遠くまで運ばないと受け入れてもらえなかった。まさに命が脅かされている。そんな状況になりました。

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命の問題だけではありません。介護、保育所、放課後児童クラブ、濃厚接触さけられませんでしょ?リモートで仕事できませんでしょ?特に高齢者の皆さんは感染したら命にかかわる。そういうサービスがどんどんどんどん、ただでさえ苦しいのに現場にしわ寄せがきて、サービスができない、そんな状況になりました。

この金沢、北陸新幹線ができて、首都圏からも交通が便利になって、たくさんの観光客の皆さんがきていました。今年は東京オリンピックもある。オリンピックで東京まできてくれた外国人観光客もきっと金沢まできてくれるだろうと、あてにしていた方、期待をしていた方、たくさんいらっしゃったのではないですか?そこに向けて、お店や宿を拡大しよう、実際に投資して拡大した方もいらっしゃるのではないですか?残念ながら、それどころじゃない状況になってしまいました。その結果、商売が続けられなくなっている方まわりにもいませんか?店を閉じてしまった方いませんか?その人たちは競争に負けた人で、それは自己責任なんでしょうか?ちがうでしょう。自分の力でどうにもならないことです。新型コロナウイルス感染症に感染してしまった人もそうです。その影響でうまくいくはずのご商売がうまくいかなくなった人も、店を閉じざるを得なくなった人も、仕事を失ってしまった人も自己責任なんですか?

これまでの競争だ競争だ、民間にやらせればいいんだ、規制なんかいらない、役所は小さければいい、私も15年ぐらい前まではその尻馬に乗っていました。その反省も込めて、いやあえて言えば、昭和の時代はそれでもよかったかもしれません。でも、平成の30年間をへて、日本はますますお年寄りの多い社会になりました。少子化のなかで子供を産み育てたいと思いながらそれができない社会になってしまった。競争の結果、都市と地方の格差がどんどん開いて、地方で暮らしていくのがなかなか難しい時代になりました。そんななかで、いまだに昭和の時代の、30年も前の「競争だ競争だ」「自己責任だ」では、もう時代遅れなんじゃないでしょうか?

人間、自分の力だけれではどうにもならないときがある。歳を取ったら誰だって体は若い時と同じようにはいきません。自分の力だけではどうにもならないときのためにこそ、政治はあるんでしょう?役所はあるんでしょう?その政治と行政の本来の役割を取り戻し、互いに支え合う社会を、その支え合いをしっかりと政治と行政の責任で支えていく「機能する政府」をしっかりと作っていこう。こうしたもう一つの選択肢を皆さんに提示をさせていただきたいと考えて、今回、新しい立憲民主党を呼びかけさせていただきました。

もっと検査しましょうよ。いま、三月、四月の状況とは違って、もっともっと検査ができる状態になっているんです。検査をして陰性だとわかれば、安心して旅行いけるじゃないですか。金沢にこれるじゃないですか。検査して陰性だとわかったら安心できるじゃないですか。そうしないと、観光客戻るはずないじゃないですか?ちゃんと検査をしましょうよ。減らし続けてきた保健所を立て直し、もっと人を増やしましょうよ。医療も介護も保育も、そして放課後児童クラブも障害福祉もどんどん人が減らされてきた。こうしたところで働いている人たちがちゃんと安心して働ける。安心して働けるということは、希望をすれば、家族を持ち子供を産み育てることができるくらいの給料がちゃんと払らわれるということ。そういう社会保障にすれば、いまのように、「寝たきりになってしまったけど介護受けられるかな」「感染したかもしれない高熱でたけど検査受けられるかな」こんな社会じゃなくなるんです。

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互いに支え合うために、命やくらしを守るための必要なときに欠かせないサービスをしっかりと担ってくれる人たちのくらしをしっかりと支える。そうした人たちは、都市一極集中じゃないんです。田舎にいけばいくほど、高齢者の比率は高いので、介護の必要性が高いんです。医療の必要性も高いんです。そういう方が身近でちゃんと医療や介護を受けられる、そのサービスを提供する人がしっかりとその地で暮らしていける、こういう社会にしていかなければ、一極集中は変わらないじゃないですか?地方を元気にしていくというのは、地方それぞれのところで生まれて育って老いていく、そのことをちゃんとどこに住んでいても支えていける、そういう政治を作っていくことだと私は思います。いかがでしょうか?

4年、5年ぐらい前ですが、近藤さんの選挙区の能登を、時間をかけてまわらせていただきました。能登で農業、水産業、林業をやっていただいている方がいます。競争では、勝てません。大変不利な地域の中で一次産業に携わっている。こういう一次産業は、農業や水産業や林業は、いらないんですか?競争だ競争だ、小さな政府だ、自己責任だという社会は、そういったものは競争に負けたら消えていっていいというものです。もういいかげんやめませんか?世界との競争には勝てないかもしれません。でも、日本列島津々浦々で山の斜面を切り開いて段々畑や棚田を作って、そこで私たちの食を支えるために、何百年もやってきてくれている人たちがいます。森があるから緑があるから山があるから実はその水を蓄える力で災害を抑えてきてくれた。緑があるからわれわれは酸素がすえる。水産業をはじめとして、一次産業が頑張っているいから、水や空気が保たれている。本当に地方の活性化というんだったら、こういう仕事を津々浦々でやってらっしゃる皆さんが安心して仕事を続けていける、お子さんやお孫さんが「厳しい仕事だけどでも故郷を守るためにこの仕事につきたいんだ」と言った時に親やおじいちゃんやおばあちゃんが安心して子供や孫に「ありがとう、仕事ついでくれるんだ。たすかるわ」と言える、それが地方を地域を活性化するということじゃないんですか?

残念ながら、菅総理、秋田の地方のご出身だと言いながら、横浜という大都市の選挙区で政治家として育たれました。いま中小企業は多すぎるからもっと淘汰して減らしていこうと言いだしています。逆でしょう。日本で、特に地方で、雇用、働く場を提供しているところの大部分は中小企業、小規模事業じゃないですか。そこには実は長年のノウハウや人間関係、いろんな蓄積があるじゃないですか。こういったものをどうやって守っていくのか、これが政治の役割じゃないですか?

私たちには、いままでのやり方とは違うもう一つの選択肢を提示します。そのための具体的な政策があります。ぜひ、私たちをもう一つの選択肢と認めていただいて、比べていただきたい。比べていただければ、必ず選んでいただける。私には、その自信があります。だから、今回の結党を呼びかけました。この石川県、与党が強いところだと言われています。でも、それは、これまで与党が強いところだったことにすぎません。幸いなことに近藤和也さんという立派な若い仲間がいます。大変厳しい選挙区、そこでしっかりとこのあいだも大接戦までいってもう少しで小選挙区で勝てるところでした。そこまで戦い抜いてくれているんです。もう時代は変わっているんです。

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この石川1区で、相手有名な方ですからね、なかなか大変です。でも、荒井淳志さんは26歳。勇気を持って立ち上がってくれた。しっかりしているでしょう。こういう仲間がでてきてくれる、でてこれる。まちがいなく政治の水面下のところは変わりはじめているんですよ。もうあと一押しなんです。近藤さんが一年以内にある衆議院選挙で、きちんと皆さんの力で勝ち抜かせいただく。そうすると、1区で、比例代表で、まずはバッジをつけるというとこにもっていくことができます。この石川から二人の衆議院議員をだすことができる。そういう状況まで水面下はだいぶ変化している。

でも、急がないとけないじゃないでしょうか?新型コロナウイルス感染症の影響で、中小企業がばたばた倒れている。命のリスクを、危険を、みんな感じざるを得なくなっています。本当にこのままだらだらだらだらと昭和の成功体験に引きづられていてはいけない。30年前も「改革」って言ってたんですよ、「規制緩和」と言ってたんですよ。30年たってもいまだにおんなじこと言っている、これってそもそもずれていませんか?もう時代は変わったんです。支え合いによって、安心できる社会を作りましょう。そのために役に立つ「機能する政府」を作りましょう。その先頭にこの石川県はなってくれる。それを担える若い仲間がいる。ぜひ皆さんの力でこの石川から新しい時代の流れ、そこに向かっての大きな一歩を踏みだしていこうではありませんか。そのためにはあなたの力が必要です。あなたの力が必要なんです。どうぞよろしくお願い致します。ありがとうございました。

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