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新時代の寄席が出来るまで。

こんにちは、Z落語です。

・Z世代とは、1995〜2010年生まれの世代。
世界の人口では、一番多くのトラフィックを占める世代となっています。

・一方でZ落語は、約400年前から続く落語を、Z世代の視点で再定義、発信するプロジェクトです。

2020年12月19日(土)・20日(日)に渋谷100BANCHで行われたZ落語初となるイベント"YOSE"、両日ともチケットはソールドアウトし、盛況のうちに幕を下ろした本企画。
今回のnoteでは、いかにして"YOSE"が生まれたのか、その制作過程などを振り返りたいと思います。

オンラインとオフライン

この企画が動き出すまで、Z落語は5Gを使ったライブ配信型落語会の実証実験をしていました。
5Gの低遅延性によってエンタメシーンの可能性は無限大に広がる余地があり、数年後5Gが普及した未来は輝かしく見えたのですが、それと同時にオフラインの空間にも特別な価値が残されていることに気が付きました。
絶対にオフラインでなければならない条件を割り出すことが出来るのか?
そんな実験的な気持ちで"YOSE"の企画書を書き始めたのが10月の最終週でした。

Z落語を担保するモノ

Z落語で様々なプロジェクトを立ち上げる中、言葉ではない形でZ落語を証明するモノが必要ではないかと考えるようになりました。
Z世代の価値観と落語、コンテクストの部分に落語を、それを表現する手段はもっと自由に。
次の日からZ落語はネオンアート職人とパーカー工場になりました。笑
アイデアを形にする、それを広く発信する、Z世代ならではのDIY精神で圧倒的に手を動かした1ヶ月半。
こうして"YOSE"の内装やシンボルは全て手作りで生まれました。

コミュニケーションとは

"YOSE"というイベントの定義に「新しいコミュニケーションが生まれる場」というものがあります。
会場の事務局へ企画書を提出すると、「どのようにコミュニケーションを生む仕掛けを作るのか?」と尋ねられました。
新しいコミュニケーションとはどうやって生まれるのか、変数的な要素が大きいだけに、仕掛けを作るとはどのような意味があるのか色々考えたのですが、Z落語が出した答えは「余白を作る」でした。
何か新しいシステムを作るより、今ある既存のルールを無くす物語を作る。
今回の"YOSE"では落語とDJが交互にパフォーマンスを行うタイムテーブルで時間的な余白を作る、手ぬぐいの白生地でステンシルアートを作る参加型の企画で変数的な余白を作る、諸事情で20日のみの提供となったのですが、会場の1Fに期間限定のモクテルバーをオープンし、会場の様子を同時配信することで物理的距離の余白を作るなど様々な余白を設計しました。
今後さらに自由な空間を目指し次なる企画も準備中です。

設計図

"YOSE"#01の設計図です。
大きくZと印されたのれんをくぐると伝統と革新を表現した枯山水のアート作品が目に入ります。
常に"YOSE"の世界観と接続するよう様々なブースが客席を取り囲むレイアウトで設置しました。
モニターではDJのパフォーマンス中はZ落語のシンボルを、落語のパフォーマンス中は桂枝之進の紋を出すことで寄席における「めくり」の役割を持たせました。
舞台にはZのネオンアートが飾られ、落語が始まると照明のオンオフで会場の空気が変化し舞台に視線が集まるよう設計しました。
客席は前列から3段階で徐々に椅子の高さを上げ、劇場型の高低差を作りました。
Z落語の目指す世界を確実に表現するため、初日の開場時刻ギリギリまで細部に渡る微調整を続けました。

そして開場

いよいよ開場の時刻を迎え、受付には続々とお客さんの顔が見えてきました。
今回は全体の参加者の90%がZ世代と従来の寄席と比べると圧倒的に若い年齢層が中心となりました。
同じ世代観をもって集まることで、会場内で偶然的な共通点を見つける出会いも多々見られ、あるようでなかった新しいカルチャーの形が生まれました。
その場その瞬間にしか生まれないもの、それこそが寄席の従来の価値であり、そしてこれからも変わらない部分だと思っています。
そして終演後に行ったアンケートの結果では、イベント全体の満足度が91%以上と、初のイベントであるにも関わらず高い評価を頂きました。

"YOSE"から見えた未来

イベントが終わってから1週間、この間様々な反響を頂き、メディア露出やZ落語へのお問い合わせも増えてきました。
いつの時代も変わらないもの、それは人の熱から体に走る刺激だったり、余白を余白として楽しむ時間だったり、言葉のいらない繋がりだったり。
こんな時代だからこそ、必要なそれが見つかるキッカケを作り続けていきたい。
そして"YOSE"というカルチャーが大系的に何を残せるのか挑み続けていきたいと強く実感するイベントになりました。
既に2021年の企画も進行しているので、来年以降のZ落語もよろしくお願いします。



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Z落語 Member
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