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もじ。 と ことば。

へ よりも あ のほうがしっかりしてて、

る よりも や のほうがひらひらしてる。


と はちゃいろっぽくて

な はむらさきいろっぽい。


す はなんとなくうみっぽくて、

に はなんとなくもえてるかんじ。


せ はつめたそうで、

く はふつうそうで、

ち はぬるそう。



共感覚をもってるわけでもない

どこにでもいる凡人の

なんとなく、のお話。


ことばがすきで、

いくらかふれて。


ことばをうつくしく包むひとをしった。


ことばにたいした意味をもたせずに、

一語一語、一音一音の体重(文字重?)を確かに感じさせつつ

透明さと、ほんのりうすく輪郭をもたせたまま

ただそこに置いただけのエッセイは

うつくしくて。



くやしいやら、せつないやら。

どうがんばっても手の届きそうにないうつくしさは

うつくしいままに受け取ることができなくて。

黄土色から黒茶色にグラデーションしていく

自分のことばとの比較がしんどくて。


喋ることも、綴ることも憚らせて

ぼくから表現を奪う。



うつくしいものを

うつくしいとだけ

受け取れないもの寂しさを

味わい続けてしまったとしたら

黒しかなくなりそうだ。



それなのに

依存性がある

うつくしいことばたちは

ことさらにたちがわるい。



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