見出し画像

ビジネス社会におけるAIとの共存

AIとは?

   ニュースや新聞などで毎日のように取り上げられるAIだが、そもそもAIとは何者なのだろうか?AIという言葉は英語の「Artificial Intelligence」の頭文字をとった略語であり、簡単に説明すると「コンピュータに知的な作業を行わせる技術」のことである。

画像1

   上のグラフは株式会社アドフレックス・コミュニケーションズが行ったAIについての認識調査である。AIを知っている人もポジティブなイメージを持っている人も約8割に上っているが、ネガティブなイメージを持っている人がいることも事実である。AIのもたらす技術革新に期待しつつも、 「AIによって仕事が奪われる」というニュースが度々報道され、AIに対して恐怖や不安を抱いている人も多いのではないだろうか。しかし、AIはあくまで人間を助けるために生み出されたものであり、特に少子高齢化により労働者不足に陥っている国や地域にとってはベストパートナーになるのだ。AIは人間に作られたものであり、なんでもできると思われがちだが、もちろんできないこともあるのである。

   以下では、『ビジネス社会を生きていくための4つの力   AIにできること、できないこと』(藤本浩司・柴原一友著)を参考に、「知性」をキーワードに、AIが苦手なことを整理していく。

AIが苦手なこと

   ヒトがAIに最も優っているもの。それは「知性の高さ」である。逆に言えば、AIが最も苦手とする部分である。知性とは、ここでは「自分で考えて環境に対応し、より良い成果を達成する能力」と定義する。前述した文献は、この知性を次の4つの要素に分け、ビジネスと紐付けで述べられている。

①解決すべき問題を定める力…ビジネスは、どんな課題に取り組むか、というところから始まるが、この動機となる部分をAIにやらせるのは難しい。AIは情報を集めることは得意だが、その情報を基に何を課題と定めるかは苦手なのだ。ビジネスは利益を求めるだけでなく、顧客を満足させたり、社会に貢献することが求められるため、あらゆる面からヒトによって検討されなければならないのだ。

②何が正解かを定める方法…課題が決まったとしても、どういう状態になったらそれが解決されたと言えるのか、目標を決めなければならない。この点においてもAIは苦手である。例えば、転職支援や採用支援をビジネスとして行う場合、個人の満足の基準や、企業が求める人物像はまちまちである。顧客が真に求めているものを見極めるためには、ヒトを介したコミュニーケーションを通して、その相手によって正解の基準を定める必要があるのである。

③考えるべきことを捉える力…目標を達成するにはそのための行動やサブゴールを設定する必要がある。大抵の場合その選択肢は無数にあるが、AIは与えられた情報全てを検討するため、膨大な年月がかかってしまうのだ。スピードが必要とされるビジネスにおいては、考えるべきことを瞬時に絞っていく人間的なやり方が必要なのだ。

④正解へと繋がる要素を見つける力…この能力は4つの要素の中でAIがもっとも発達している部分であるが、質よりも量に頼ってしまっているのが現実である。AIはヒトよりも大量の試行錯誤ができるが、逆にコンピュータ上の世界でシミュレーションできない課題にはその力を発揮できないのだ。

私たちに求められるもの

   ここまで見てきたように、AIは完全なものではなく、AIが活用されるには、ヒトによるコントロールが必要なのである。実際今後、ある一定の仕事はAIに代替され、仕事を追われる人もいるだろう。しかし、事務的で機械的な作業をAIが代わりに行ってくれることで、ヒトはヒトにしか出来ない仕事に時間をかける事ができるのである。ヒトがやるべき仕事とAIに任せるべき仕事を整理し、上手く共存していくことで、ビジネスにおける余計な負荷を減らし、さらなる経済発展に繋げることができるのではないだろうか。