King Crimson『Sheltering Skies』
King Crimsonの新しいライブアルバム『Sheltering Skies』が2024年9月6日(日本盤は9月25日)に発売されることが発表された。
Adrian Belew、Tony Levin、Steve Vai、Danny Careyが1980年代のKing Crimsonの曲を演奏するツアー"BEAT"を開催するのに合わせてのリリースである。
『Sheltering Skies』について
このアルバムについて箇条書きでまとめる。
1982年8月27日に行われたFrejus公演を収録。
Roxy Musicのサポートとして1982年にポルトガル、スペイン、フランスで7公演が行われたうちの1公演。
Frejus公演と前日のCap d'Agde公演はRoxy Musicの機材を使って撮影/録音された。
1983年にライブアルバムとしてリリースする計画があったが実現しなかった。
単独のCDとしては初リリース。
King Crimsonの1980年代のライブアルバムとしては初めてアナログレコードでリリースされる。
曲順は演奏順ではない。
ボーナストラックとしてCap d'Agde公演の「The Sheltering Sky」が収録される。
1982年にKing Crimsonは当時レーベルメイトだったRoxy Musicのサポートとして7公演を行っている。日本では前座と呼ばれるが、海外ではゲストないしはサポートと呼ばれる。
「The Sheltering Sky」がFrejus公演とCap d'Agde公演の2テイク収録されるからタイトルが『Sheltering Skies』と複数形なのだろう。
Frejus公演の過去のリリースまとめ
Frejus公演は1983年にライブアルバムとしてリリースされる計画があったが実現しなかった。その後の経緯は以下の通りである。
1984年、映像作品『The Noise』(VHS)としてリリースされる。当日演奏された10曲のうち7曲を収録。
1997年、『The Noise』(VHS)がDGMから再リリース。
1998年、『The Noise』(VHS)が日本で初めてリリースされる。
1999年、コレクターズクラブから『Live At Cap D'Agde, 1982』がリリースされる。ボーナストラックとしてFrejus公演から3曲収録される。
2004年、映像作品『Neal And Jack And Me』(DVD)に『The Noise』の映像が収録される。
2012年、DGM Liveで全10曲の音源がダウンロード販売開始される(現在も購入可能)。
2016年、ボックスセット『On (and off) The Road』で全曲CD化される。
2023年、『The Noise』がYouTubeで公開される。レストアされHD画質になっている。
『Live At Cap D'Agde, 1982』は日本では『The Collectors' King Crimson Vol. 2』に収録されて販売された。
Frejus公演の音源10曲はDGM Liveでダウンロード販売されている。MP3が$9.95、FLACが$12.95である。
『On (and off) The Road』に収録された音源は、DGM Liveからダウンロード販売されている音源とは別ミックスである(詳細は後述)。
2023年に『The Noise』がYouTubeで公開され、誰でも無料で視聴することができる。
1983年の幻のライブアルバム
興味深いのはボックスセット『On (and off) The Road』に収録された音源である。
DGM Liveでダウンロード販売されているものと異なり、10曲のうち1~6曲目がライブアルバムのために1983年にBrad Davisによってミックスされた音源である。
つまり当時どの曲を収録するか選曲し曲順も決まっていたということになる。
6曲なのでA面3曲、B面3曲を想定していたと思われる。A面が20分47秒、B面が22分9秒となる。
A-1: Thela Hun Ginjeet
A-2: Matte Kudasai
A-3: Indiscipline
B-1: Heartbeat
B-2: Sheltering Sky
B-3: Larks' Tongues In Aspic Part II
選曲は『Discipline』から4曲、『Beat』から1曲、『Larks' Tongues In Aspic』から1曲である。
2024年9月6日リリース予定の『Sheltering Skies』であるが、冒頭の3曲つまりA面の3曲は幻のライブアルバムとまったく同じ曲順である。
4曲目以降の曲順こそ異なるものの「Heartbeat」→「Sheltering Sky」→「Larks' Tongues In Aspic Part II」という流れはそのままに、幻のライブアルバムではオミットされていた4曲を間に挟む構成となっている。