超音波基礎:音響インピーダンス
音響特性インピーダンス(アコースティック・インピーダンス)は媒質の密度と音速の積によって決定されます。
音響特性インピーダンスは、次の式で表されます:
𝑍=𝜌×𝑐Z=ρ×c
Z は音響特性インピーダンス(単位: レイ [Rayl]、1 Rayl = 1 kg/(m²·s))
𝜌は媒質の密度(単位: kg/m³)
𝑐はその媒質中での音速(単位: m/s)
音響特性インピーダンスは、音波が異なる媒質間を移動する際の音波の伝達効率を表します。密度が大きい媒質では、その分だけインピーダンスも大きくなるのが一般的ですが、音速の影響も非常に大きいため、単純に密度だけでインピーダンスが決まるわけではありません。たとえば、水中の音速は空気中よりも速く、水の密度も空気よりはるかに大きいため、水の音響インピーダンスは空気に比べてはるかに大きくなります。
このインピーダンスの値が大きいと、音波はその媒質を通りやすくなります。一方で、異なるインピーダンスを持つ媒質の境界では、音波の一部が反射されるため、超音波センサーなどのアプリケーションではこの特性を考慮する必要があります。例えば、空気と水の境界では、インピーダンスの差が大きいため、音波の大部分が反射され、少量が透過します。この原理を利用して、超音波センサーは物体の位置や形状を検出することが可能です。
医用超音波における音響インピーダンスは非常に重要な概念で、超音波診断の品質に大きく影響を及ぼします。ここでいくつか重要な点を追加で説明します:
1. エコーの生成
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