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〇年3回刊『エリス』マガジンで鷲巣功さんが、キング・カーティスが歌謡曲を吹いた幻のアルバムについて書く

〇年3回刊『エリス』マガジンで鷲巣功さんが、キング・カーティスが歌謡曲を吹いた幻のアルバムについて書く

【Isao Washizu Wrote Story About King Curtis’s Illusion Album “Love Only For You”】

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(本作・本文は約6000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ12分から6分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと20分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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〇年3回刊『エリス』マガジンで鷲巣功さんが、キング・カーティスの幻のアルバムについて書く @eris_magazine

【Isao Washizu Wrote Story About King Curtis’s Illusion Album “Kimi Dake Ni Ai Wo”】

遂に。

マイ・ブラザー、ワトゥーシー・イサオさんが、以前から取り組んでいると言っていたキング・カーティスの幻のアルバム『君だけに愛を』についての原稿が、ついに完成。2021年7月15日公開の年3回刊の無料ウェッブ・マガジン「エリス」33号で発表された。

ウェッブの無料マガジン、エリスの購読の仕方はちょっとめんどうだが、一度やってしまえばなんとかなる。

まず、次のページに。


http://erismedia.jp/koudoku/

ここで必要事項を書いて「送信」をクリック。すると、アクセスするアドレス(今回は33号)とパスワードが送られてくるので、そこにアクセス、パスワードをいれると全文が表示される。基本的には縦書きなのだが、横書きで読めたりするのだろうか。僕もまだよくわかっていない。ページの飛ばし方もわからないので、鷲巣さんのページに行くまでひたすらページをスクロールした。

今号の目次は次の通り。

C O N T E N T S  ●  E R I S Vol. 33

松本隆が50年目に振り返る『風街ろまん』の遠景
    ……………………………………………………… インタビューと文 北中正和

誰の二番目でもなく ─ Second To None 第7回
 ウォーレン・ジヴォン ……………………………………………………… 天辰保文

ピーター・バラカンの読むラジオ 第31回
 音楽シーンとダイア・ストレイツの裏表
 エド・ビクネル インタヴュー ………………………………… ピーター・バラカン

Gジャン放浪記
 楽器オタクの雑記帳 第17話
 ジャングル・ビートじゃ座れない
    …………………………………………………………………………… 高田 漣


旧聞ゴメン 第26回
 キング・カーティスの謎盤『君だけに愛を』の真実
    …………………………………………………………………………… 鷲巣 功

どうしても聴いておきたいアメリカン・ポップス 1001 第25回
    …………………………………………………………………………… 亀渕昭信

オレに言わせりゃクラシック 第16回
 パンデミックの時代に生まれた〝名演トップ10〟 on YouTube
    …………………………………………………………………………… 能地祐子

ブロードウェイまで12時間と45分 第26回
 NYミュージカル・シーンの音楽的動向
 プエルトリカン・イン・ニューヨーク
 『ウエスト・サイド・ストーリー』の生命力 …………………………… 水口正裕

ソングライター・ファイル
 ポール・サイモンの音楽とロックンロールの背景 ……………………… 萩原健太

僕のリズムを聞いとくれ(Oye Como Va) 第21回
 サルサ・ロマンティカの先端を駆けた名歌手 フランキー・ルイス [前編]
    …………………………………………………………………………… 岡本郁生

執筆者紹介


編集後記 ………………………………………………………………………… 萩原健太


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上記の鷲巣さんの記事がキング・カーティスについてのもの。約1万4千字あるので、速読(1分千字)でも14分、普通の黙読(1分500字)でも、28分くらいかかる。前半は1960年代後半のムード歌謡、イージー・リスニング音楽について。その中でのキング・カーティスの位置づけなどを語る。

ちなみにキング・カーティスとは1960年代にアトランティック・レコーズなどで活躍したブラックのサックス奏者で、あのアリーサ・フランクリンの『ライヴ・アット・フィルモア・ウエスト』でもサックスを聞かせている超有名サックス奏者だ。

現在ナショジオで放映されているテレビ・ドラマ『ジーニアス:アレサ』でもアリーサとキング・カーティスのやりとりが出てくる。それによると、アリーサは「なんで私のことを誘ってくれないの?」と尋ねると「僕が君を愛しすぎているからだ」と答えるシーンがある。

デイヴィッド・リッツの伝記にもこのシーンはなくて、僕はこのドラマを見ていて驚嘆した。テレビ・ドラマということで、ある程度の創作部分もあるのかもしれないが、以前からの登場シーンでアリーサへのちょっとした思いやりみたいなものが描かれていたので、脚本家はこれをちょっとした裏ストーリーにしたのかもしれない。

キング・カーティスは1971年8月13日、ニューヨークの自宅前で暴漢と諍いが起こり、ナイフで刺され殺されてしまう。まだ37歳という若さだった。そして、『ジーニアス:アレサ』では、アリーサがそのキング・カーティスの墓参りをするシーンも映し出される。

当時引く手あまただったサックス奏者、キング・カーティスが、日本のレコード会社、当時の日本グラモフォン(のちのポリドール)レコーズからの依頼で、日本の歌謡曲をサックス・インストでカヴァーするという企画盤を録音した。これはこの1968年、日本盤が『君だけに愛を』となってリリースされた(らしい)。らしいというのは、鷲巣さんが今回聞いたのが、その『君だけに愛を』の白盤、いわゆる関係者向けのテスト盤だからだ。現実の帯付きのアルバム自体を長年探しているが見たことはないという。

キングカーティス アー写 モノクロ

このアルバムについては、僕がインターFMで伝説のラジオ番組『ソウル・サーチン・レイディオ』を毎週火曜日生放送でやっているときに、毎週のように会った鷲巣さんと話したことが今回の記事のきっかけになっている。

今回話題にしているのが、次のアルバムだ。

ソウル・サックスマン、キング・カーティスが歌謡曲を吹いていた
2013年01月19日(土)


https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11451423451.html

ブラザー・ワシズはこの頃からこのアルバムをずっと探していた。そして、この担当だったのが、元ポリドール、元ワーナー・パイオニア、元ユニバーサルの折田育三さんだ。

鷲巣さんは、今回、その折田さんに会っていろいろ話を聞いた。実際のところはほとんど覚えていなかったのだが、その前後のはなしなどが実におもしろかった。

ウィルソン・ピケットでおなじみの「ダンス天国(Land Of 1000 Dances)」という邦題はなんと大橋巨泉さんがつけたという話や、折田さんの2年後に入ってくるディレクターが作曲ができて、すぐにやめて自由が丘の店で弾き語りを始めたが、それが後の筒美京平さんだ、という話など、脱線話が最高におもしろい。

このアルバム、ユーチューブで探したらあった。

King Curtis Plays Japanese Hits

 
https://www.youtube.com/watch?v=0WNp9ZZoaBs

Side A
00:00 Koi No Hallelujah
03:09 Love Only For You
06:12 Koyubi No Omoide
09:05 Makka Na Taiyo
11:32 Tsuretette (Please Take Me?)
14:57 Mona Lisa's Smile
17:41 In A Lonesome City

Side B
20:56 Danny Boy
24:17 I Really Don't Want To Know
26:49 Aiwa Oshiminaku
30:06 Azura No Arukayiri (Aozora No Arukagiri)
33:08 Land Of 1000 Dances
35:33 Futari No Shiokaze
39:12 And I Love Her

キング・カーティスの各曲もいくつかあったので、こちらにご紹介。途中で日本盤のジャケットがでてくる。

キング・カーティス King Curtis 「恋のハレルヤ」(黛ジュン)


https://www.youtube.com/watch?v=XKuUL6y9PLE

君だけに愛を


https://www.youtube.com/watch?v=trAjw5RrQPU&t=1s

キング・カーティス King Curtis 「小指の想い出」(伊東ゆかり)


https://www.youtube.com/watch?v=EfDwQFLcbkc

キング・カーティス King Curtis 「真っ赤な太陽」(美空ひばり)


https://www.youtube.com/watch?v=oBgR3vxza6I

キング・カーティス King Curtis 「つれてって」(園まり)


https://www.youtube.com/watch?v=zrANYULdzBw

キング・カーティス King Curtis 「モナリザの微笑」(ザ・タイガース)


https://www.youtube.com/watch?v=tyIZ8IfJ3Wg

キング・カーティス King Curtis 「北国の二人」(ブルーコメッツ)


https://www.youtube.com/watch?v=JIrcrzswxR0

B面

キング・カーティス  King Curtis 「ダニー・ボーイ」


https://www.youtube.com/watch?v=-oHoXvbY9v4

キング・カーティス  King Curtis 「知りたくないの」(菅原洋一)


https://www.youtube.com/watch?v=2gIKtkppIqo

キング・カーティス King Curtis 「愛は惜しみなく」(園まり)


https://www.youtube.com/watch?v=mztEHOUr_3s

キング・カーティス  King Curtis 「青空のある限り」(ザ・ワイルドワンズ)


https://www.youtube.com/watch?v=7eBC4YKMp14

ダンス天国

ふたりの汐風

King Curtis ― And ILove Her


https://www.youtube.com/watch?v=h5LAGj9laKI

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以下、鷲巣さんの曲紹介。7曲目までがアルバムA面、8曲目以降がB面。

幻盤『キング・カーティス/君だけに愛を』(日本グラモフォン Atlantic /SMAT 2002)
”King Curtis Plays Japanese Hits” (1968年6月発売)

キング・カーティス 帯付きジャケ写

 まずこの『君だけに愛を』の内容を説明しておこう。収録曲は以下の通りだ。


1 恋のハレルヤ(作詞 なかにし礼 作曲 鈴木邦彦)
 「ハワイアン・ロック」とか言われて売り出された、黛ジュン1967年夏の大ヒット。カーティスの茶目っ気か、「ピーター・ガン」のリフで進行する。

2 君だけに愛を(作詞 橋本 淳 作曲 すぎやまこういち)
 68年冬、GS日本一ザ・タイガーズの人気を決定づけた本アルバム表題曲。デビュー以来の詞曲コンビ作品。ハッタリ過剰な原曲に較べてごく普通の演奏。

3 小指の想い出(作詞 有馬三恵子 作曲 鈴木 淳)
 それまで中尾ミエ、園まりと「三人娘」単位で扱われていた伊東ゆかりが67年に独り立ちした時の大ヒット曲。バラライカ風弦楽器の音色が印象的。

4 真赤な太陽(作詞 吉岡 治 作曲 原 信夫)
 67年お嬢がミニスカートで踊ったゴーゴー新機軸。21年6月21日に没した原信夫は、楽団シャープス・アンド・フラッツのバンマスで、テナー奏者。

5 つれてって(作詞 岩谷時子 作曲 宮川 泰)
 年齢に見合わない熟した色気を振り撒いてヒット連発だった園まり、67年の作品。同じ作者ながら、全く異なる主旋律を持つ同名曲があるそうだ。

6 モナリザの微笑(作詞 橋本 淳 作曲 すぎやまこういち)
 ザ・タイガーズ、67年。バラライカはメアリ・ホプキン他が唄った「悲しき天使」で用いられ世界的な流行となった楽器。ここでは異国情緒演出の薬味。

7 北国の二人(作詞 橋本 淳 作曲 井上忠夫)
 レコード大賞グループサウンズ、ジャッキー吉川とブルー・コメッツ67年秋冬の勝負曲。井上忠夫はブルコメでテナー・サックス担当。もう完璧な歌謡曲。

8 ダニー・ボーイ(Weatherly)
 アイルランド民謡として有名な、別名「ロンドンデリーの歌」。特定の唄い手の持ち歌ではない。カヴァーの多さで証明。ここのカーティスのブロウは熱い。

9 知りたくないの(H. Barnes, D. Robertson)
 本来はカントリーの定番。ソロモン・バークの熱唱でも知られる。この国では菅原洋一が、なかにし礼訳詞のおシャンソーン風な趣でヒットさせた。

10 愛は惜しみなく(作詞 川内康範 作曲 宮川 泰)
 園まり67年の大ヒット曲。同名映画も作られたそうだ。わたしは全く知らなかったが、彼女の代表曲なのかも知れない。カーティスは楽曲を持て余し気味。

11 青空のある限り(作詞 安井かずみ 作曲 加瀬邦彦)
 67年ザ・ワイルド・ワンズ作品。加瀬邦彦は12弦ファズ・ギターで激情を表現した。それをカーティスは、カスタネットを隠し味に使って編曲。

12 ダンス天国(C. Kenner)
 グループ・サウンズ時代の名曲。ウィルスン・ピケットよりウォーカー・ブラザーズ版が人気だった。これにはリチャード・デイヴィス(ベイス)が参加。

13 ふたりの汐風(作詞 橋本 淳 作曲 筒美京平)
 67年に黒沢年男が吹き込んだ。シングルではB面扱い。日本人が好きそうな、のんべんだらりんとしたこの種の曲調が、カーティスは苦手のようだ。

14 アンド・アイ・ラヴ・ハー(J. Lennon, P. McCartney)
 ザ・ビートルズ64年の映画『ヤア! ヤア! ヤア!』の中で唄われ定番化。カーティスは、エスター・フィリプスの実況録音盤に追加吹き込みもしていた。

(鷲巣さんの曲解説ここまで)

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しかし、昔だったらとても聞くことができなかった幻のアルバムをこうやってユーチューブなどで簡単に聴けてしまうのだから、ユーチューブ様様といったところか。

また、この頃すでに、ファンキー・ジャズという言葉が出ていたのかもう少し後なのか、ちょっと正確なところはわからないが、ファンキーなジャズとファンキーなR&Bの境界線をこのキング・カーティスは、実にバランスをうまく取りながら、どちらの側にも落ちることなくその塀の上を歩いている。

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