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●訃報 映画監督アラン・パーカー76歳で死去~音楽バンド映画から冤罪・人種差別問題などの社会派作品まで

●映画監督アラン・パーカー76歳で死去~音楽バンド映画から冤罪・人種差別問題などの社会派作品まで


(本作・本文は約2000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、4分から2分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと7分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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●映画監督サー・アラン・パーカー死去

【Sir Alan Parker Dies At 76】

訃報。

映画監督アラン・パーカー Alan Parker 2020年7月31日サウスロンドンで死去。76歳。長く闘病していたという。

https://nyti.ms/3k1EJnK

1978年『ミッドナイト・エクスプレス』(音楽ジョルジオ・モローダー)、1980年『フェーム』(アイリーン・キャラ)、『ミシシッピー・バーニング』(1988年)、ピンク・フロイドの『ザ・ウォール』(1982年)、『エンジェル・ハート』(1987年)など多数。特に音楽関連の映画作品で秀作が多く、音楽物を監督できる数少ない監督。

映画監督サー・アラン・パーカー Sir Alan William Parker CBE  (14 February 1944 – 31 July 2020) イギリス生まれ。

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アラン・パーカーの名前を最初に知ったのは、1978年の『ミッドナイト・エクスプレス』だ。とはいえ、映画には衝撃を受けたが、その監督がどういう人かなどはあまり意識しなかった。

ブログ アラン・パーカー 写真 ミッドナイトエクスプレス ポスター

これはトルコの空港でアメリカ人旅行者が麻薬所持で捕まり、結果当初の刑より長くなり刑期が30年になり、脱獄(ミッドナイト・エクスプレス)するという話だ。これはオリジナルの小説があり、それをオリヴァー・ストーンが脚色、アカデミー・脚色賞を受賞、作品賞はノミネートまでだったが、作曲賞をジョルジオ・モローダーが受賞した。

その次に名前を見かけるのが音楽映画『フェイム』(1980年)だった。この映画が人気となり、テレビ・シリーズ『フェイム』に発展、テレビ・シリーズは1982年から1987年まで放送された。

ブログ アラン・パーカー 写真 フェイムポスター

映画プロデューサーの一人、デイヴィッド・デ・シルヴァは1976年頃からこのアイデアを思いつき、1980年に映画として完成させた。彼は『コーラス・ライン』にインスパイアーされて『フェイム』を作った。映画版の『フェイム』で主人公の一人となったのが、当時は無名だったアイリーン・キャラだった。

ニューヨークの音楽学校を舞台にしたスターを夢見る若者たちを描いた作品。

日本では1978年7月に『サタデイ・ナイト・フィーバー』が公開されて、音楽関連映画がヒットしていたので、これもかなりヒットが期待された。

映画自体は、翌年のアカデミー賞で「フェイム」が「ベスト・オリジナル・ソング(楽曲賞)」、「ベスト・オリジナル・スコア(作曲賞)」にノミネートされた。サントラも当時大ヒットしたので、まずまずの成功だった。

次にアラン・パーカーの名前で印象を受けたのは1988年の『ミシシッピー・バーニング』だ。(日本では1989年公開)

ブログ アラン・パーカー ミシシッピー・バーニング ポスター


これはかなりヘヴィーな作品でまさに今の「ブラック・ライヴズ・マター」につながる一作。ミシシッピー州にある小さな街フィラデルフィア(フィラデルフィア・ソウルで有名なペンシルヴェニア州の街とは同名だが別の街)で公民権活動家3人が行方不明になる。それを調査するFBI捜査官と人種差別の色が濃いミシシッピー州での調査などを描くもの。ただこの映画でのFBIの描かれ方などは現実とはまったく違うということで非難はされていた。

そして僕が一番気に入ったのが1991年のダブリンを舞台にしたバンドの物語を描いた『ザ・コミットメンツ』だ。これは同地で「ソウルのバンド」を作ろうとするイギリス・白人たちの物語。「ソウル・ミュージック」への彼らの愛がなかなかストレートに描かれていて、当時ひじょうに気に入った。

ブログ アラン・パーカー 写真 ザ・コミットメンツ ポスター



よくよく考えてみると、アラン・パーカーの作品は、実に多様性に富んでいて、いろいろなテーマに真剣に取り組んでいるようだ。音楽学校、ドラッグと国境、人種差別、そして音楽バンド。その後も『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』では免罪・死刑に関するサスペンス・ドラマも作っている。

あ、そうそう、日本で人気の『小さな恋のメロディ』(1971年)の脚本も彼ということで、彼の作品で一番最初に触れたのは、これかもしれない。

(「メロディ・フェア」フル映画)

主な監督作品

ダウンタウン物語 Bugsy Malone (1976年、兼脚本)
ミッドナイト・エクスプレス Midnight Express (1978年)
フェーム Fame (1980年)
シュート・ザ・ムーン Shoot the Moon (1982年)
ピンク・フロイド ザ・ウォール Pink Floyd The Wall (1982年)
バーディ Birdy (1984年)
エンゼル・ハート Angel Heart(1987年、兼脚本)
ミシシッピー・バーニング Mississippi Burning (1988年)
愛と哀しみの旅路 Come See the Paradise (1990年、兼脚本)
ザ・コミットメンツ The Commitments (1991年)
ケロッグ博士 The Road to Wellville (1994年、兼脚本・製作)
エビータ Evita (1996年、兼脚本・製作)
アンジェラの灰 Angela's Ashes (1999年、兼脚色・製作)
ライフ・オブ・デビッド・ゲイル The Life of David Gale (2003年、兼製作)

原作・脚本

小さな恋のメロディ Melody(1971年)

今回のニュースで彼の敬称に「サー」がついていたので驚いた。名士なのだ。

ご冥福をお祈りします。

ブログ アラン・パーカー 写真2

Sir Alan William Parker CBE  (14 February 1944 – 31 July 2020, 76 year old) 

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