見出し画像

〇ポール・スタンレーズ・ソウル・ステーション 60年代,70年代ソウルへの愛~オリジナル曲もソウル・マナーで


〇ポール・スタンレーズ・ソウル・ステーション

【Paul Stanley’s Soul Station】

(本作・本文は約8000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ16分から8分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと27分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

~~~~~

〇ポール・スタンレーズ・ソウル・ステーション

【Paul Stanley’s Soul Station】

ソウル・カヴァー。

人気ロック・グループ、キッスのポール・スタンレーがここ数年あためてきた「ソウル・ミュージックのクラシックをカヴァーするアルバム」をついに2021年3月19日に全世界で発売された。

アルバムのタイトルは、『ナウ・アンド・ゼン』。かつてのソウル・ミュージック(ゼン)を今(ナウ)新しいものとして聴かせる、という感じだ。

収録曲、このプロジェクトの経緯、そのライヴなどについては1月にご紹介しているが、アルバム全曲をやっと聴くことができたので、オリジナル曲などについてちょっと紹介しようと思う。

カヴァー曲はいずれも基本的にはオリジナルに忠実に再現する感じだ。ライヴで聴かせてくれた14曲のカヴァー中8曲がCDに収録されている。残る6曲はひょっとしたらすでに録音はしていて、この『ナウ・アンド・ゼン』の第二弾でも収録されるのかもしれない。ライヴではオリジナルはプレイされなかった。

Now And Then ― Paul Stanley’s Soul Station
アマゾン→https://amzn.to/2KjJj3J

Soul Station, 'Now and Then' Track Listing

[ ] denotes original artists others are original songs.

1. "Could It Be I'm Falling In Love" [Spinners]
2. "I Do"
3. "I, Oh I"
4. "Ooo Baby Baby" [Smokey Robinson & The Miracles]
5. "O-o-h Child" [Five Stairsteps]
6. "Save Me (From You)"
7. "Just My Imagination (Running Away With Me)" [Temptations]
8. "Whenever You're Ready (I'm Here)"
9. "The Tracks of My Tears" [Miracles]
10. "Let's Stay Together" [Al Green]
11. "La-La – Means I Love You" [Delfonics]
12. "Lorelei"
13. "You Are Everything" [Stylistics]
14. "Baby I Need Your Loving" [Four Tops]

アマゾン→https://amzn.to/2KjJj3J

上記14曲のうち9曲がカヴァー。オリジナル・アーティストは [ ] 内に明記。残る5曲がオリジナル。今回初めて聴く作品。

2曲目「アイ・ドゥー」、3曲目「アイ・オー・アイ」はちょっとフィリー風、6曲目「セイヴ・ミー」はポップ風、8曲目「ホエンエヴァー・ユーアー・レディー」はモータウン風(マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル風)、12曲目は、フィル・スペクター風(ライチャス・ブラザーズ風)といった感じで、オリジナルもいずれも1960年代から70年代にかけてのソウル・ミュージック全盛期を思わせるオリジナルになっている。

ポール・スタンレー自身がこういうモータウン、スタックス、メンフィス・ソウル、ブルーアイド・ソウルを本当に好きだと言うことが伝わってくる。

■過去関連記事

今回のこのソウル・アルバムの楽曲を演奏したライヴ評など。

〇ロック・グループ、キッスのポール・スタンレー、入魂の初ソウル・アルバム、いよいよ日米で2021年3月5日発売
2021/01/18 


https://note.com/ebs/n/n744aa26e15e9


〇ロック・グループ、キッスのポール・スタンレー、入魂の初ソウル・アルバム、いよいよ2021年3月5日発売

【Kiss Front Man Paul Stanley Will Finally Release His First Ever Soul Album “Now & Then”】

ソウル。

ロック・グループ、キッスのポール・スタンレーが長年温めてきた入魂のソウル・ミュージックに特化したアルバムをまもなくリリース。アーティスト名義は、ポール・スタンレーズ・ソウル・ステーション。タイトルは、『ナウ・アンド・ゼン』、2021年3月5日、全米、日本ともユニバーサルからリリースされる。それに先駆けて、ファイヴ・ステアステップスの「ウー・チャイルド」のカヴァー音源が発表された→

Paul Stanley's Soul Station - O-O-H Child (Audio)
The first official single from Paul Stanley's Soul Station ne
bit.ly
Paul Stanley's Soul Station - O-O-H Child (Audio)
The first official single from Paul Stanley's Soul Station ne
bit.ly


https://www.youtube.com/watch?v=cjFOpa1xTVs&feature=emb_logo

一足先、2020年5月29日にミラクルズのヒット「ウー・ベイビー・ベイビー」をリモートでバンドメンバー4人と歌ったヴァージョンも公開されている。

Paul Stanley's Soul Station - Ooo Baby Baby (Stationed At Home)

https://www.youtube.com/watch?v=XzPj4HN5vog&feature=emb_logo

そして、1月15日、このアルバムの制作中の約9分のインタヴュー、ドキュメンタリー映像も公開された。

Paul Stanley’s Soul Station – NOW AND THEN: In-Studio Documentary



https://www.youtube.com/watch?v=DzqABNJblpg&feature=emb_logo

ポールによれば、「イギリスのロックを聴く前からオーティス・レディングやソロモン・バークなどに親しんでライヴを見てきた。これは自分のルーツだ」とこのプロジェクトについて語る。

2014年頃からアイデアを煮詰めてきたようで、7年越しでようやくアルバム発売へこぎつけた。2018年1月、東京でもこのソウル・ショーを行っており、それを見たが、なるほどこういうソウル・ショー、ソウル・アルバムを作りたいのかと思った。

収録曲は次の通り。9曲カヴァー、5曲がオリジナル。

ジャケ写 ポール・スタンレー 

Soul Station, 'Now and Then' Track Listing

[ ] denotes original artists others are original songs.

1. "Could It Be I'm Falling In Love" [Spinners]
2. "I Do"
3. "I, Oh I"
4. "Ooo Baby Baby" [Smokey Robinson & The Miracles]
5. "O-o-h Child" [Five Stairsteps]
6. "Save Me (From You)"
7. "Just My Imagination (Running Away With Me)" [Temptations]
8. "Whenever You're Ready (I'm Here)"
9. "The Tracks of My Tears" [Miracles]
10. "Let's Stay Together" [Al Green]
11. "La-La – Means I Love You" [Delfonics]
12. "Lorelei"
13. "You Are Everything" [Stylistics]
14. "Baby I Need Your Loving" [Four Tops]

アマゾン→https://amzn.to/2KjJj3J

Now And Then
amzn.to
Amazon.co.jpで購入する


このプロジェクトは数年前からポールが温めて進めてきたもの。

ポールとこのソウル・ステーションは、今から3年前、2018年1月に東京ビルボードライブでライヴを行っている。そのときのライヴ・レポート。

https://amba.to/39wTLO0 

『〇キッスのポール・スタンレー @PaulStanleyLive がソウルの名曲ばかりを歌うライヴ』
〇キッスのポール・スタンレー @PaulStanleyLiveがソウルの名曲ばかりを歌うライヴ 【Paul St
amba.to

〇キッスのポール・スタンレー @PaulStanleyLiveがソウルの名曲ばかりを歌うライヴ

【Paul Stanley’s Soul Station】

ソウル。

ロック・グループ、キッス(KISS)のポール・スタンレーが自身のルーツでもあり、好きなソウル・ミュージックの曲ばかりをカヴァーして披露するライヴ・ハウスでのライヴ。グループ名はその名もソウル・ステーションといい、ポール自身が「グループの一人」と明言する。

セットリストは、なんとソウル・ファンなら誰でも知っているような王道の1960年代から70年代にかけてのソウル黄金期のクラシックばかり、14曲。モータウン、フィラデルフィア、メンフィス、各地のソウル・ミュージックだ。

何度も来日して個人的に僕とも旧知のアレックス(アレッサンドロ・アレッサンドローニ=なんと今回の音楽監督)によるとその経緯はこうだ。

「2014年の暮れころだった。ポールから電話があり、こういうのをやりたい、と言ってきた。彼はジミ・ヘンドリックスやビートルズが出る前から、オーティス・レディングやモータウンを聴いていた。父親に連れられてテンプテーションズやオーティスのライヴに行っていたそうだ。そしてあの頃の曲は、最近のものに比べて本当に素晴らしい。今の曲はつまらない、と言っていた。だからあの頃の曲ばかりをやってみたい」という。ちなみに、ポールはニューヨーク出身。イヴェントかなにかの仕事で、そういう誘いがあったらしい。

ポールの自伝には、ジミ・ヘンドリックスなどのほかに「オーティスやソロモン・バークのライヴを見た」と書いてあった。

以来ここ3年ほど、彼がキッスのライヴをやらない合間にときどきこのソウル・ステーションのライヴをやっている。

驚いたのは冒頭の3曲などは、ポールがファルセットで歌ったこと。そして、コーラスには簡単な振付もついていた。ポール自身が、テンプスのエディー・ケンドリックス、スタイリスティックスのラッセル・トンプキンス・ジュニアなどファルセットの名手の名前を具体的にあげていたのが興味深かった。そういうのが本当に好きなんだなと思った。

また、ジャクソン・ファイヴの「アイ・ウォント・ユー・バック」を歌ったバックの女性シンガーの一人、クリスタルは圧倒的だった。彼女はソロ・デビューしてもいいのではないか。歌唱力、声力、声量ともに圧巻だった。

男性のギャヴィン、もう一人のローランの歌もよかった。

「年間20本程度だろう。今日はここの会場が70分だから14曲だったけど、90分、100分くらいはできるだけの持ち曲はあるよ」とアレックスはいう。

この日も14曲のほかに、予備曲として、テンプテーションズの「ザ・ウェイ・ユー・ドゥ・ザ・シングス・ユー・ドゥ」、スタイリスティックスの「ユー・アー・エヴリシング」、ブルーマジックの「サイドショー」などがあった。

この日の14曲を分類すると、8曲までがモータウン。フィリー3曲、メンフィス1曲、その他2曲といったもので、やはりモータウンが圧倒的に多い。

またドラムスは現在のキッスのメンバーでもあるエリック・シンガーで、キッス・ファンとすれば、ポール、エリックをこの近さで見られることがなによりも嬉しいとのこと。

ちなみに、ホーンセクション3人のうち2人は日本在住だった。なんと、ステージにいてびっくりしたアンディ・ウルフは、もちろん、『ソウル・サーチン:ザ・セッション』にも参加してくれているソウル・サーチャーの一人だ。

ロック・ファンの100人に1人でも、こうした往年のソウル・ミュージックの魅力に興味を持ってもらえればうれしい。

~~~

ポールのインタヴュー。このソウル・ステーションについても語っています。
KISS Paul Stanley's Soul Station
(Paul Stanley, Interview, about 40 minutes)

https://www.youtube.com/watch?v=uTZWJGwCw3c

■セットリスト 
Setlist : Paul Stanley & The Soul Station, January 11, 2018, second set @ Billboard Live Tokyo

[ ] denotes original artists

Show started 21:30
01. Get Ready [Temptations]
02. La-La-Means I Love You [Delfonics]
03. Just My Imagination [Temptations]
04. Let’s Stay Together [Al Green]
05. Tracks Of My Tears [Miracles]
06. I Want You Back [Jackson Five] (featuring Crystal)
07. Baby I Need Your Lovin’ [Four Tops]
--. Introducing Members
08. Dancing In The Street [Martha & The Vandellas]
09. Ooh Baby, Baby [Miracles]
10. Signed, Sealed, Delivered, I’m Yours [Stevie Wonder] (featuring Gavyn)
11. Betcha By Golly, Wow [Stylistics]
12. Could It Be I’m Falling In Love [Spinners]
13. Ooh Child [Five Stairsteps] (featuring Laurhan)
14. Who’s That Lady [Isley Brothers] (featuring drum-solo, guitar-solo, keyboards-solo)
Show ended 22:49

Members

ポール・スタンレー / Paul Stanley (Vocals)
エリック・シンガー / Eric Singer (Drums)
アレッサンドロ・アレッサンドローニ / Alessandro Alessandroni (Keyboards)
ギャヴィン・ローン / Gavyn Rhone (Vocals)
クリスタル・ナイトン / Crystal Knighton (Vocals)
ローラン・ベアート / Laurhan Beato (Vocals)
ジョン・パーペンブルック / Jon Papenbrook (Trumpet / Lead Horn)
アンディ―・ウルフ / Andy Wulf (Saxophone)
グスターボ・アナウレート / Gustavo Anacleto (Saxophone)
エリー(イーライ)・ライズ / Ely Rise (Keyboards)
ラファエル・モレイラ / Rafael Moreira (Guitar)
ション・ハーレー / Sean Hurley (Bass)
レイ・イーズラス / Ray Yslas (Percussions)

~~~

ちなみに、あさって1月20日は、ポールの69歳の誕生日だ。

~~~

ポール・スタンレーの自伝
Face the Music: A Life Exposed
Paul Stanley
HarperOne (2016-07-26)

Face the Music: A Life Exposed



www.amazon.co.jp
1,726円
(2021年01月17日 21:47時点 詳しくはこちら)
Amazon.co.jpで購入する

https://goo.gl/qcbcd6

上記の日本語版
ポール・スタンレー自伝 モンスター~仮面の告白~
posted with amazlet at 18.01.11
ポール・スタンレー ティム・モア
シンコーミュージック

ポール・スタンレー自伝 モンスター~仮面の告白~
goo.gl
5,980円
(2021年01月17日 21:47時点 詳しくはこちら)
Amazon.co.jpで購入する

https://goo.gl/Tc3wkW

(2018年1月11日(木)、ビルボードライブ東京、ポール・スタンレー&ザ・ソウル・ステーション・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Stanley, Paul

~~~~~~

■関連記事

NEW RELEASESポール・スタンレー率いるソウル・ステーション、初のアルバム『Now And Then』3月5日発売決定

ポール・スタンレー率いるソウル・ステーション、初のアルバム『Now And Then』3月5日発売決定ポール・スタンレー率いるソウル・ステーション、初のアルバム発売決定
KISSのオリジナルメンバー、ポール・スタンレー率いるソウル・ステーションが、初のフル・アルバム 『Now And The
www.udiscovermusic.jp

https://www.udiscovermusic.jp/new-releases/paul-stanley-soul-station-now-then

ポール・スタンレー率いるソウル・ステーションが初のビデオを公開。スモーキー・ロビンソンの名曲をリモートで収録ポール・スタンレー率いるソウル・ステーションが初のビデオをリモートで収録

www.udiscovermusic.jp


https://www.udiscovermusic.jp/news/paul-stanley-soul-station-ooo-baby-baby

~~~~~


~~~~~

■サポートのお願い


本記事は有料設定ですが、このnoteで最後まで無料で読めます。読後、お気に召せば「記事を購入する(今回は100円)」、あるいは、「サポートをする」(金額は自由に設定可)なども可能です。クレジットカード払いか、携帯電話支払いがお選びいただけます。アカウントを作らなくても支払い可能。アカウントを作ると、次回以降手続きが簡略化できます。

ソウル・サーチン・ブログは2002年6月スタート、2002年10月6日から現在まで毎日一日も休まず更新しています。ソウル関係の情報などを一日最低ひとつ提供しています。

これまで完全無給手弁当で運営してきましたが、昨今のコロナ禍などの状況も踏まえ、広くサポートを募集することにいたしました。

ブログの更新はこれまで通り、すべて無料でごらんいただけます。ただもし記事を読んでサポートしてもよいと思われましたら、次の方法でサポートしていただければ幸いです。ストリート・ライヴの「投げ銭」のようなものです。また、ブログより長文のものをnoteに掲載しています。

オリジナルはソウル・サーチン・ブログ
ソウル・サーチン・ブログ・トップ
https://ameblo.jp/soulsearchin/

noteでの記事購入、サポートのほかに次の方法があります。

方法はふたつあります。送金側には一切手数料はかかりません。金額は100円以上いくらでもかまいません。


1) ペイペイ(PayPay) 使用の方法

ペイペイアカウントをお持ちの方は、こちらのアカウントあてにお送りいただければ幸いです。送金先IDは、 whatsgoingon です。ホワッツ・ゴーイング・オンをワンワードにしたものです。こちらもサポートは匿名でもできますし、ペンネーム、もちろんご本名などでも可能です。ツイッター・ネーム、アカウント名などあればお知らせください。受領の御礼をお送りします。あるいは領収書などが必要でしたら上記メールアドレスへお知らせください。PDFなどでお送りします。


2) ペイパル (Paypal) 使用の方法

ペイパル・アカウントをお持ちの方は、ソウル・サーチンのペイパル・アカウントへサポート・寄付が送れます。送金先を、こちらのアドレス、 ebs@st.rim.or.jp にしていただければこちらに届きます。サポートは匿名でもできますし、ペンネーム、もちろんご本名でも可能です。もし受領の確認、あるいは領収書などが必要でしたら上記メールアドレスへお知らせください。PDFなどでお送りします。

3)noteでのサポート。

次の「ソウル・サーチン」のノートページに行き、
https://note.com/ebs
このどれでもよいので、記事の下のほうにいくと、緑色の枠で 「気に入ったらサポート」をクリック。100円、500円、1000円、人気の金額、とあるので、どれかをクリック。

4) サポートしたいが、ペイペイ、ペイパル、ノートなどでのサポートが難しい場合は、 ebs@st.rim.or.jp までご連絡ください。銀行振込口座をご案内いたします。(ちなみに当方三井住友銀行です。同行同士の場合、手数料がゼロか安くなります)

コロナ禍、みなさんとともに生き残りましょう。ソウル・サーチン・ブログへのサポート、ご理解をいただければ幸いです。

ソウル・サーチン・ブログ運営・吉岡正晴

本記事はnoteでも読めます
Noteトップ
https://note.com/ebs

ANNOUNCEMENT>Support

~~~~


ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?