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〇MTV40周年~音楽が得た物、失った物


〇MTV40周年~音楽が得た物、失った物

【MTV 40th Anniversary】

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〇MTV40周年~音楽が得た物、失った物

【MTV 40th Anniversary】

40周年。

ケーブルテレビで放映され、音楽シーンを劇的に改革したMTV局が開局したのが、1981年8月1日。今年(2021年)でちょうど40周年となる。いわゆるミュージック・ビデオ、あるいは、プロモーション用ビデオ・クリップを1日24時間ノンストップで流すという当時としては画期的なフォーマットで、瞬く間に全米の音楽ファンの人気を獲得した。

MTV ロゴ 黄色

今でこそ、ビデオ映像を作るのが安価になってきているが、当時は1本の映像素材を作るのに莫大な金額がかかり、限られたアーティストしかプロモーション用ビデオは作れなかった。

当初から、音楽に映像が付いた場合のインパクトの強さは指摘されていたが、MTVが開局1曲目にバグルズの「ビデオ・キルド・ザ・レディオ・スター(邦題、ラジオスターの悲劇)」を放映したのは、大変象徴的だった。

The Buggles - Video Killed The Radio Star (Official Music Video)


https://www.youtube.com/watch?v=W8r-tXRLazs

バグルズは、イギリスで結成されたバンドで、ベース奏者のトレヴァー・ホーンとキーボード奏者のジェフ・ダウンズのユニット。トレヴァー・ホーンはのちにイエスのメンバーに、またジェフはエイジアのメンバーになる。またトレヴァーは、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドやアート・オブ・ノイズなどのプロデューサーとしても活躍する。

「ビデオ・キルド・ザ・レディオ・スター」は元々は、トレヴァー、ジェフとブルース・ウーリーの3人によって書かれたもので、最初はブルース・ウーリー&ザ・キャメラ・クラブ名義で録音された。その後、トレヴァーとジェフが二人のバングルズ・ヴァージョンを再録音、これが1979年大ヒットした。ビデオ製作の当時の予算は5万ドル。1979年の為替レートは1月の1ドル197円から12月の240円まで激動しており、仮に200円としても1000万円以上かけられている。当時新人のアルバム制作予算はせいぜい5万ドルから10万ドルまであるかないかなので、いかにビデオ制作がコストがかかったかわかる。もちろん、これを制作した時点ではMTVは存在していない。

ただ、イギリスではBBCを中心にビデオ・クリップをかけるテレビ番組が若干あったため、そうしたテレビ番組と、もうひとつレコード店頭で見せる機会があり、そのために「押し」のレコードにはビデオを作っていた。それはアメリカも同じことだったが、なにしろ、コストがかかるため、どのアーティストでもビデオを作れるわけではなかった。

当初は、このビデオが、その中でテレビを破壊することから批判も出たという。

1981年8月1日午前0時01分、このバグルズの「ビデオ・キルド・ザ・レディオ・スター」でMTVが正式な放送を開始した。その後、2000年2月27日、MTVで100万曲目のビデオとしても、これが選ばれて放送されたという。

MTVはご存じの通り、当初はロック音楽ばかりをかけるフォーマットで進んでいたが、1983年1月、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」「ビート・イット」などのビデオをMTVがかけないと、当時のCBSレコーズが自社のすべてのアーティストのビデオを引き上げると脅し、ブラック・アーティストのものもかかるようになった。

1980年代は、音楽産業の中で、明らかに映像がひじょうに重要な要素になった。ただそうした映像重視の状況に警鐘を鳴らすアーティストもおり、そうしたプロモーション用ビデオを作らないアーティストも登場した。それがブルース・スプリングスティーンらだ。

MTVが誕生して40年。すっかり音楽と映像は合体化した。まさにMTVの登場は「ゲーム・チャンジャー」だった。その後、YouTubeが登場し、さらに音楽映像作品の需要は高まった。また、映像編集ソフトなどもどんどんと安価になり、誰でも映像を作れるようになったので、そうしたビデオクリップも普通なものになった。また映像が第一優先になると、歌がうまい、楽器演奏がうまいということよりも、ヴィジュアルがかっこいい、綺麗、美しいなどの見た目が重要視されるようになった。

そのことによって、ルックスがいいことで、それまでにない膨大なファン層を獲得することができたり、音楽そのものの親しみやすさを一般化することには役立ったかもしれない。

しかし、多くのミュージシャンが言う「リアル・ミュージシャンによるリアル・ミュージック」の存在意義、価値は若干低下したかもしれない。

さらに、オートテューンの登場によって音程をはずしてもそれなりの曲が作れるようになると、それほど歌がうまくなくても、レコード上、ビデオ上、問題なくなってしまった。

まさに、この「ビデオがラジオスターを殺す」というのは、現実そのものになった。なんという予言的な作品であり、それをMTVの1曲目にかけたところが慧眼としかいいようがない。


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