見出し画像

スタイリスティックス~結成55周年~今も世界を駆け巡る

スタイリスティックス~結成55周年~今も世界を駆け巡る
 
【The Stylistics Travel All Around The World After 55 Years】
 
半世紀超。
 
1968年にアメリカ・ペンシルヴェニア州フィラデルフィアで結成されたR&Bヴォーカル・グループ、ザ・スタイリスティックス。創始メンバーのハーブ・マレルとエアリオン・ラヴはそれから55年を経ても、いまだに現役でともに同じステージに立つ。コロナ禍で3年の中断があったが、2019年12月、2022年12月以来約1年ぶりのライヴ、東京初日ファーストを見た。観客は圧倒的に年齢層が高い。
 
結成当時ハーブとエアリオンはまだ19歳だった。ほぼ幼馴染といっていい彼らは現在74歳。結成の歴史と彼らのミュージシャンシップ、友情の歴史が55年という歳月のもとにひとつに重なる。55年という歳月の間にはさまざまなことがあっただろう。だが、彼らは音楽という媒介によって多くの紆余曲折を乗り越えてきた。
 
エアリオンがレア曲「イフ・ユー・ドント・ウォッチ・アウト」を歌った後、こう言った。「よくいろんなファンから言われた。あなたたちの曲で、僕たちは結婚したんです。別のファンは、別の曲に同じような思い出を持っていてそれを話してくれた。僕たちの歌うそれぞれの曲がどれほど多くの人たちの人生に影響を与えているかを考えると、本当に驚くばかりだ。日本の人々だけでなく、世界中の人々に対してね。だから、あなたもそんな音楽の旅の一角を担っているといいのですが」といって、名曲中の名曲「ブレイク・アップ・トゥ・メイク・アップ」からのバラード・メドレーを歌い始めた。
 
ここからの「ストップ~」→「ユー・アー・エヴリシング」→「誓い」の流れはもう圧倒的だ。音楽は時の流れを一瞬にして止め、戻してしまう。あの頃、あの時、あの空気、あの匂い、あの映像。心の襞(ひだ)に刻まれた音楽は、それが再生されたときに、瞬時に蘇りその襞を震わす。
 
半世紀以上の歴史があるスタイリスティックスの楽曲にはそうした長くやってきた者だけが特権的に持てる力、魔力がある。
 
この日のスタイリスティックスはしばらく前の横浜公演あたりでボー・ヘンダーソンが風邪のため喉の調子を落としていたために、多くのリードをジェイソン・シャープが取った。これが力強いファルセットで実によかった。
 
リーダー格ハーブは杖を持ち、ステージでは中央の椅子に座りながら、振りをつけ、歌い、MCを務めた。さすがにちょっと年を取った雰囲気はあった。エアリオンもところどころ、美声が苦しくなったりする。だが、彼らがこのセットリストのような誰もが知るおなじみの曲を歌えば、すべてを超越してしまう。
 
彼らのショーこそ、何があっても「ショー・マスト・ゴー・オン」だ。
 
2階のカウンター席に小学生低学年と見られる少年とその親らしき男性の姿があった。今やスタイリスティックスは2代、3代に聞かれるアーティストになっている。その少年は拍手をするでもなく、黙々と豪華コースを食べていたが、スタイリスティックスのショーは彼の目にはどのように映ったのだろうか。
 
~~~~
 
ライヴはこのあと2023年12月25日(月)、26日(火)、27日(水)、6ショー。
 
予約→

 
~~~~
 
The Stylistics – Jenny

 
Stylistics - God Rest Ye Merry Gentlemen

 

https://www.tiktok.com/@soulsearcher216/video/7315947871776296210?is_from_webapp=1&sender_device=pc&web_id=7141015167751620097


~~~~
 
■セットリスト、曲のあとの( )内に最初にリードを取るシンガーの名前を明記。
 
セットリスト Setlist: Stylistic @ Billboard Live Tokyo, December 23, 2023 First Show
(first lead vocal, then second lead vocal)
 
Show started 17:05
01. Heavy Falling Out (Bo – Jason – Herb)
02. I’m Stone In Love With You (Jason)
03. Betcha By Golly Wow (Jason)
04. Let’s Put It All Together (Jason)
05. You’ll Never Get To Heaven (If You Are Break My Heart) (Bo)
06. Thank You Baby (Jason – Airrion – Jason)
07. If You Don’t Watch Out (From “Round 2”) (Jason)
08. Break Up To Make Up (Jason)
09. Stop, Look, Listen To You Heart (Jason)
10. You Are Everything (Jason)
11. You Make Me Feel Brand New (Airrion – Jason)
12. Rockin Roll Baby (Jason)
~Introducing members
Enc Jenny (From “You Are Beautiful”) (Jason – Airrion)
Enc Christmas Medley
1)    Chestnuts Roasting On An Open Fire (The Christmas Song) (Airrion)
2)    God Bless Ye Merry Gentlemen (Herb)
3)    Silent Night (in Japanese) (Jason)
4)    Have Yourself A Merry Little Christmas (Jason)
Enc. I Can’t Give You Anything (Jason + everybody)
Show ended 18:17
 
 
Members
 
Airrion Love / エアリオン・ラブ (Vocals)
Herbert Murrell / ハーバート・マレル (Vocals)
Jason Sharp / ジェイソン・シャープ (Vocals)
Barrington "Bo" Henderson / バーリントン ”ボー” ヘンダーソン (Vocals)
 
Max Hoenig / マックス・ホーニグ (Keyboards)
T.W Sample / ティ・ダブル・サンプル (Keyboards)
Brian William / ブライアン・ウィリアム (Keyboards)
Rutherford Gay Jr. / ラザフォード・ゲイ・ジュニア (Guitar)
Keith Busey / キース・ビジー (Bass)
Dante Simms / ダンテ・シムズ (Drums)
 
 
■スタイリスティックス過去記事
 
スタイリスティックス~すでに結成55周年~親子3代で見に来るご長寿グループ
2023年7月11日


 
コロナ直前、2019年12月のライヴ評。
 
スタイリスティックス・ライヴ~クリスマスの定番
2019年12月20日(金)

 
 
新生スタイリスティックス、初お目見え~マイケル・ミューズ登場
2018年06月29日(金)

 
ボーについての詳しい記事↓
 
スタイリスティックス、再度新リード・シンガー迎える、元テンプスのボー・ヘンダーソン
2018年08月23日(木)

 
ボーの紹介(スタイリスティックスのオフィシャルページ、英語)

 
クリスマス時期の風物詩~スタイリスティックス・ライヴ
2016年12月24日(土)

 
スタイリスティックス・ライヴ~結成45周年「ラブ・ストーリーは突然に」を歌う
2013年12月27日(金)

 
スタイリスティックス・ライヴ~新メンバー・ジェイソンが加入
2011年12月23日(金)

 
April 14, 2005
Stylistics Live At Kentos: After 37 Years, They Still Keep On Singing

http://blog.soulsearchin.com/archives/000035.html

ソウル・サーチャーが行った前回のライヴ。
 
April 15, 2005
Never Dreamed I’d Meet Them 30 Years After

http://blog.soulsearchin.com/archives/000041.html

 
そのときの続き。
 
スタイリスティックス 『スタイリスティックス登場』ライナーノーツ (2001年10月24日発売時のライナー)全文 オリジナルは1971年8月発売
 

 
 
November 08, 2006
Linda Creed: Great Lyricist

スタイリスティックスの初期の大ヒット作品の歌詞を多数書いたリンダ・クリードについて。
 
November 09, 2006
Top 15 Linda Creed Songs Selected By The Soul Searcher

 
そのリンダ・クリードが世に送り出した作品の、ソウル・サーチャーが選んだトップ15。
 
November 10, 2006
The World Of Linda Creed: Portrays The Blackness

 
リンダ・クリード、スタイリスティックスのヒット「チルドレン・オブ・ザ・ナイト」、スピナーズのヒット「ゲットー・チャイルド」の訳詞。
 
ENT>ARTIST>Stylistics
 

ここから先は

0字

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?