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〇深町純トリビュート・レポ~没後10年を経てますます輝く深町ワールドの魅力

〇深町純トリビュート・レポ~没後10年を経てますます輝く深町ワールドの魅力

(本文は値段がついていますが、最後まで無料で読めます。読後サポートしてもよいと思われた場合、購読などでサポートしていただければ幸いです。この本文は約4000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、8分から4分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと13分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴くと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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◎深町純トリビュート~無事開催~KONTAさん朗読と歌と演奏で深町ワールドを再現

【Fukamachi Jun Tribute : Konta Reading Poetry With Singing And Playing Sax】

八面六臂。

孤高の天才ピアニスト、深町純が逝去して11月22日でちょうど10年。ほぼ毎年この命日近辺にトリビュート・イヴェントを行っているが、今年も深町純が作ったライヴハウス「FJズ」(東京・中目黒)で、22日、23日にわたって行われた。

22日は参加できなかったが、23日は司会で参加したのでそのレポートを。

今回も2017年に一度ゲストで登場していただいたバービー・ボーイズのコンタ(KONTA)さんが登場。前回は1曲参加だけだったが、今回は1部、2部通して、トーク、歌、詩の朗読、サックスとまさに八面六臂の大活躍ぶりを見せてくれた。

■2017年DVD発売時イヴェントのときのレポート

深町純DVD発売記念イヴェント~日本の宝、深町純を世界に
2017年11月05日(日)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12325516935.html

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ポエトリー・リーディング。

今回の構成は深町さんの奥様布美子さんが構成などを考えたのだが、KONTAさんに詩の朗読をしてもらったのが特に印象深かった。

2深町順トリビュート 

僕もニューヨークで友人に誘われ「ポエトリー・リーディング(詩の朗読の会)」に何度か行ったことがあるが、これが実に盛り上がる。ただ、日本ではこうしたものを楽しむ風潮というか、カルチャーがないので、なかなか親しみが持てない人が多いかもしれないが、深町ピアノにあわせたKONTAさんの朗読は、実にケミストリーが起こっていて、深町ワールドの別の側面がいい感じで出ていた。

元々KONTAさんと深町さんは、「僕らのしぜんの冒険」というプロジェクトでパーカッションのマサさんと3人でツアーをしていたほどだったので、このはまりぶりも当然といえば当然だったのかもしれない。

深町さんは、楽譜にかけない音、あるいは書かれていない音を醸し出し、一方KONTAさんは活字・文字だけで表せないものを実際に声を出す言葉で表現する。また彼は「音と一緒だからこそ入ってくる物。出せる物がある」ともいう。

そして、ミュージシャンである深町さんと読み手であるKONTAさんの共通のヴァイヴについてこうも語った。「読むもの(文字・文章)を声に出すことを考えたほうがいいのでは、と考えていたら、深町さんからこの本、この文章を読んでこういう風に感じたという一発目の和音が来るわけですよ。(それを聴いた瞬間)ああ~、同じように感じたんだ、というところで(テーマの詩を)読み始められるわけです。まさに(深町さんのピアノが自分が朗読をする)背中を押してくれる」と解説した。僕には深町さんとKONTAさんがまさに「ソウル・メイト」のように思えた。

この日流れた音楽はすべて深町純がプレイしているもの、それにKONTAさん、ギターのスケロクさん、ピアノで深町布美子さんがコラボしたもの。

最後の3曲はなかなか圧巻で、「夢の合間」は2010年の頭に書かれたもの。深町さんの歌が入っている「願い」も2010年亡くなる直前に録音されたもので、これはサントリー・ホールのDVDと一緒に収録されたCDに収められているもの。

深町さんのデビューは、「日本のエルトン・ジョン」として売り出されたピアノの弾き語りをするシンガー/ソングライターだった。「実は僕は歌うのも好きなんだよ」とはにかみながら言っていたことを思い出すが、その歌を歌ってデビューした深町さんが、名うてのセッション・スタジオ・ピアニストとなり、一世を風靡し、最後の最後で歌ものを録音していたのは、まるで歴史が一回転し出発点に戻ってきたかのようでもある。

深町順トリビュート 店看板

そして、もうひとつ、この日音源を流したショパンの「革命のエチュード」は、2010年10月17日、つまり逝去1か月前に鎌倉の小さなお店で演奏したもの。ただ録音機材が普通のものであるためにいい音では録れていないのが残念だ。

ショパンは子供の頃からピアノを弾いていた深町さんにとって「最大のアイドル」で、いつかショパンの作品ばかりを弾くコンサートをやりたいというのが彼の大きな夢のひとつだった。その10月のコンサートまで、普段はめったに練習しない深町さんが毎日のように練習をしていたという。

僕もこの録音を聴いて「深町さん、これ、本当にマジですね」と言ってしまったほど迫力があった。

歌歌いから始まり、歌って締め、アイドルのショパンを死の一月前に弾き倒した深町さんは、最後にやるべきことをやり遂げていたのかもしれない。

深町アーカイヴ会、深町レガシー会は、これからも残された音源などをていねいに発掘し、一人でも多くの人にその深い魅力をお届けしていきたい。

来年もまた深町トリビュートを何らかの形で行いたいと思いますので、みなさんぜひご参加を。

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深町純没後10周年記念トリビュート・ライヴ&トーク・イヴェント
2020年11月23日、中目黒・祐天寺FJ’s

■セットリスト
Setlist

Part 1

Show started 18:14
M01 Perfidy from “Spiral Steps” – 深町純 / Linernotes from “Spiral Steps” narrated by KONTA (朗読) 『スパイラル・ステップス』のライナーノーツを朗読
Talk 01 宗像和男、KONTA、吉岡正晴(司会)
Video Interview 01 Randy Brecker & Lou Marini
Video Interview 02 Steve Gadd
Video Interview 03 Will Lee
M02 銀河の旋律 from “黎明“ -深町純 / 「僕は闘いを挑まなければならない」~LP『クオーク』のライナーノーツ 朗読・KONTA 
Video Interview 04 加藤登紀子
Video Interview 05 村上PONTA秀一
Talk 02 宗像、KONTA、吉岡
M03 (ベンヴェヌータに)~Ave Maria – 深町純・シンセサイザー/リルケの詩「ベンヴェヌータに」 朗読KONTA
Show ended 19:26

Part 2

Show started 19:45
M01 慈しみ深き (聖歌312)~あの雲に乗ろう – 深町純 (1986年霊南坂教会)/ あの雲に乗ろう(歌詞)- 深町純NHK「みんなの歌」1973年- 朗読・KONTA
M02 初空 from アルバム『冬』(2002年) / 帰途(詩・田村隆一) 朗読・KONTA
Talk 01 宗像、KONTA、吉岡
M03 夢の後に [アプレザンレーヴ Après un Rêve] (フォーレ作) - 深町純 / KONTA サックス
M04 カタストロフィー (深町純作曲) - 深町純 / KONTA サックス
Talk 02 宗像、KONTA、深町布美子、吉岡
M05 革命のエチュード (Etude Op.10,No.12) (ショパン作) - 深町純 (鎌倉のカフェのラウンジで、2010年10月17日録音)
M06 夢の合間 (2010) –  深町純 / KONTA (歌・サックス)& スケロク(Suke-Rock=ギター)& 深町布美子 (ピアノ)
M07 願い (2010) - 深町純 / KONTA + Suke-Rock)
M08 悲しみの後に (2010) - 深町純 / KONTA + Suke-Rock
BGM
Show ended 20:59

Tribute To Jun Fukamachi 2020 –

出演

KONTA (歌、サックス)
Suke-Rock (ギター)
深町布美子 (ピアノ)

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トーク

宗像和男
KONTA
吉岡正晴 (司会)

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ビデオ・ゲスト

ランディー・ブレッカー
ルー・マリーニ
スティーヴ・ガッド
ウィル・リー
加藤登紀子
村上ポンタ秀一

【2020年11月23日月曜・祝日、深町純トリビュート、祐天寺・FJ’s】


■深町純公式サイト

http://fukamachijun.jp/index.html

■公式フェイスブック

https://www.facebook.com/FukamachiIsmshenDingChunSite

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■過去関連記事

深町純トーク・イヴェント~満員御礼感謝
2016年05月16日(月)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12160564729.html
(ここに一覧)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi Jun Tribute

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