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〇名曲物語~「ミス・オーティス・リグレッツ」


 
〇名曲物語~「ミス・オーティス・リグレッツ」
 
【Saga Of “Miss Otis Regrets”】
 
(本作・本文は約2000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字で読むと、およそ4分から2分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと7分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)
 
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〇名曲物語~「ミス・オーティス・リグレッツ」
 
【Saga Of “Miss Otis Regrets”】
 
 
昨日のブログで紹介したヴァン・モリソンとジョーイ・デフランセスコの「ミス・オーティス・リグレッツ」。
 
これは、1934年(昭和9年)にアメリカの大作曲家コール・ポーターが書いたもの。こんな誕生秘話がある。
 
ポーターのイエール大学のクラスメートのアパートでのホームパーティーのときのこと。ラジオでカウボーイが嘆いていた話を聞いて、それをヒントにちょっとしたアドリブでピアノでメロディーと歌詞をつけてみたのが始まり。カウボーイはおそらくガールフレンドかなにかに泣かされているそんな愚痴を語ったのだろう。
 
ポーターは、その主人公をカウボーイのガールフレンドではなく、都会の社交界の婦人に置き換えた。そこにいた別のクラスメイトが、歌の主人公である婦人がなぜランチの約束に行けないかのアイデアを出した。その時点で婦人はすでに「ミス・オーティス(オーティス夫人)」になっていたが、オーティス夫人は、そのしばらく前に浮気をしていた夫を殺し、逮捕され留置されていた。夫人はギャングから絞首刑になることになっていた。そのため、元々約束していた婦人会のランチに行けない、というストーリーを思い付く。
 
こうして出来上がった曲は、社交界の婦人たちに知られるようになり、「ミス・オーティス」というワードが、「約束に行けないこと」を暗喩するようになったという。たとえば、「A子さんは来ないの?」 「ああ、彼女は今日はミス・オーティスだから」といった具合に使われたのだろう。
 
ポーターはこの曲をミュージカル『ハイ・ディドル・ディドル』にいれこみ、さらに、1935年の『ジュビリー』にも歌詞を変えて起用したという。
 
また、ビリー・ホリディの「ストレンジ・フルート」でも描かれるように、当時、リンチというのはよくあったようだが、一般的には労働者階級のアフリカン・アメリカンがリンチをされることが一般的だったが、ここではそれが逆に白人でちょっと上流階級にいる女性がリンチを受けるというところがひじょうにユニークだったとされた。
 
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Esthel Water 1934

 
Ella Fitzgerald

 
Marlena Dietrich 1951

 
Jose Feliciano 1969

 
Bette Midler 1990

 
□ヴァン・モリソンとのデュエット・アルバム
 
ジョーイ・デフランセスコとヴァン・モリソンのアルバム『You're Driving Me Crazy』→
 

 

 
これは本当にいいアルバム。1曲目「ミス・オーティス・リグレッツ」は多数のカヴァーがある名曲。ジョーイはここで哀愁を帯びたトランペットも。
 

 
タイトルの意味は、「オーティス夫人は大変残念ながらランチのお約束にうかがえません」というもの。
 
Cole Porter 

 
Nat King Cole

 
たっぷり様々なヴァージョンをお聴きください。
 
 
 
 
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