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●エドナ・ライト(ハニー・コーン)リード・シンガー死去

●エドナ・ライト Edna Wright 女性R&Bヴォーカル・トリオ、ハニー・コーンのリード・シンガー、2020年9月12日、カリフォルニア州エンシノの病院で死去。76歳。慢性閉塞性肺疾患からの心臓発作。


(本作・本文は約5000字。「黙読」ゆっくり1分500字、「速読」1分1000字換算すると、10分から5分。いわゆる「音読」(アナウンサー1分300字)だと17分くらいの至福のひと時です。ただしリンク記事を読んだり、音源などを聴きますと、もう少しさらに長いお時間楽しめます。お楽しみください)

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【Edna Wright Of Honey Cone Dies At 76】

訃報。

女性R&Bヴォーカル・トリオ、ハニー・コーンのリード・シンガー、エドナ・ライト Edna Wright が2020年9月12日、カリフォルニア州エンシノの病院で死去した。76歳。慢性閉塞性肺疾患からの心臓発作だった。

https://bit.ly/3kgxkR1 

1969年、モータウンを辞めたプロデューサー・チーム、ホランド・ドジャー・ホランドが新しく設立したインヴィクタス/ホットワックス・レーベルからハニー・コーンのリード歌手として登場。「ウォント・アズ」(三行広告のこと)、「スティック・アップ」、「ワン・モンキー・ドント・ストップ~」などポップなR&Bヒットを輩出。

同じくR&Bシンガー、ダーレン・ラヴの妹。

またエドナに楽曲を提供していたR&Bシンガーでもあるグレッグ・ペリーと結婚。またグループ脱退後、ソロとしても活躍、ヒットを放った。その後、スタジオでコーラスの仕事などをしていた。

https://www.billboard.com/articles/news/obituary/9448113/edna-wright-dead

『ソウル・トレイン』に出たときのハニー・コーンの「ウォント・アッズ」。動画頭にはアレサの「ロック・ステディ―」が残ってますが、その後、3人が口パクで登場。全面リードを歌うのがエドナ・ライト。向かって一番右。


https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=WxMArJ2NcqU&feature=emb_logo

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評伝。

エドナ・ライトは、1944年2月2日、ロスアンジェルスに生まれた。父が教会の牧師で幼少のころから教会でゴスペルに親しんだ。1960年(16歳)には、ゴスペル・グループ、COGIC(チャーチ・オブ・ゴッド・イン・キリスト)に参加。姉にやはりプロのシンガーとして活躍しているダーレン・ラヴことダーレン・ライト(1941年7月26日生まれ)がいる。

1964年、姉のダーレンの紹介でプロデューサー、フィル・スペクターと会い、スペクターのアシスタントをしていたジャック・ニッチェのプロデュースでヘイル・アンド・ザ・ハッシャバイズの一員として「イエス・サー、ザッツ・マイ・ベイビー」というシングルを録音する。このグループは、エドナ・ライトのほか、ブライアン・ウィルソン、ソニー&シェール、ジャッキー・デシャノンからなる5人組。

Yes Sir That's My Baby-Hale & Hushabyes-'1964- 45-Apogee A-104 & Reprise 0299


https://www.youtube.com/watch?v=OZOUHS3kooM

また、ステージ・ネーム、サンディー・ウィンズを名乗り、デビュー・シングル「ア・タッチ・オブ・ヴィーナス」をリリース。

SANDY WYNNS ~ A TOUCH OF VENUS


https://www.youtube.com/watch?v=mp1Pq_nWc-w

しかし、これらはヒットには至らず、ナイト・クラブまわりなどをしていた。その後、ライチャス・ブラザースやジョニー・リヴァース、レイ・チャールズなどのバック・コーラスの仕事を手に入れ、参加。中でもレイ・チャールズはエドナのことが気に入り、彼のバック・コーラス・グループ、レイレッツに入らないかと誘われたが入らなかったようだ。

1968年、姉のダーレン・ラヴに入ったテレビの『アンディ・ウィリアム・スペシャル』の仕事にダーレンが都合で出られなくなり、その代打で出演することになった。そのときに、一人では心細いので友人2人、キャロリン・ウィリスとシェリー・クラークを誘い3人で参加。このときすでに知り合っていたプロデューサーのエディー・ホランドにテレビに出るので見てくれと頼んだところ、その出演を見た彼から、ちょうど彼らが始めたレーベル、ホットワックス/インヴィクタスに来ないかとオファーを受けた。当初は、ソロで声がかかったが、エドナがグループでやりたいということで、3人組でホットワックス/インヴィクタスと契約することになった。

エディー・ホランドは、ブライアン・ホランド、ラモント・ドジャーらと3人で「ホランド・ドジャー・ホランド」としてモータウン・レコーズでシュープリームスやテンプテーションズなどのヒットを多数書き、プロデュースしていたが、ベリー・ゴーディーと意見が衝突し、モータウンを辞めて自身のレーベル、ホットワックス/インヴィクタスを設立したところだった。

エドナは、60年代からダイアナ・ロス&シュープリームス、マ―ヴェレッツなどのガール・グループを見ていてあこがれていたので、そうしたガール・グループを作りたかった。

ブログ エドナライト死去 ハニーコーン

(ハニー・コーン=左からシェリー、エドナ、キャロリン)

1969年にトリオ、ハニー・コーンとして「ホワイル・ユーアー・アウト・ルッキング・フォー・シュガー」でデビューするが、しばらくヒットにならなかったが、1971年リリースの「ウォント・アズ」がR&Bチャートだけでなくポップ・チャートでも1位となり、一躍人気グループとなった。以後も、「スティック・アップ」、「ワン・モンキー・ドント・ストップ・ノー・ショー」などがヒット。

いずれの曲もエドナのパンチのあるリード・ヴォーカルが大きな魅力になっていた。

Honey Cone - While You're Out Looking For Sugar


https://www.youtube.com/watch?v=bBhMsc0fQeE

Honey Cone : Want Ads 


https://www.youtube.com/watch?v=MqGCSdom39g

向かって左からシェリー、キャロリン、エドナ。

The Honey Cone - One Monkey Don't Stop No Show


https://www.youtube.com/watch?v=9Gfzj2EOing

Honey Cone – Stick Up (From Soul Train on NHK)


https://www.youtube.com/watch?v=56mV2KW64D8

シュープリームスを彷彿とさせるハニー・コーンは、なんといってもシュープリームスをスーパースターにしたソングライター、プロデューサー・チーム「ホランド・ドジャー・ホランド」がプロデュースをてがけたため、一時期は「第二のシュープリームス」的な捉えられ方もした。

しかし、グループは1973年に解散。エドナはソロに転じた。このころ、プロデューサーでもあったグレッグ・ぺリーと結婚。

ソロとしては1977年『ウープス、ヒア・アイ・ゴー・アゲイン』をグレッグ・ペリーのプロデュースでリリースした。

ブログ エドナライト死去 ソロジャケ写

しかし、ヒットには至らず、エドナはU2、キム・カーンズ、アーロン・ネヴィルなどのバック・コーラスの仕事をしていた。

1990年代になってリユニオンの話がでたが、2014年2月に「ソウル・トレイン・クルーズ」で、エドナ・ライト、シェリー・クラーク・ホワイトに、ライトの娘メロディー・ペリーを加えた3人で新生ハニー・コーンとして参加した。また、エドナとシェリーの二人に、元シュープリームスのシェリー・ペインがj加わりこの3人でハニー・コーンを名乗ることもあるという。

2020年9月12日、ロスアンジェルス近くエンシノの病院で慢性閉塞性肺疾患からの心臓発作のため76歳で急死した。

余談だが、ハニー・コーンのメンバー、シェリー・クラーク・ホワイトの夫は、アース・ウィンド&ファイアーのベース奏者、ヴァーディン・ホワイトである。

アルバムはホットワックスからの4枚。

01. Take Me With You (Hot Wax 701, 1970)
02.  Sweet Replies (Hot Wax 706, 1971)
03. Soulful Tapestry (Hot Wax 707, 1971)
04. Love, Peace & Soul (Hot Wax 713, 1972)

ヒップホップ系のアーティストにもサンプリングされた。


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