嘘の時効

いつかついた嘘を悔やんでいた。
嘘をつきたくなるほど、どうにかしたかった。
ついた私も、つかれた相手も
誰にも良いことなんてないのに。
自分のついた嘘が忘れられなくて、
言ってしまった言葉は消せなくて、
無かったことにできなくて、
嘘に時効はないんだなと思った。
ごめんなさいと謝って、
怒られない事に、
私だけ時が止まってたんだと思い知った。
相手にとっては、
もう、そんな事は遠い過去なのかもしれない。
サラッと流れて、もう大海原に消えているのかもしれない。
謝るなんて、自己満足なのかもしれない。
時と場合によっては。
そして、私は許せていないのかもしれない。
嘘をついた自分を、
許しを乞うことで何かを期待したことを。
思い出さない日は来るのかな？
楽しい思い出も、嘘をついた事も。
そして、私の存在は消されてしまった。
だから、アナタも、
もう二度と現れないで下さい。
チラッと横切るような事をしないで下さい。
切に願う。

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