名前物語⑨表はスター、副業は妖祓いの「名取周一」の名前の秘密
名前物語⑨表はスター、副業は妖祓いの「名取周一」
『夏目友人帳』9話は『あやかし祓い』
祖母レイコから受け継いだ、「見えない妖怪たち」が見える能力を持つ貴志は、レイコの残した『夏目友人帳』にある「名前」を妖怪たちに返すことを
使命と感じている。
夏目友人帳では、この世は「人間たち」の世界と「見えない妖怪や神々」が
共存しているパラレルワールドという「設定」。
子供のころから見えないものが「いる」と言っては怯えたりするので、
貴志は「うそつき」とか「気味が悪い子供」として扱われてきた。両親が早く亡くなったので、貴志は親戚をたらい回しにされ育った。
現在は都市周辺部の田舎で、優しい夫婦に引き取られ高校生活を送っている。この地はレイコも住んでいたことがあった場所で、「友人帳」に載っている妖怪たちが現在も生きている土地だった。
今回は貴志は偶然に見かけた「怪我をして包帯を巻いている、そして首から縄をかけられ蔵に繋がれている妖怪」を自由にしてあげたいと「おせっかい」をしようとする。
そんな貴志の住む町に、有名俳優の名取周一がロケに来る。
一目で名取は貴志が同類、つまり「見えない世界をみている」人間だと見抜き、急接近してくるのだ。
貴志は名取の「あやかし祓い」という、裏の本業を手伝わないか?とスカウトされるのだが、名取の「妖怪を殺す」というやりかたに不快感を覚え拒否する。
貴志が「おせっかい」にも自由にしてやりたい「妖怪」は、名取が依頼された「祓われる」妖怪だった。
貴志は名取の仕事を妨害しようとするが、名取が使役する式神の
「ささご」と「うりひめ」が貴志を妨害する。
三つ巴の攻撃戦になるのだが、ニャンコ先生が貴志を助けて、「首縄つきの妖怪」を消滅させずに呪縛だけを解くことができた。
それは名取周一の「力」によってなされたことだった。
貴志は名取のことを誤解していたことに気づき、名取との出会いも大事な事と学ぶ。
今回は
名取周一の名前にどんな神様がいるのか調べてみたい。
名取:端的に「名前使い」、つまり「妖怪」の名前を知り、支配することができる先祖代々の血筋を持っている事を表す。
周:①まわり。 ②まわる。めぐる。③あまねくゆきわたる。手ぬかりがない。「あま」は天、天は八百万の神様にあり天について:あま=天にまつわる神々「ね」は音、神様を呼ぶときに使う太鼓や鈴などの音。
一:一宮の「一」
あま=天にまつわる神々『古語拾遺』、『日本書紀』『播磨国風土記』に登場する。
天之麻比止都禰命
(あめのまひとつねのみこと)、
天久斯麻比止都命
(あめのくしまひとつのみこと)、
天之御影神(あめのみかげのかみ)
天之御蔭命(あめのみかげのみこと)
天津麻羅(あまつまら)
天久之比命(あまくしひのみこと)
天戸間見命(あめのとまみのみこと)
天奇目一箇命
(あめのくしまひとつのみこと)
天目一箇命(あめのまひとつのみこと)
天目一箇禰命
(あめのまひとつねのみこと)
天戸須久根命(あめのとすくねのみこと)
天照眞良建雄命
(あまてらすますらたけおのみこと)
明立天御影命
(あきたつあめのみかげのみこと)
これほど大勢の神々ととつながっている。
「一」は一目竜が住む多度山につながる。
周一の全身を動き回るトカゲから、龍の系譜をも併せ持つことがわかる。
このように名取周一は、「八百万の神と非常に深い関係があり、人間界を治める使命を持つため、人間に害をなす「妖怪」を征伐する使命を持った名前だと言える。
名取周一が「使役する」式神の名前に関するメモ
「ささご」:まだ整わない鳴き方をしている冬のウグイス。冬うぐいす
「うりひめ」:ウリから産まれた瓜子姫は、おじいさんとおばあさんにたいそう大事に育てられる。 機織りが上手で、綺麗な声で歌を歌いながら機を織るのが日課。 おじいさんとおばあさんが町に買い物にでている間に天邪鬼にだまされて、連れ去られてしまう。話の詳細は地方によって様々であり、東日本では姫が死んでしまうという結末になっているものが多い
「ひいらぎ」: ヒイラギ(柊・疼木・柊木、学名: Osmanthus heterophyllus)は、モクセイ科モクセイ属に分類される常緑小高木の1種。とげ状の鋸歯をもつ葉が特徴で、邪気を払う縁起木として生け垣や庭木に良く植えられる。
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