言葉がひとりで歩くとき

僕を離れ、ひとり歩く。
地図もなく、コンパスも持たず。
それはまるで根無し草のよう。

百代の日々を彷徨って。

時には、尾ひれを着飾って。
時には、無自覚に人を傷つける。

時には、とにかく愛を囁いて。
時には、打ちひしがれた君を鼓舞する言葉を運ぶだろう。

ありがとう、さようなら。
廃れた言葉が風に舞う。
誰のものでもない風になる。

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