見出し画像

『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』・『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』・『PSYCHO-PASS サイコパス 3』感想

消化した作品はすぐに感想書いとかないと忘れるので書く。それだけ。

友人が消化していたのでサイコパスシリーズの消化を8年ぶりぐらいに再開した。(劇場版が2015年ぐらいだった気がするのでたぶん8年ぶりぐらい) 毎回思うんだけど醤油ラーメンみたいなアニメですよね。(これについては後述)ではSSから感想を。

・『Sinners of the System Case.1 罪と罰』
3部作であるサイコパスSSの中で一番しょぼくてつまらない話。作中舞台が2100年とかそこらへんなのに黒幕の敗因が「うかつな発言を録音されたこと」なところとかいろいろ展開が強引。(主人公公安の刑事だぞ…それぐらい警戒しとけよ…)
話としてはそこまででもないのだがキャラクターの描き方はなかなか良かった。特にこの話の主人公の霜月監視官とみんな大好き宜野座さん。

霜月監視官、劇場版ラストでシヴュラシステムの真相を知った時には「こりゃ闇落ちするんじゃねぇか…」と思ったもんだが(あのシーンすげぇ顔してた気がする)全然そんなことはなく、やっぱり正義の味方なのだなと思った。
宜野座さんは保護対象の子供相手にめちゃくちゃ優しいところ、狡噛さんについて語ってるところが良かった。(小並感) 宜野座さんは面と向かって狡噛さんに会うとキレたり怒鳴ったりするが、狡噛さんの知らないところでは狡噛さんのことをめちゃくちゃ大事に想っている優しい人なんです。こりゃ腐女子もハマるわけだわ。
関係ないけど宜野座さんっていつの間にこんなに強くなったの。劇場版で狡噛さんと敵の半分義体人間みたいなおっさんとが人外バトル繰り広げてる時に当たり前のように参戦してきた宜野座さんを見て映画館で笑ったのを思い出す。
SS1話は話としてはちょっと強引かなと思ったが人物描写が良かったかなと思った話でした。そんな感じ。  あぁあとサブタイが意味深だったけど大した意味はなかったね。

・『SS Case.2 First Guardian』

めっちゃ面白かった。こういうのがあるから見ちゃうんだよなこのシリーズ。
話としては2期で出て来た武骨で真面目そうな男の人(須郷さん)の過去が描かれるのだが、まさか征陸さん(宜野座さんのお父さん)とあれほど関わりがある人物とは思わなかった。やっぱ征陸さんかっこいいっす。
ともかく最初から最後まで面白い話。2期ではどんな人なのか分からなかった須郷さんの過去や人となりが知れて良かった。最後の「自分はこの仕事に誇りを持っていますから」みたいなセリフが征陸さんとの絆を感じられて痺れたっす。この話で須郷さんがグッと好きになりましたね。
たぶんだけど須郷さん、今回の犯人の女の人の事好きだったんじゃないのかな…考えすぎかな…

『SS Case.3 恩讐の彼方に__』
面白かったっすね。やっぱ狡噛さんはかっこいい。
SS1の宜野座さんもそうなんだけど普段子供と絡むことのない人が子供相手に優しく誠実に接しているところすげぇ好きっす。(攻殻SAC2期の素子もこういう話あったよね) Gガンダムのドモン・カッシュもそうだけど子供に優しいイケメンはかっこいい。
この話を見て改めて思ったのだが、狡噛さん、「冷静」・「だが心の中では熱いものを持っている」・「イケメン」・「強い」・「優しい」・「鍛えている」・「博識(この話に出てくる日本の古い小説の内容もしっかりと覚えている)」・「喫煙者」・「かつて殺した男の幻覚に苛まれている」とこいつキャラ盛りすぎだろ。  「タバコうまいな~と思って」とかのどこか子供っぽい発言をときたまするところも良い。こりゃ腐女子もハマるわけだわ。
ラスト、あの狡噛さんが「よし、日本に帰ろう」みたいなこと言って話が終わるところも「うお~どうなるんだああああ!」みたいな感じになってよい。(校長先生「狡噛さんが帰国するまで6年かかりました」)

というわけでサイコパスSSなかなか面白かったっすね。この3部作のOP、1期の前期OPのリミックスなんだけどサブタイが出るとこかっこいいんすよね。

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE

え~この映画順番的にはサイコパス3よりも4年も後に公開された作品なんだけど時系列はサイコパス3よりも前。サイコパス3で最後まで語られなかった(らしい)謎が語られる映画となっている。
後述するが間違いなくこっちから見た方がいいのだが、それはそれで問題はある。サイコパス3の答え合わせ的な描写が初見だと完全にノイズになって、ただでさえ小難しい本編の理解を妨げる点だ。
3の主人公の父親が自殺する前に言われていた「君のインスペクターとしての権利をはく奪する」みたいなセリフとか初見じゃさっぱり分からないし、そもそも3の主人公の父親がどういう人物だったのかという前提知識が初見だと全くないので「こいつが言ってることは真実なのか、虚言なのか」、「そもそもこの人今回の黒幕なの?」(途中で自殺するのでそこでこの線は外れるが)というところに初見だと脳の処理を使っちゃうというか。
3のもう一人の主人公の兄も出てくるのだが「敵だと見せかけて実は敵組織に潜入するためにスパイやってました」とか展開がちょっと複雑なところとか。そして3を見てないので『主人公1の父』と『主人公2の兄』が親密な関係であったという前提知識がなく、初見だとそれを処理するのに脳を使うというか。
そもそもこのシリーズ、見てる時割と頭使うんすよね。攻殻機動隊を見てる時の脳の稼働率を100とするなら70とか80ぐらいは頭使う作品なんです。
そんな本編を必死に頭使ってがんばって見てる時に3の答え合わせみたいなのを初見で見せられたらもうノイズにしかならないんですよ。
公開された順番的に3から見た人が圧倒的に多いと思うので、個人的にはPROVIDENCEから先に見た人が本編の内容について行けたか割と知りたい。

結論から言うとこの映画、サイコパス3の答え合わせ的な部分が初見だとノイズになり、本編の理解を妨げるが、3の主人公たちの過去、根源的な部分を知るために3よりも先に見ておいた方がいい作品。 う~んピーキーですね。(ぺコリーヌちゃん)

ただ面白かったは面白かった。(前述のノイズで3から見てた人よりは楽しめなかったとは思うが。そもそもこの映画の楽しい要素の一つに「サイコパス3の謎こういうことだったのか~」という要素があるだろうし)序盤の超豪華フルメンバーで出島のホテルに泊まるところとか雰囲気最高だし(ワクワク感が修学旅行の夜か?)劇場版だけにアクションも良い。ラストで「シヴュラシステムがあれば法律なんていらないでしょ」という世論を変えるためにあえて汚名を被った朱ちゃんの行動も「そうきたか~!」となってよかった。(あそこで後悔はしていないはずの朱ちゃんが号泣するところもよかったっすね) このシリーズなんだかんだ『シヴュラシステム』に毎回ちゃんと向き合ってるよね。そこだけはブレてないと思う。

『PSYCHO-PASS サイコパス 3』

はい、ファンからの評判が悪いサイコパス3。まぁ3話ぐらいまでは文句なしに面白かった。やっぱり前日譚のPROVIDENCEから見ていたというのは大きいと思う。
つーか普通に3から見てたら「なんで朱ちゃんが投獄されてるのか」とか「なぜ元一係のメンバーがほぼ残っていないのか(狡噛さん・宜野座さん・須郷さんなんて外務省に所属してるし)」とか「主人公たちが追っている事件とはなんなのか」、「そもそも主人公たちはどういう過去を背負っている人間なの?」とかそういう情報が一切ない状態で見ることになるってことだよな。そりゃつまんねぇはずだわ。

3を見てこれを思わなかったやついねーだろという要素はやっぱりアレ。『メンタルアウト』がチートすぎる。おそらく「部屋の痕跡やら状況などを無自覚に頭で処理して自分で体感できる」能力なんだろうがいやいやいやいやこんなことできるわけねーだろ。主人公曰く「理論的には誰だってできる」らしいがいやいやいやいやできねーよ。捜査ものでこの能力はちょっと反則過ぎるのではないだろうか。「脳への負担が大きいメンタルアウトを無理して使うのか、使わないのか」という点である程度の面白さを演出しているのだろうが、それもそんなに大したことないし。

あともう一つ。黒幕3人組みたいなやつらが何やってるのかさっぱり分からないこと。(あいつらが「これからは私たちの時代だ」みたいな感じで急に出てくるところもPROVIDENCE初見のノイズだよなぁ)
「世の中を動かせるものすごく大きな力を持っていて、3人で賭け事をしている」というのはなんとなくわかるが…。しかも下に下部組織が2つぐらいあるし(一番下が「狐」だっけ?)
僕はPROVIDENCEと3を見ましたがアラタのお父さんの死がインスペクターとどう関わっているのかまったく理解ができていません。(迫真)

もちろん面白かった要素もあった。まず一つは主人公アラタのキャラクターかなと。PROVIDENCEでは全然そんな片鱗見せてなかった気がするんだが飄々としてるのに頭がキレるし明るいやつだなと。もう一人の主人公カイもそうなんだが、こいつらが良い奴すぎるので「難民をわざと怒らせてサイコパス係数を上げて執行(パラライザーだが)する」とかいうクズ染みたことを1話でしていた諏訪部さんと大塚さんが速攻で主人公たちを信頼するようになる描写などはとても良かった。 全然関係ないけど3本編の作画が基本的に微妙なのでキービジュアルとかEDとかでめっちゃ作画の良い3メンバーを見ると笑いそうになる。(あとOPラストで意味深に登場している謎のヒロインですがなにか?みたいな感を出している都知事も笑う)

そして何より良かったところとして大きいのが霜月監視官(3だと課長)。部下のやることに頭を抱えつつもケツ持ちはするし、責任は取るし主人公たちがきちんと動けるように仕事をする上司の鑑みたいな人になってた。6話アバンだったかで収監中の朱ちゃんと会話してニヤついていた一係のパソコン少年に「昔の一係ではなく、今の一係を大事にしなさい」と言っていたところとかすごい良かった。(本人も朱のことは隠れて慕ってるし気にしてるだろうから気持ちはわかるんだろうな…)
主人公たちがやらかしたせいで抗議やクレームが来た時の面白おかしい描き方も逸材だし(めっちゃ口に含んでるけどアレ何食べてるんだろう)本当に良いキャラになったと思う霜月監視官。

とりあえずそんな感じ。ちょっと語るぐらいで書いたのになんだかんだ4,500字をぐらいになってしまった。改めて思ったがやっぱり「醤油ラーメンみたいなアニメ」だなと。(ある程度の面白さは担保されているという意味)

では3の完結編はまだ見れてないのでぼちぼち見ようかなと。まずは明日最終回だし水星の魔女見ないと…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?