PSA鑑定の仕訳

 Twitterでつぶやきました、PSA鑑定品の一連の仕訳をまとめてみました。
私自身の紹介としては、経理を15年以上、税理士の税法の科目が何科目か合格しているので、ebayよりは自信があります。
 基本的には、副業程度の場合で、エクセル作成で可能なもので仕訳を作成しています。
 仕訳とは取引を金額で表現しているもので、その仕訳の集合体が帳簿になり、それを基に確定申告を行います。仕訳が間違ってなければ、正しい申告納税が出来ます。
 ここまで読んで仕訳を難しいと感じるかもしれませんが、一つの取引を左の項目と右の項目に分け、その項目に勘定科目をふり、左と右に同じ金額を記入します。
 項目としては、資産、負債、純資産、収益、費用の5つのみです。覚える事としては以下の5つで事足ります。

①資産、費用は通常左
②負債、純資産、収益は通常右。
③仕訳の左の金額と右の金額は必ず一致
④資産は将来お金を増やすもの、負債は将来お金を減らすもの
⑤利益=収益−費用(この金額を所得として申告)

 この仕訳を最低限エクセルに入力しておけば大丈夫です。その入力した紙を税務署なり、税理士になげれば確定申告書の出来上がりです。以下、実例に沿って仕訳を書きますが、なるべく仕訳数を減らすのと、簡単な処理にしています。

①7月30日に2万円のピカチュウARを10枚VISAで購入

 仕入という勘定は後々、棚卸資産に変わる可能性があるので、別途集計しておく必要があります。
 VISAという勘定は未払金、買掛金を表していますが、勘定科目は自由なのでカード会社の名前で良いと考えます。
 なお、仕訳にはどういう内容かを記入する必要があります。

②8月2日にEMSで上記カードをEMSでアメリカに送り、現金で支払った

 事業者貸という謎の勘定科目が出てきましたが、あまり気にしなくて良いです。現金で払えばこの科目を使います。なぜ、現金にしないかというと、現金にした場合、別途現金を数える必要があります。それをしたくないので、上記の処理。

③8月28日に上記カード代が銀行口座から引き落とされた
 

④9月1日にPSAの結果が分かり(PSA10が9枚、PSA9が1枚)、9月2日に鑑定代と送料込みで7万円、VISAのカードで決済された

 鑑定代と送料も仕入にする必要があります。

⑤9月4日に関税、消費税の請求合計額 10,000円をFedexから請求があり、9月5日にVISAのカードで決済された。

 PSA鑑定の鑑定代、返送料、関税、消費税は仕入にする必要があります。

⑥メルカリで上記の鑑定済のカードを9枚を9月7日に36万円で購入された。9月10日に取引完了し、手数料10%、らくらくメルカリ便の送料750円を引かれて、売上金に入った。

 販売手数料、送料については別立てでも良いですが、売上金から引かれる場合、拘りがなければ上記仕訳で大丈夫です。
 メルカリというのは、本来は売掛金と表示するものですが、勘定科目は自由なのでフリマ名で良いと考えます。
 売上計上日は取引完了日で大丈夫。理由は取引完了日までは、購入者側が返品でき、売上が確定していないと考える為です。

⑦売上金359,250円を9月11日に申請し、9月13日に銀行口座に振り込まれた。

※年末に振込申請して、12月31日までに口座に入らない場合は別の仕訳で対応しますが、ここでは割愛

⑧10月28日に鑑定代とFedexの関税、消費税が銀行口座から引落された。

➈12月31日時点で、ピカチュウAR PSA9が売れ残っていた。

 上記の仕訳がいわゆる棚卸というものです。ピカチュウARのPSA鑑定にかかっている費用の合計額は、全部で280,000円。10個なので一個当たりは28,000円。
 9個売れて、1個残っており。残っているものに関しては費用化が出来ません。なので、棚卸をして費用を打ち消して、代わりに資産に変えています。
 この棚卸をするために個別のカードの鑑定品がいくらかかっているか別途計算する必要があります。
 カードの値段は通常1枚1枚違いますが、鑑定代、送料、関税、消費税は基本的に数で割って、その金額をそれぞれのカードの金額に足します。追加請求があった場合は、追加請求分の差額はそのカードに加えます。
 
棚卸をしたのでこの年の利益が出ます。以下、計算式です
1.収益 売上323,250
2.費用 仕入200,000+荷造運賃3,800+仕入70,000
   +仕入10,000+支払手数料200−仕入28,000
            =256,000
※⑨の仕訳で仕入が右に来ているため、その分費用からマイナスしている。 
 費用は通常左の為、左にあるものを合計し、右にあるものは引く
3,利益 1-2=67,250

 棚卸をしないと上記の費用のマイナスが出来ないので、利益が正確に出せません。なので、棚卸は重要。なお、棚卸時に全て売り切れていれば、⑨の処理はないです。なお、来年の仕訳は下記の通りです。

⑩来年の1月4日にPSA9のピカチュウARが売れて、1月31日に棚卸したところカードはなくなった。

 以上になりますが実際は他にもいろいろな取引が出るので複雑にはなりますが、大事なのはPSA品鑑定品がいくらコストがかかっているのかが分かり、12月末(個人の場合)にそれがいくら残っているかが把握出来ていることが大事です。売上については、ほぼどのフリマサイトでも集計自体はし易くなっています。一回一回の取引を記入するのが原則ですが、面倒でしたら一月まとめてでも可能です。

 補足として、領収書の保管について軽く触れておきます。紙の領収書は仕訳を記入したら、紙の封筒に突っ込んで保管です。時系列に保管する必要もないです。強いて言うなら、月毎にまとめるくらいです。
 通販とかで購入した場合は、お店からの注文のメールを取っておけば良いです。それが領収書代わりになるからです。そのメールをただ削除しない事が大事です。PSAからのインボイスはメールが来るので、メールを捨てないでおきましょう。
 販売の記録としては、メルカリやヤフオクに販売履歴が残るので特に意識する必要がないです。数年前まで遡れます。ただ、一定の年数より前は消えるので、各サイトの販売履歴の保管年数を確認して、消える前にCSV等でダウンロードして置くことを進めます。

だらだらと書きましたが、以上になります。ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。

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