ウイスキー用語解説!
初めまして、XyHUtte6年目のゆみやです。
XyHUtte裏アドカレ、9日目を担当させてもろてます。
昨日のなそたれさんの記事はこちら↓
ネットにウイスキー用語をガッツリまとめたサイトって意外となかったので閲覧数稼げそうだと思ったから今回の記事を書きました、読んだら是非拡散オナシャス🙏🙏🙏🙏
さっそくですが
ウイスキーの用語って意味わかんなくないですか?
ちょっと知識をかじった人がいざウイスキー買いに行ったら、スコッチウイスキーのはずなのにバーボン樽熟成って矛盾しとるやろって思ったこと、絶対あると思います。
そんなギモンが少しでもなくなってウイスキーに手を出しやすく思ってもらえるように、初歩的なことからちょっと解説してみようと思います。
それではどうぞ〜〜〜
モルトとグレーン
・モルト
発芽した大麦のこと。水に晒して発芽させた大麦を乾燥させたものがモルトと呼ばれる。大麦麦芽以外の原料はモルトと呼ばない。
・グレーン
大麦麦芽以外の原料(大体とうもろこし、他はライ麦、小麦など)のこと、発芽してるかしてないかは関係ないです。とうもろこしに発芽とかないっしょ。
発芽させてない大麦はこっちに分類されます。
シングルとブレンデッド
・シングルモルト(グレーン)ウイスキー
単一の蒸留所(日本だったら余市とか山崎)で蒸留、熟成させたモルト原酒(orグレーン原酒)だけで構成されているウイスキー
例
シングルモルト余市
知多(シングルグレーン)
・ブレンデッドウイスキー
複数の蒸留所で蒸留、熟成させた原酒をブレンドして瓶詰めしたウイスキー
ブレンデッドウイスキーはモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたものが多いですが、モルト原酒だけをブレンドしたものもそこそこあります。グレーン原酒だけブレンドっていうのはかなり少ないかな…
混ぜる原酒の種類に上限はないです、コンビニでも見る有名なバランタインは30種類以上ブレンドしてるらしい、ほんとう?
例
響ジャパニーズハーモニー(山崎、白州、知多の原酒)
竹鶴ピュアモルト(余市、宮城峡のモルト原酒)
ちなみに、'ピュアモルト'はモルト原酒100%のウイスキーのことを指します。
むかしは山崎もピュアモルトと標して売られていましたが、ブレンデッドモルトとシングルモルトの区別がつけられない呼び方なので現在はあえてピュアモルトと称するウイスキーは少なくなっています。
ここで察しが良すぎる人は気づくと思います。
同じ蒸留所のモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたウイスキーはどうなるん?
って。
答えは'ブレンデッドウイスキー'に分類されます。
ニッカの伊達が身近かも、伊達は宮城峡蒸留所のモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしてますが、ブレンデッドウイスキーとして売られてます。宮城限定らしいので買えんが、どこが身近やねん。
・ポットスチルウイスキー
ほぼほぼアイリッシュウイスキー限定の用語。
原料に大麦麦芽30%以上、未発芽の大麦30%以上、残りにライ麦、小麦を使用してポットスチル(単式蒸留器)で蒸留して作ったウイスキーのことです。
ポットスチル(単式蒸留器)は主にモルトを発酵させて作られるもろみの蒸留に用いる蒸留釜のことです。
モルト原酒を作ってる蒸留所なら基本的にこの蒸留器を用いているはずです。
ポットスチル自体は珍しくないですが未発芽大麦を含むっていうのはポイントですね。
アイリッシュウイスキーは種類が少なくてシングルポットスチルウイスキーしか見ないと思います。アイルランドの蒸留所を複数所有してる企業がないのもブレンデッドがない一因でしょうか。
五大ウイスキー
知っている人も多いとは思いますが
スコッチウイスキー
アイリッシュウイスキー
アメリカンウイスキー
カナディアンウイスキー
ジャパニーズウイスキー
が五大ウイスキーとされています、以前は四大ウイスキーでしたがちょっと前にジャパニーズも加えられて五大になりました。
最近はこれらの国以外のウイスキーもちょくちょく出てます、台湾、イスラエル、インドのウイスキーとか。
・スコッチウイスキー
「スコットランドの蒸留所で」
「酵母で発酵させた」
「モルトが原料のウイスキーを含み(スコットランドで作られたグレーンウイスキーを含んでてもいい)」
「容量700L以下のオーク樽(樽については後述)に詰めて」
「スコットランド内で3年以上熟成させて」
「アルコール度数40度以上で瓶詰めされる」
ウイスキーと定義されています。ザックリとです
が、もっと細かい決まりもあるし、そもそもスコッチウイスキーを名乗れる基準は法律でガッチリ決められているので買う側はあまり気にしなくてもいいんじゃないですかね、後述のアメリカンとかジャパニーズに比べれば'明確な'定義だと思います。
・アイリッシュウイスキー
ぶっちゃけ詳しくないです
「アイルランド国内で」
「穀物を原料にして」
「酵母で発酵させて」
「木製の樽に詰めて」
「アイルランド国内で3年以上熟成させた」
ウイスキーのことを指すらしい。
スコッチと比較するとモルトを含むことが必須じゃなくなってますね、個人的な考えとしてはアイリッシュウイスキーの伝統的な製法がちょっと特殊だからというのが挙げられると思います。上で書いたポットスチルウイスキーってやつですね。
・カナディアンウイスキー
もっとわからん。
「カナダ国内で」
「穀物を原料に酵母で発酵させたものを蒸留し」
「容量700L以下の樽で3年以上熟成し」
「アルコール度数40度以上で瓶詰めした」
ウイスキーらしい。上2つと全く違うのが
ウイスキーにワインやブランデーなどを加えてフレーバーをつけてもいい
ことです。知らんかった、記事書くときにめっちゃ調べて書いてますこれ。
とはいえフレーバーをつけるのにライ麦などから作ったウイスキーそのものを添加することもあるみたいです、めっちゃしったかで書いてる〜〜。
フレーバーをつけてるウイスキーでジムビームアップルとかがありますが、ジムビームはアメリカンウイスキーな上にリキュールの添加でアルコール度数が40度を切っているので日本だと品目がリキュールにされてます。カナディアンの一部もそうなんでしょうか。
・アメリカンウイスキー
一番解説するのだるいヤツ
まず初めの定義としては
「アメリカ国内で発酵しアルコール度数40度以上95度以下で蒸留したものをアメリカンオーク樽で熟成した」ウイスキー、およびそれにスピリッツを添加したウイスキーのことを指します。
加えて樽詰め・瓶詰め時のアルコール度数にも制限があり、樽詰め前は度数62.5度以下、瓶詰め前は度数40度以上、といった決まりもあります。
上記で定義したウイスキーは更に5種類に分類されます。
コーンウイスキー
原料がトウモロコシ80%以上のウイスキーです、初っ端から定義から外れますがこのコーンウイスキーだけは樽での熟成が必須とされていません。
必須ではないですが樽で熟成させる場合は古樽か、内側を焦がしていない樽で熟成させる必要があります、なにそれ。
バーボンウイスキー
原料にトウモロコシを51%以上含み、内側を焦がしたアメリカンオーク樽で熟成させたウイスキー
モルトウイスキー
原料に大麦麦芽を51%以上含み、内側を焦がしたアメリカンオーク樽で熟成させたウイスキー
ライウイスキー
原料にライ麦を51%以上含み、内側を焦がしたアメリカンオーク樽で熟成させたウイスキー
ウィートウイスキー
原料に小麦を51%以上含み、内側を焦がしたアメリカンオーク樽で熟成させたウイスキー
下4つは主原料となる穀物が違うだけでそれ以外の条件は同じですね。
大事なこととして
アメリカンウイスキーはコーンウイスキー以外も熟成の最低年数が定められていないこと
コーンウイスキー以外のウイスキーに使う内側を焦がした樽は新樽でなければならないこと
があります、熟成に使った樽はコーンウイスキー以外には再利用することができないんですね。だからイギリスや日本に輸出してバーボン(を一度熟成させた)樽としてもう一度ウイスキーを詰められるんです。スコッチのバーボン樽熟成はこういうカラクリがあったりします。
もう一つ、アメリカンウイスキーでのモルトウイスキーの定義はジャパニーズやスコッチでの定義と違ってモルト100%じゃなくてもいいってことに注意しなきゃいけないです、盲点。
バーボンウイスキーの中にテネシーウイスキーっていうのもあります。
名前の通りテネシー州で作られたウイスキーでほぼほぼバーボンの定義と一緒なんですが、テネシーウイスキーはサトウカエデから作った木炭で蒸留したてのアルコールを濾過する工程が義務になってます。
・ジャパニーズウイスキー
ザキヤマ♪ザキヤマ♪
「原料に大麦麦芽を必ず含み、その他の穀物と日本国内で採水した水を使って」
「日本国内の蒸留所で製造して」
「容量700L以下の樽に詰めて3年以上熟成して」
「日本国内にてアルコール度数40度以上で瓶詰めした」
ウイスキーと定義されています。蒸留の時はアルコール度数95度未満で蒸留する必要もあります。
しかしこの定義は「法律で決められた定義じゃない」ので守らなくても罰則とかないです。
日本でウイスキーを定義している法律には酒税法がありますが、それによるとモルトウイスキーかグレーンウイスキーを最低10%含んでいればウイスキーとして売ってもいいことになってます。
スナ○ウイスキーとかはガッツリ醸造アルコールブチ込んでますが日本ではウイスキーとして売っても問題ありません。
また、ジャパニーズウイスキーとして定義する法律が存在しないので、外国から輸入してきた原酒を日本で瓶詰めしてジャパニーズウイスキーとして売っても一応法的には問題ないことになります。
だから2015年に操業開始したけど25年熟成のジャパニーズウイスキーを販売しちゃう、なんて芸当が許されるんですね。
悪口じゃないよ?
樽
こっから先はほぼスコッチウイスキー(とジャパニーズちょっと)でばかり出てくる用語がほとんどです、気をつけてや〜〜〜
材質
スコッチは定義でわかるようにオーク材以外での熟成が認められていないので以下の4つのオーク材を押さえておけばおけです。
ホワイトオーク(アメリカンオーク)
スパニッシュオーク
フレンチオーク
ミズナラ(ジャパニーズオーク)
フレンチオーク、ミズナラの2つはマイナー気味です。
前者はグレンリベット15年、後者はシーバスリーガルミズナラとか山崎がありますが、どれも他の樽材に詰められた原酒と混ぜた製品です。
山崎の蒸留所の有料試飲だとミズナラ樽原酒だけの山崎12年が飲めるみたいだけど行ったことない、誰か氏〜〜〜
バーボン樽とシェリー樽
バーボン樽
バーボンウイスキーを熟成させた後にスコットランドとか日本に持って行って再熟成させる際に使う樽のこと。
バニラ感、ウッディー感がどうたらこうたらって言いますよね
シェリー樽
シェリー酒を作る時に使用する樽のこと、シェリー酒は酒精強化ワインの一つです。
基本的にはシェリー酒が入ってたスパニッシュオーク樽って認識でいいです。
そもそもシェリー酒を熟成する時に使う樽にはアメリカンオークを使っているんですが、この熟成に使う樽ってずっと使い回しできて基本余ることがないので、大体シェリー酒の運搬に使った樽でウイスキーを熟成しています。
この運搬樽がスパニッシュオーク材なので基本的にはこれだと思ってもらえばいいです。
が、メーカーから「このウイスキーにはシェリー樽で熟成した原酒を使用しています!」って言われても、
「シェリー酒熟成に使ったアメリカンオーク樽」
なのか
「シェリー酒運搬に使ったスパニッシュオーク樽」
なのかは材質を言ってもらわないとわかんないですよね、メーカーがどっちの意味で言っているのかもわかんないわけだし。
なんなら今の時代だと瓶詰めして運ぶので運搬用の樽も不要になっていて、どっちの定義にしろシェリー樽は不足してっているらしいです。
マッカランはシェリー酒をわざわざ一度詰めさせた樽を作ってそれで熟成してるとか何とか。どこも大変なんですねぇ。
なのでとりあえずスパニッシュオーク樽がシェリー樽って認識でいいよ!って曖昧な答え方で濁します。
あと、シェリー樽って書いてあってもペドロヒメネスシェリーとかオロロソシェリーとか前になんか文字くっついてるのを見ることもあると思います、これはシェリー酒の種類によるものです。
ウイスキーの話じゃないのでよく見かける種類だけ、ざっくりとですが
オロロソ
パロ・コルタド
フィノ
アモンティリャード
マンサニーラ
の5つはシェリー酒の種類のことで、
ペドロ・ヒメネス
モスカテル
パロミノ
の3つはシェリー酒に使うブドウの品種のことです。ちな全部白ブドウです。
まだまだあって、ポートワインやマデイラワインといった、シェリー酒以外の酒精強化ワインの樽もウイスキーでは全然熟成に使います。
なんならラム酒だったりビールだったり、日本酒を熟成させた樽も再利用することがあります、オークの樽だったらなんでもええんか。
ここら辺の樽材まで調べるレベルの人は解説とかいらないと思うのでちょっと割愛〜
樽のデカさ
ウイスキー樽ってデカさでも名前変わります。あんまり樽の大きさが商品説明に書かれてる印象はないですが…
バレル
容量180〜200L
バーボン樽は大体このサイズ
ホグスヘッド
容量220〜250L
バーボン樽を組み直すと大体このサイズです。
なんで容量がデカくなるのかというと、熟成が進みやすいようにバラした木材の内面の焦げ目を削ってもう一度焦がす工程(リチャーっていいます)を経ているからです。
パンチョン
容量400L前後(調べてもよくわからんかった)
山崎パンチョンえぐい値段してますね(こなみ)
バット
容量500L
シェリー樽は大体このサイズ、シェリーバットなんて呼ばれたりもしてます。
パイプ
容量600L前後
ポートワイン樽はこれ
ドラム
容量650L前後
マデイラワイン樽はこれ
これ以外の樽のサイズももちろんあります。
ラフロイグ クォーターカスクの'クォーター'のところとか。
その他の用語
・ピート
泥炭、草炭のこと
大麦麦芽を乾燥させる時にピートを炊いて乾燥させるとスモーキーな原酒になります。
逆に乾燥する時にピートを全く炊かないとノンピートと呼ばれます。
・ニューポット(ニューメイク)
蒸留が終わって樽に詰める直前のウイスキーのこと、厳密にはウイスキーじゃない?
・連続式蒸留機
発酵させた'もろみ'を蒸留してアルコール度数を高める機材のひとつ
グレーンウイスキーは大体これで作ってる気がします。
宮城峡蒸留所のカフェ式連続式蒸留機すごかったのでみんなも1回行ってみて〜
・シングルカスク
1つの樽だけから瓶詰めしたウイスキー
普通のウイスキーはシングルモルトにしろブレンデッドにしろ色んな樽の原酒をブレンドして瓶詰めして品質を保ったりしてます。
・ノンチルフィルタード
冷却濾過をしていないウイスキー
冷却濾過しないと濁ったりオリが残ったりする代わりに香りが豊かになります。
・カスクストレングス
樽から出した原酒に加水しないで瓶詰めしたウイスキーのこと
・ウッドフィニッシュ
原酒を熟成させ終わった後に別の樽に移し替えて追加熟成すること
12年バーボン樽で熟成してその後3年シェリー樽で熟成したウイスキーとかをシェリーウッドフィニッシュと言ったりします。
・ppm
フェノール値のこと、スモーキーさを数字で表したもので、数字が大きいほど臭いです。
今年のオクトモア15.3結構すごいらしいですね。
・プルーフ
アルコール度数×2の値、お高いバーボンウイスキーだとこっちで表記してたり
・ボトラーズ
蒸留所から原酒を樽ごと買い取って瓶詰めしている企業のこと、そのままシングルカスクで出したりブレンデッドウイスキーにしたり色々です。
・シークレット〜
ボトラーズウイスキーを漁ってるとシークレットアイラとかシークレットハイランドとか書かれてるウイスキーに出くわすと思います。
まずアイラ、ハイランド、スペイサイドはスコッチを生産している地域の名前です。
そしてシークレットウイスキーはそれらの地域のどの蒸留所のウイスキーか公表されていないウイスキーのことです。
蒸留所が公表されていない理由はまちまちです、蒸留所側から明示しないように要求されたり、ボトラーズが独自のブランドで売ったり、どの蒸留所の樽かわからなくなったウイスキーだったり。
こんなもんでしょうか、クッソ長くなってしまいましたが…
ウイスキー買いに行く時この記事を見ながら探せばとりあえず全部わかる!ってなるように作ったので活用してもらえると嬉しいです。
あ、ここ間違えてるぞ!とかあったら'優しく'指摘してほしいです。
ではでは〜