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耳あり芳一

むかぁし、むかし。
耳なし芳一と言うお話があったそうな。
それを踏まえて、鬼が狙った5歳の少年の全身に、ある言葉を所狭しと坊主が筆で書いた。
「かかか、これで鬼も退散するだろ」
坊主は、笑った。
坊主は、やはり、耳までは書かなかった。
しかし、坊主には自信があった。
何故ならば、坊主が書いたのは、鬼の奥さんの名前だったからだった。
夜が来て、ろうそくの火がふうっと消えて、鬼がやって来た。
「ふははは、食ってやるぅ!」
鬼の目が暗闇の中で光り、辺りを照らした。
「ふははは、見つけたぞぉ!」
鬼は少年に襲いかかろうとして、奥さんの名前を見て腰を抜かした。
「ごめんなさぁい」
「もうしません。」
「許してくれぇ!」
鬼は、悲鳴をあげて逃げていった(笑)
普段どんな扱い受けてるんだ(笑)
「かかか、寺に伝わる鬼退治の巻物が役にたったわい」
坊主は笑い転げた。
未来を夢見る少年は、複雑な顔をしていた。

解説
鬼にはトラウマがあった。
ある日、冷蔵庫にあったプリンを何気なく食べてしまった。
鬼嫁がパートから帰ってくると、冷蔵庫を開けて、言った。
「貴方、私のプリン食べたでしょ」
鬼は慌てて否定した。
「名前書いてあったでしょ?」
名前?そんなの、書いてあったっけ?
鬼は怯えた。
鬼嫁は、鬼にせっかんしたのだった。
怖い怖い‼️
気を付けましょうね😱💦

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