【祝🌸ベネッセ】スタディーハッカー社について【英語】【短期集中】

East Venturesの金子です。すみカッコ付きのYoutuber風タイトルにしてみました。

本日2020年1月20日、株式会社スタディーハッカーのベネッセグループ入りが発表されました。数ヶ月に渡り関係者の皆様、お疲れ様でした。
スタディーハッカーにはEast Venturesより出資をさせていただいており、これまで株主として支援してきました。個人としてもスタディーハッカー並びに代表である岡さんとは5年以上のお付き合いで、今回のベネッセグループへのジョインには非常に感慨深い想いがあります。ベネッセへのジョイン後も、岡さんはこれまで通り力強く事業を成長させていくと思いますし、微力ながら引き続き支援していきたいと考えておりますが、一つの区切りとして今回の数年に渡るチャレンジについて、自分の目線から時系列で振り返り綴りたいと思います。

第二創業

2014年の9月ごろだったと記憶していますが、難関大向けの予備校事業をメインに展開していた岡さんと初対面を果たしました。当時の印象は、非常にエッジの効いた、一風変わった予備校を運営されているというものでした。その際に、どういったコンセプト、戦略でその「普通じゃない」予備校を運営されているのか深掘ってお聞きしたのですが、その対話の中ですぐに岡さんの経営者としての魅力を悟り、日本のEdtech領域はこの人が中心になって動いていくのではと想像を膨らませました。

初対面であまりにもビビッと来てしまったので、その後も2-3週間に一度は用事を作って会いにいき、お会いする度に新規事業についてディスカッションするようになりました。既に予備校事業でもかなり規模があり、利益についても創業4年ほどという中では申し分ない水準だったのですが、明らかに経営者として既存事業の延長でおさまりきる人ではないという確信があったため、毎回しつこく次の展開について話題を振った記憶があります。

そういったやり取りを数ヶ月経たのちに、岡さんの方から提案があったのが今の「ENGLISH COMPANY」事業の原型です。運営していた予備校では英語の授業を売りにしていたこともあり、カリキュラムや指導法については全く問題なかったのですが、なにせこれまでは学生向けの事業を展開していましたので、社会人向け、かつ短期でのコミットを必要とする新事業に会社のリソースの多くを割くというのは、ある種2回目の創業だったと言っても過言でないと思います。(カリキュラムに関しては、創業メンバーである田畑さんがちょっと異常なレベルでこだわって作っており、スタディーハッカー社の企業価値の源泉は田畑さんのこだわりにあると思います。)

開講前夜の様子

ENGLISH COMPANY事業はサービスイン後、いきなり数百人の受講生から申し込みがあり、教室や講師のキャパシティが慢性的に不足してしまうほどのヒット事業となっていきます。ローンチ前には初期の仮説検証を回すために、自分もモニターとして参加していました。そのため、ローンチ後数ヶ月は自分の画像とコメントがLPに掲載されていました笑
余談ですが実際2ヶ月の短期モニターでプログラムを受講した際は、TOEIC初受験で825点でした。

3年間に渡る週一定例

その後、Edtech業界において岡さんが台風の目となっていくべく、個人としてもサポートを強めたいという気持ちから、毎週土曜日にスタディーハッカー社に出勤するようになりました。そして必ず仕事終わりに夜は四谷で食事をしました。(岡さん毎回ご馳走様でした笑)
この土曜日の出勤並びにごはん定例はその後3年ほど続きましたが、本当に色々なことを話しました。今でもそうですがずっと会社のSlackにも入っていたので、リアルタイムに起きるトラブルや悩みについてもかなり把握して議論した記憶があります。

この期間に自分が関与したエピソードとして印象深いのは、初期のCTOである河合さんをご紹介させていただいてそのままほぼ即日で入社が決まったことや、経歴詐称して入社しようとした採用候補者の方の裏取りをして、入社を防いだことなどがあります。

ハードシングスもたくさんありました。特に組織面は、プロジェクト開始時1-2名規模だったところ、現在は数百名となっており、規模に合わせてチューニングを繰り返し続けました。自分の採用や組織マネジメントについての考え方の基礎は、全てこの過程を横で見させていただいたことで築かれていると思います。

多分2014年春くらい

ベネッセグループへのジョイン

急拡大したために、成長痛は当然ありましたが、ENGLISH COMPANY事業はローンチ後4年以上にわたって伸び続け、具体的に事業計画や資本政策を練り直すフェーズとなりました。業績も申し分ないので当然にIPOを前提として準備を進めていたのですが、Edtech領域でNo.1を目指すために最適な選択は何かという問いに対しては明確な答えが出ていませんでした。その中で、やはり業界首位の企業と意見を交換する機会が必要ではないかと思い立ち、ベネッセとのミーティングをセットしようと考えたのが昨年春頃のことです。先輩のUnlimited野口さんにお願いをして、先方の幹部の方と引き合わせをしていただきました。野口さんいつもありがとうございます。

詳細な今後の戦略や展望に関しては、スタディーハッカー社やベネッセグループからの今後のリリースをご覧いただく形が良いかと思いますが、ディスカッションを重ねる中で、最速最短で最大の規模が出る事業展開を行うためにはグループにジョインする方向が最適であるという結論にステイクホルダー全員が達しました。個人的にもこれは最良の判断だと信じています。

最後に

今回のnoteを書くにあたって、事実を正確に記載したいと思い約5年半分のmessengerのチャット履歴と、SlackのDM履歴を遡って見返しました。かなりの量だったのですが、そこにはたくさんの新しい施策やアイディアに関する意見が記されていました。当然振り返ってみると外した打ち手も数多くあります。ただこの手数の多さが今のスタディーハッカー社を形作っていると思いますし、一日一日妥協せず事業と真剣に向き合ってきた岡さんの姿勢自体が非常に尊く価値のあるものだと強く思います。

最後になりましたが、岡さん、本当にありがとうございました。大きな力になれたわけではないですが、素晴らしい企業、起業家を支援させていただけて光栄です。誰か業界の偉い人が以前に、キャピタリストの成長は有望な投資先によってのみ実現する的なことを言っていた記憶があるのですが、今回個人としても非常に良い経験をさせていただきました。引き続き微力ながらサポートさせてください。

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金子剛士　https://twitter.com/evkaneko