見出し画像

memorandum【27】

唐突ではあるが、何でも欲しい物をあげると言われた時、自分の好きなジャンルの中から何かを選ぶだろうか。自分で考えてみれば、人生においてこれまでに買ってきたものの量的にも金額的にも恐らくぶっちぎりの1位に君臨する洋服。それほどまでに好きなものではあるが、きっと自分はそれを選ばないであろう。

何かを手に入れるということ、特に必需品以外での物は、その物自体を手に入れることは一つの手段に過ぎず、その物を買うに至る経緯だったりストーリー的な部分が大切だということなのかな。ずっと探していたものが漸く見つかった時や、たまたま入ったお店での出会い等、その物の分だけストーリーはあるのだろう。

それはただただその物として手に入れるということとは全く意味合いの違ったこと。その経験に対しての価値というのがその物には付加され、愛着にも変わっていくのだろう。その人にとって特別な価値を持った物、誰かにとっては不要な物でも、自分にとってはかけがえのない物。

その物自体の価値の云々は抜きにして、そういった物を増やしていけることは素敵なことだなと思う。何度も何度も直して、何年も何十年も着ている服になぜか魅力を感じるのもそういうことなのでしょう。そんなその人にとって大切なものが見つかる場所にしていけたらと思っています。

East End Gallery

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?