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memorandum【30】

ファッションという時代の流れの中にあって、シーズンや流行というものは当然ある。今シーズンに売れなかったものはセールになり、安売りされて人の元へと届く。全部が全部そうではないが、そういって手に入れたもというのは頑張って手に入れた何かと比べると愛着もあまり湧かないことが多い。何より、その物に本来付けられた値段で買わないことには、そのものの価値は本当の意味で理解できない。

East End Galleryは基本的にはセールをしない。前途のようにシーズンという区切りがある中で、シーズン落ちの概念は存在して然るべきものだと思う。でも、僕達が扱っているものはたかが半年という短いサイクルで価値の落ちるものではないとも思っている。むしろその時にしか作れないものや、その時に感じたことで選んだものの価値は上がっていくのではないだろうかとさえ思う。

セールや安く売ることに全く否定的なわけではない。日頃から遊びに来てくれている人への感謝の気持ちで安くする事は関係性から生まれるものであって、そういう考え方はある意味真っ当なやり方だと思うし、素敵なことだと思う。ただその時期になったら当たり前のように物が安くなり、いつもより薄っぺらい説明でもが売れていくというサイクルに疑問があるだけ。僕らの支えになってくれている人へのささやかながらの恩返しのタイミングの為のセール。セールも視点を変えることで良いものに変わっていくのかもしれない。

East End Gallery

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