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はじまりはいつも雨

あれはバブルの終焉頃か…
調べてみたところ、おそらくこの歌が「Panasonic half」のCM曲として流れたのは1990年12月。
おそらく私の中では「急激に飛び込んできた歌」
これ以外に表現の方法がない。テレビをふと見ていたら飛び込んできたのだ。


「僕は上手に君を愛してるかい、愛せてるかい」

衝撃だった。声はわかるのである。
いや、もはやわからない訳がない。自分が好きになって3年目、学校という場所以外では起床時から眠るまでずっと聴き続けている声である。

それが「突如としてテレビCMから自分の目の前に飛び込んできた」。CM曲になるなんて、そんなことは聞いていない。曲名がさっぱりわからないのである…

とにかくこのCMを確認しようとした。録画までした。左下には「SONG By ASKA」誰だ…これは…?飛鳥涼じゃない。たしかに「太陽と埃の中で」ではASKAとはなっている。突然のCMに見慣れないASKA表記。でも声は確実に自分が惚れた男。なんなら今、脳内で付き合っているオトコである。

曲はひたすら美しかった。おそらく自分人生16年、聴いてきた歌の中で過去一番美しい歌だった。

このCMは普通に曲がかかるバージョンと少し短めのバージョンがあった。後に新しい別映像も放送された。
97000円という金額は高校生には大金だった。ましてやこの年4月、高校入学祝いに祖母にコンポをねだり、買ってもらったばかりであった。もうねだることはできない…
私は泣く泣く諦めた。
コンポに対しても諦めたが、私はこの曲に対しても諦めた。なんと「レコード化未定」だったのである。曲名も知らず、声のみのCM曲でレコード化未定…これはもう一高校生は諦めるしかないであろう…

レコード化されることを知ったのはMUSIC CITY4月号。その後、この歌は1991年3月6日満を持して発売となった。
私の買った初の8cmCD「はじまりはいつも雨」ジャケットは表よりも裏に惹かれた。
緑なのである。雨の歌なのに緑の小道。何度も何度も繰り返し聴いた。きっとCDじゃなかったら本当に擦り減っていたかもしれない。

因みに高校入学祝いのこのコンポ、CDが発売され、私が鬼のように聴いている途中で壊れ、取り出しが出来なくなった。
だから私の初「はじまりはいつも雨」このCDは未だにこのコンポの中に残されている。



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