飛鳥涼1000回説

高校生の頃である。まじないで「名前を100回書けば思いは通じる」とあった。随分とイタい子供であった私は授業中、これをやってのけたのである。

相手は雲の上の天上人「飛鳥涼」

鉛筆でノートに書いた。おそらくは1行ぎっしりではなく、丁寧に飛鳥涼と飛鳥涼の間にスペースを入れて。

それがどういう訳かバレたのである。これが生徒会が毎年制作する冊子に「クラスには色んな人がいる。飛鳥涼を1000回書く人」そう載ってしまった。
まじないなんてバレた時点で叶わなくなるものである。
友達には随分と「イタいヤツ」に映ったであろう。

もう週刊誌と同様でデマである。

今となれば言い訳だが、私は1000回は書いていない。書いたのは100回だ。
書いたことに間違いはない。でも1000回は書いていない。誰がなんと言おうと100回である。

思いは通じた。恋愛期を遥かに過ぎた約30年後に。

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