君が愛を語れ

湾岸戦争が始まった日
1991年のある日
あれは高校の一室だったか

17歳だったと思う

突如として先生が「戦争が始まった!」
そう言ってテレビをつけた

イラクへの爆撃だった

人生で初めて見る戦争の始まりと
これが三次大戦に繋がるのではないかという不安

テレビに釘付けになった

いつまでも止まない空爆
学校であれだけ先生がテレビを見せてくれたのはきっと後にも先にもこの時だけだったであろう

先生はきっとこの瞬間だけは生徒に見せておかないといけない
きっとそう思ったんだと思う

そんな時代に発表された歌

「君が愛を語れ」

はじまりはいつも雨のカップリング曲である

この曲が湾岸戦争を思って作ったと知ったのはいつだったのか…

理解力のない子だった私だが、混沌とした未来に対して漠然とした不安を感じた歌だった

「僕が倒れたならば君が愛を語れ」

そんな、ASKAが倒れるわけない

そう思った

後年、ASKAは倒れた

でもその時も愛はちゃんとASKAが語っていた

誰にも愛にも語らせず、ASKAは自分で愛を語っていた…



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?