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私たちは動いて揺れる、生きた人間の輪

「ファーストピースサークルに、奥さんと一緒に参加したい。だけど奥さんは人前で話すのが苦手で、乗り気じゃないから、ひでさんとりなちゃんに一回会って話してみてもらえたらなって思って。」

彼がそう言ってくれたので、ひでと私と彼と彼女の4人で、晩御飯を一緒に食べた。奥さんの名前は私の妹とおんなじ名前だった。なんかもうそれだけで好きだ。

一緒に晩御飯を楽しく食べながらいろんな話をした。彼女は私たちの言葉を聞いてくれる。そして、ちゃんとその瞬間思ってることを話してくれる。シンプルで嘘のない言葉だった。それが嬉しくて私もひでも彼女のことが大好きになった。

帰り道、じゃあここで、と別れようとしたとき、手を振る私たちのところに夫婦がちょっと小走りで引き返してきた。どうしたの?と聞くと、私たちに見送られるんじゃなくて私たちをお見送りをしたいと彼女が言うから、と言う。一瞬で私の中にお花が咲いた!嬉しくてありがたくてキュンとした。見送ってもらえるってこんなに嬉しいね、会えて嬉しかったねと言いながら帰り道を歩いた。

来てくれたら嬉しいね。彼女はちゃんと自分で決めるだろうね。そう思って過ごしていたら、2人で参加すると報せが来た。わお!嬉しい!わお!

そして当日。はじまりのサークルは2日間、初めましての人たちで輪になる。何度もトーキングスティックを回す。何度も話す機会がやってくる。

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彼女は素直に緊張していた。彼女から場に伝えられる正直な気持ち。彼女に心を寄せるいろんな声。輪の中はとっても細かな網の目が行き交っているようだった。ただいろんなそのままの声がみんなに受け取られていた。みんなの気持ちをみんなの両手でそっとたたえているようだった。みんなの両手で支える空間にいろんな気持ちがお魚みたいに解き放たれて、そのペースとリズムで泳いでいるようだった。

2日目の始まりの輪で、「彼女を心配するのをやめようと思う」と彼は言った。2日目の終わりの輪で、彼女は、「来てよかった」と言った。私はめちゃくちゃ泣いた。マスクの内側がびしょびしょになった。

なんであんなに涙が出たんだろう。私はどんな気持ちを感じていたんだろう。

彼が彼女を想う気持ちのまっすぐさに心を打たれ続けていたし、彼の気持ちを受け取りながら素直に正直にそこにい続ける彼女の姿に心を打たれ続けていた。彼女の素直で正直な表現から受けた波紋を素直に感じて言葉を紡ぐみんなの姿に心を打たれ続けていた。

人と人が出会うことで起こる動揺が、見事に素直な場だった。動いて揺れること。あなたがいるから私に起こること。「私たち」としているから動いて揺れる私たちの内と外。動いていいし、動かしていい。揺れていていいし、揺らしていい。生きていて感じあう私たちが、動きと揺れを感じ合いながら一緒に両手を添え合う場だった。

ウインドイーグルとレインボウホークは、このファーストピースサークルは平和のムーブメントだ、と言う。本当にそうだ。私は、私の目に映る世界を、こうやって感じる人と人が動きながら揺れながら一緒にいられる世界にしたい。こうやって人と人が一緒にいる世界を子どもたちに残したい。

彼女の「来てよかった」の言葉を聞いて瞬時に出てきたのは、あなたがいてくれてよかった、だった。そして、みんながいてくれてよかった、だった。みんなで添え合った両手とその温もりを思った。どの手が欠けていても今の私たちには辿り着いていなかった。どの手が欠けてもきっとそれはそれで幸せな未来があっただろうし、その時の最善を尽くして幸せな未来にするだろう。でも私はこの今が嬉しい。

言葉にしたら言葉にしなかったものたちがより強く感じられて思い出される。書きながらひとりひとりの顔と言葉を思い出してる。最近色んな輪の準備がたっぷりあってこういうの書く時間とってなかったけど、書くって豊かな時間だ。書いてよかった。

平和ってなんだろうね。生きるってなんだろうね。
海と山と空に愛された、11人の輪での旅がスタートしました。

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