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人生を変えた本

 読後の人生に大きな影響を与えた本が5冊あります。
 1冊目は、30年程前の大学時代に読んだ加藤諦三先生の著書で、今風に表現するなら「毒親からは逃げてもいいんだよ」という内容の本でした。

当時はまだ毒親などという言葉はなく、どんな親であるかにかかわらず成人した子供が親孝行しないのは悪だというのが一般的な社会通念だったように思います・・・が、素直な私は逃げました❗😆

すごく助けられた本なのですが、本棚に置いておくと目に入るたびに読む前の自分を思い出して辛くなるので処分してしまいました。このノートを書く前にタイトルだけでも調べようとしてみたものの、加藤先生の著書の多さが半端なくてどれかわからず挫折・・・。

 2冊目は、働き始めて2年程、結婚後半年くらい経った頃に読んだ、財界という雑誌の年金特集増刊号の中の次の一節です。(財界そのものは読んだことないです😛平積みされていた増刊号をたまたま手に取って購入。)

「財界」臨時増刊号 平成9年3月20日発行

「この考えを貫くと」以降の文章は、1行1行後頭部を鈍器で殴られるような衝撃をガツンガツン受けながら読んだのを覚えています。

今ほど便利な世の中ではなく、年休の日は役所や銀行、郵便局などを走り回っていました。子供を幼稚園バスに乗せた後いつまでも井戸端会議をしているお母さん方が暇そうに見え、「この人たちも年金もらうってどうなの?」だとか「子供のいない専業主婦の扶養控除など許せん!」などと考えてしまっていたのです。

不妊が今ほど社会問題になっていない頃で、子供を持ちたくても持てない人がいるということに考えが及んでいませんでした。後に、日本で子供を育てながら働くことが如何に困難かを経験したので、この文章を読まなくとも専業主婦を悪く言う浅はかさにはそのうち気づいたことでしょう・・・。

一方、この文章を読まなければ今も気づけていないかもしれないと思うのは「たまたま結婚したい人にめぐりあうことができ」の部分です。当時の同僚に、意中の男性を過度に思える程賞賛しながら他の男性のことは悪し様に言う人がいて、そんなに選り好みしてるから彼ができないんじゃないのかなぁ・・・と思っていました。その考えのままでいたならば、そのうち「独身貴族は年金を多く払うべき!」的なことを言い出していた気がします。

他の人の生き方についても自分の生き方についても得だとか損だとか一概に言えるはずがないということを教えてくれた一文だったと思います。

 3冊目は、その1年後に出会った「人生を複雑にしない100の方法」という本です。断捨離ブームが訪れるのはもっと後なので、この本に出会えたことは本当に幸運だったと思います。どれほど転ばぬ先の杖になってくれたことかわかりません。特に、76番の「他人を変えようとしない」は貴重な教えでした。

 4冊目と5冊目はいずれも2020年とつい最近です。
 4冊目の「超訳 仏陀の言葉」で知ったお釈迦様の言葉は、それまで仏教に抱いていたイメージからは程遠く、とてもシンプルでありながら、あらゆる悩みを解放してくれました。もっと早く出会えていたらと思う一方、あまり若いうちに読んでも消化できなかったかなという気もしています。

 5冊目が、このノートを始めたきっかけでもある「サピエンス全史」です。興味深い内容ではあるのですが、理解して読み進めるのがなかなか難しい本で、途中に軽い読み物を何冊も挟んで頭の休憩をしながら1年かけて読み切りました。

本の主題はさておき、衝撃を受けたのは工場式畜産についての記述です。今から思えば著者のハラリさんはかなりソフトな記述と引用写真にしてくれているのですが、知ってしまった時のショックは相当なものでした。

子供の頃から肉食には疑問があり極力避けてきたのですが、魚介類と卵は好んで食べていましたし、チーズやバターも好きでした。でも、それら動物性食品を一切食さないヴィーガンという生き方を選びたいと思うようになり、40代も終わろうかという年齢にして食生活をガラッと変えたのでした。

著者のハラリさんも執筆を機にヴィーガンになったそうです。
「サピエンス全史の執筆を通して、食肉及び乳製品産業が動物たちをどのように扱っているかがよくわかった。私は愕然とし、そのようなことにはもう加担したくないと思った。」

Yuval Noah Harari: ‘We are quickly acquiring powers that were always thought to be divine’ | Yuval Noah Harari | The Guardian

 このノートでは、まだ日が浅いながらヴィーガニズムを実践してみる上で思ったことや、子供の頃から動物との関わりの中で感じてきたことなどを、書いていきたいと考えています。


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