見出し画像

櫻坂46 1stアニラ初日 乱文雑文ライブレポ

2021年12月9日。櫻坂46 1stアニラ@日本武道館。すっっごいよかった。終演後パッと筆者の中に浮かんだ感想は「情報量多かった…」である。

以下自分用の備忘録を兼ねてライブレポートを記していくが、心内が漏れた実況のような文章、私見や印象・感覚に基づく記述が多くなるが承知願いたい。また、メンバーの呼称については書きやすさの点から普段から筆者が呼んでいるニックネームを使わせていただくが、もちろん全メンバーに対する敬意を持っていることは言うまでもない。

今回のライブに向けて個人的に考えていた見どころは以下の通り。
・セトリを全ツからの短いスパンでどう変えて来るのか
・こば(小林由依)は復帰するのか。
・青マリ等、欅坂名義の曲披露はあるのか。
・祝祭ムードを強めたライブなのかそれともパフォーマンスで1年の集大成を見せるライブなのか。

特に注目していたのは第一の点である。10月31日に千秋楽を迎えた「1st TOUR2021」から1ヶ月余り経過した。その間、11月30日に配信されたミニライブでOn my wayと美しきnervousは披露されたものの、当然シングル表題曲やMV付き曲の追加はなく、櫻坂46の楽曲内における"盛り上げ曲""かわいい曲""しんみりする曲"のような相対的位置付けは大きく変化していない。自分の中で全ツ千秋楽のセトリの完成度が高かっただけに、アニラでいかに変化をつけて新鮮味を演出するのかが見どころだと考えていた。

ライブ本編に入る。セトリを正確に記憶できない程度の記憶力なので下サイトを参考にセトリを確認した。

〈影ナレ〉
まずは井上梨名ちゃんとまつりちゃんによる影ナレ。「2人合わせて"ふたりな"です!」しれっとユニット名が発表されて驚いたが、ファンの中で話題になっていた"でんでんず"とは違いユニット2人の要素が入っているし、語感もよく、気取ったりカッコつけたりしていない感じも2人にピッタリなネーミングだと思った。

〈本編〉
M0 Overture 
メンバーが右手の人差し指を立てて"1"を示している写真が流れる。会場は白多めだが、他の色が混じると目立ちやすいために白一色に完璧に揃えるのはなかなか難しく感じた。

M1 BAN 
イントロが流れた瞬間「いきなりBAN?!」と驚きながらペンラカラーを切り替えた。「それじゃ起きられるわけがない」での可愛げのある歌い回しと表情・頭を指差す仕草から、このBANにひかるちゃんは清涼感強めにライブを温める意図を込めているように直感した。メンバーのパフォーマンスはダイナミックかつ揃っており、そこにセンターであるひかるちゃんが爽やかな味付けをしているという感じ。こういった清涼感を持つBANにはメンバーが指定したペンラカラー「レッド」と若干のミスマッチがある気はする。でも赤一色に染まった会場とパフォーマンスの相互作用でめちゃアガる。

MC
BANによって会場全体のライブへの構えが心身ともに完了したところでメンバー全員が登場してMCに入る。菅井さんが1周年の感謝を述べ、守屋茜さんが卒業前ラストライブとなるアニラへの意気込みを語る。

M2 美しきnervous 
ライブでは2度目、生では初の披露。好きな曲だったし、ミニラを見て期待感も上がっていた。保乃ちゃんの豊かな表情が特に映える曲だと思う。

M3 半信半疑
ステージにジャンプアップで登場するなど天ちゃんをフィーチャーする演出。これがまたオーラすげえんだ。

M4 それが愛なのね
こちらはメンバーがアリーナ近くまで歩み寄ってくるなどファンと一緒に盛り上がるための演出が仕掛けられていた。半信半疑とこの曲によってこの時間は天ちゃんフィーチャーパートなのかな、などと思った。

ダンストラック
みんなバッキバキ。ちゅけもんはいつものようにパッション溢れるダンスで盛り上げてた。

M5 偶然の答え
夏鈴ちゃんの立ち姿が大好きなので、2サビでただ歩くだけの振りはすごくありがたい。曲終盤に夏鈴ちゃんが涙ぐんでいたり鼻を啜る音が聞こえた。どんな気持ちだったのだろうか。ほんの少しだが次の曲に引きずっているようにも見えた。

M6 ブルームーンキス
偶然の答えで青に染まった会場をそのまま活かすように始まったこの曲。櫻楽曲の中でも一人ひとりを強くフィーチャーするこの曲。守屋茜さんとペーちゃんを見られるのが残り少ないことをより痛切に見せられた気がした。

M7 思ったよりも寂しくない
ステージ四隅に炎がついて一気にエモーショナルな雰囲気に。階段のステージも有効活用されてメンバー同士のある種閉鎖的な空間が普段の同曲のパフォーマンスより強く感じられた。見逃してしまったポイントはかなり多いと思うし全部見るのは多分無理。この曲には1対1のコミュニケーションが複数あり、それぞれの空間が複雑にかけ合わさってなんとも言えない多幸感を生み出している。

M8 Plastic regret
階段を使った移動のないパフォーマンスに手の振り付けがよく映えた。「いくつーもの記憶♪」が好き。

M9 最終の地下鉄に乗って
普段は歌詞と対照的に笑顔が印象的なこの曲。曲終わりのひかるちゃんの生気がない、地下鉄に乗りながら人生に絶望する主人公の内面を表すかのような表情に、ここでも新しいものを見せてくるのか…と驚嘆した。どの部分かは忘れたが、モニターに守屋茜さんが映し出された時の笑顔が印象に残っていて、「期待しすぎない」との発言も思い起こされた。

M10 君と僕と洗濯物
コミカルな表現を見せるひかるちゃん初めメンバーたち。個人的には曲も好きだし、見てて楽しい。そしてステージ中央に寝そべるペーちゃんの絵ヂカラよ。
ここまで9曲連続してMCなしできているし、全体的に明るめのムードはあったもののかなりタフなセトリだな…と感じつつあった。

ダンストラック
君と僕と洗濯物を受けたかわいい系のダンス。前のダンストラックが一人ひとりのダンスを捉えたものに対して、出演メンバーで揃えるダンスも多め。

M11 On my way
「ふたりな」による生ライブでの初披露。衣装はケヤフェスのマーブル。緊張も見えたミニライブの時より伸びやかで堂々としていた。聞かせるだけではなく振り付けで見せるパフォーマンスで、緊張や不安も含めて楽しんでいるのかな〜などと感じた。

M12 ソニア
前曲を受けてイントロは「ふたりな」が前の方でパフォーマンスし、スムーズにフォーメーションに入っていく。背景モニターにはメンバーがリップスティックを手に持ったり唇に塗ったりする映像が流れて歌詞を具体化していた。個人的には"M"や"唇"のフォーメーションがしっかり見れたのが嬉しかった。さいたまでは痛みまで曝け出すかのような一種のトゲを感じていたみいちゃんのパフォーマンスだったが、今回は歌詞を逐語訳したような表情の変化が印象的で、優しさ・暖かさもより感じられた。

M13 無言の宇宙
理佐さんの個人的なセンター像として"どこにいても変わらないパフォーマンス"というのがあって、センターだから周りを引っ張っていこうとか、逆にセンターじゃないから気配を抑えめにしようとかという意図がないんじゃないかと思える。そこがすごく面白くて、センターとしてあるいはフロントメンバーとしての存在感は確かに感じるのに場所によってガラッと変わるわけではないところに凄みを感じる。やはり保乃ちゃんの「必ず帰ってくる」に悲しさ・寂しさが混じってなかったところが印象的。その伏線はすぐに回収される。

M14 ジャマイカビール
特別演出の後に現れる小林由依。復帰する可能性は感じてはいたもののいざ本当に帰ってくるとなると嬉しさや驚きが交錯する感情に打ちのめされる。その感覚に浸る間も無くイントロが流れる。ピチッとしたパンツとジャケット(?)の衣装に身を包んで、夏鈴ちゃんと光莉ちゃんの2人とともに踊る。ブランクとはなんぞや、ライブ実演が7月のケヤフェス以来になるのにそんなこと微塵も感じさせないパフォーマンス。もちろん夏鈴ちゃんと光莉ちゃんも堂々たるダンスを見せた。これはちょっとヤバい。

MC
パフォーマンス中のキマった表情とは打って変わってフッと一息ついたような表情を見せて、復帰を自身で改めて報告。ジャマイカビールに参加した夏鈴ちゃんと光莉ちゃんは、夏鈴ちゃんはこばと踊れた嬉しさ、光莉ちゃんはユニット披露の緊張からの解放で、それぞれ感極まっていた。この時筆者はジャマイカビールに圧倒されたのとこばが帰ってきた事実の現実味のなさが相まって心ここに在らず状態でした。そしてこんな大切なことがあるのになんで配信しなかったのか…という気持ちも募った。
ライブ後半も楽しんでいこう!との掛け声とともに終盤戦に突入。

M15 Dead end
MVを基調とする新しい振り付けを行ったミニラを伏線にし、それを一気に本格化させた今回のDead end。階段から見下ろすひかるちゃんがいきなりもうすごい。そんで1サビの新振り付けがめちゃ好き。Plastic regret同様に階段を使っていて、手の振り付けが映えていた。目線が高くなるのも変化がついていいなとなる。ツアーでは1曲目の盛り上げ役を果たした同曲だが、このライブではシリアスに魅せることが意識されている。"ここから終盤だから見とけ!"と言わんばかりに、浮ついた感覚をグッと締めて後半の始まりを告げた。

ここでひかるちゃんのセンター像についてしばし語らせて欲しい。筆者の中でひかるちゃんは非常に理性的なパフォーマンスをするメンバーだ。それはライブになると特に発揮されるように思う。セットリストや演出、メンバーや観客の雰囲気を正確に噛み砕き、曲の終了後どうなっているのが理想かを思い描き、イントロからアウトロまですべてに意図を込め、そして見事なまでに実行する。
それが顕著に現れたのが一連の「BAN」のパフォーマンスだと思う。ケヤフェスの3日目では"リミッター"を解除してBacksliveを彷彿とさせる感情を出して振り切った姿を見せたが、これも全体の雰囲気や櫻坂として見せたいものを考えて意識的に実行したものと解釈している。そして直後の歌番組(記憶が正しければ『音楽の日』)ではセットのイメージにもあった爽やかなパフォーマンスを見せる。全国ツアーではライブ終盤の盛り上がりと次曲に流れ弾が控えていることを考慮して、狂気の流れ弾との対比が強くなるように理性を保ちつつ、それでも清涼感は排除したものを見せた。1曲に対して1種の表現をとことん追求する美学に対して、ひかるちゃんからは多様な角度で表現することで常に意外性を与えていきたいという美学を感じる。そうした美学が、ツアーとは異なる形で示されたDead endにも表れていた。

ファーストシングルからひかるちゃんは複数のセンター曲を持っているが、ひかるちゃん個人に付随する背景情報(例えば、誰と仲がいいかとかどんな性格なのかなど)と曲の表現は完全に分離されているように思う。曲が多様である、悪く捉えれば一貫性がないのも理由の一つかもしれないが、"あるひとつの色として見られたくない"というポリシーも感じる。選んで何かの色に染まることはあっても常に"白"に立ち返ることができる存在を目指しているというか。大園玲ちゃんとかも似たことを言ってきているが、1stからひかるちゃんがセンターとして提示してきた"白"は現在の櫻坂の骨格となっている。

M16 なぜ 恋をして来なかったんだろう?
ひかるちゃん語りはその程度にして、ライブ本編に戻る。このライブ中他の曲でも感じた夏鈴ちゃんのボルテージの高さが一際感じられたなぜ恋。さいたまのツアーファイナルでは布を使った幻想的演出だが、原点回帰して糸の演出。もう手慣れたものかもしれないが、ライブ終盤にも集中力を切らさず見事に成功させるのは流石としか言いようがない。糸に振り回されている間も夏鈴ちゃんが楽しそうにしていたのが印象に残った。

M17 Buddies
天ちゃん、ど真ん中映える〜!いつもより感じたかもしれない。間奏では恒例の口上。1年間の感謝とこれからもついて来てくれますよね!と高らかに。全員曲にするかどうか問題だが、ファンとかメンバーが思っているより難しい何かがあるのかもしれないなぁなどと。

M18 Nobody's fault
菅井さんナレーションで1年を振り返るVTRが流れる。こういう誰かが作ったものを読む感じのナレーションはそこまで好みじゃないので半分聞き流してます、ごめんなさい。密着カメラの編集で、こばがメンバーに復帰を挨拶する映像やライブの映像、MV撮影の様子など笑いあり涙ありでメンバーが乗り越えてきたことが伝わる。
そして1stのMV衣装で原点となるノバフォ披露。こばのポジションには葵ちゃんが。貫禄ッッ。この道でよかったんだという自信も感じた、原点回帰でもあり集大成でもあるノバフォ。
なぜ恋からノバフォまで1stシングルの3曲を立て続けに披露したことで1年間の変化も感じさせられた。

M19 流れ弾
"LAST SONG"と赤黒で煽る映像と音響演出を挟み、そのままノバフォ衣装で披露。しかもMV以外では初めてこばが入った"完全体"での披露となる。エグすぎんかいちょっと小林さんこれ…。気迫がすごいしまとまりも前よりあって、完全体を目にしてるんだ、、という感覚と衝撃。ノバフォ衣装も原点を忘れない意気込みだけでなく、全員同じデザインなのが知らないし興味のない人つまりどんな個性を持っていようが誰でも関係ない人から攻撃される歌詞世界と絶妙にマッチしていて興味深かった。ドレスみたいでパーティー感もあって、これはこれでいいなぁとなった。

その後ノバフォ衣装に身を包んだ全メンバーが「Ⅰ」から「Ⅱ」に隊列を変えることで2年目に続くことを力強く示して本編終了。

〈アンコール〉
MC
アンコールでは曲披露の前にスカートとライブT(黒)に着替えたメンバーが登場し、MC。ユニット名が「ふたりな」に決まったことを改めて報告。ちゅけもんが金髪になったりふーちゃんが黒髪になったのにも触れられた。
そして3rdシングルBACKS LIVEの実施が決定。まだないんじゃないかな〜とかあるとしてもどんな触れ込みになるんだろうな〜と考えていたところだった。「2nd BACKLIVEで得た自信が確信に変わる夜。」松坂かい、と少し笑ってしまった。ちゅけもんが意気込みを冷静かつ熱く語っていた。この実施については楽しみだというポジティブだけではない感情もあるがすでに長くなっているのでまたいつか。でも楽しみ。

M20 櫻坂の詩
菅井さんのひと声で会場がサクラピンクに染まったなか披露。メンバーがよくファンサしていた。会場の大きさもありファンの顔もよく見えてたんじゃないかな〜。観客席端の見切れ席?の人は一生分のファンサ受けてて軽く嫉妬しました。
幸阪茉里乃ちゃんが最後に深々と礼をして退場。
無事終わったことに感謝…。


〈全体を振り返って〉
パフォーマンス面でもその他諸々の面でも情報量の多いライブだった、というのが率直な感想。パフォーマンスには本当に楽しませられたし痺れました。間違いなく1年の集大成だと思う。
セトリについては、中盤の怒涛の披露に加えMCは数も絶対的な時間も少なくてメンバーにとっては相当タフなライブだと思う。終盤の顔ぶれは定まりつつあるが、4thシングルが出るとまた変わるだろうし、それでなくても演出やパフォーマンスで常に新鮮味を感じることができた。卒業者がいると言うことで欅坂時代のユニット曲をやる可能性も考えていたが、櫻坂の曲だけで作り上げた。これも楽曲群が1stからメンバーが育て上げて強靭さを持っていることを示していると思う。
演出面では、花道や大掛かりなセットはなくツアーに比べればシンプルだが、メインステージと階段のステージを有効に活用してパフォーマンスを見せることに特化していた。

個人的には初めての武道館ライブでもあるし、メンバーをツアーに参加した時よりも近い距離で見れたのが本当に幸せだった。集大成として振り返るだけではなく、2年目をより楽しみにさせるライブだった。
メンバーの皆さん、そして前日にも同じ会場でライブがあった中夜通しの作業で設営を完了させた方々、運営スタッフの皆さん本当にありがとうございました。

そしてこんなまとまりのない文章を最後まで読んでくださった皆さんに感謝申し上げます。不快に思われる点がありましたら大変申し訳ございません。記憶違い等ございましたらご教示ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?