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上質の糖分

食べた物を記録する中で、チョコやクッキーに手が伸びなくなってきた。空腹ならプロテインを飲んだ方が、どうせカロリー摂るならタンパク質が稼げる。そして、せっかく糖分を摂って記録するなら、バナナ、ブルーベリー、ナッツにヨーグルトをかけて、ちょっと蜂蜜をかけた方がヘルシーだし満足度は高い。

最近では、白米に入れたスーパー大麦の甘さや、薄味の煮物のにんじんの甘さを噛み締めて、うーん、幸せ、と感じる。同じ食事に巻き込んでいる娘も、黒糖で薄く甘みをつけた大豆を食べて、うまい!うまい!と連呼している。

最初のうちは、甘い物を我慢している、という意識があったが、最近では今まで気づかなかった自然の甘みで満足して、猛烈にチョコを食べたい衝動に駆られることも無くなってきた。

しょっぱいものも同様に、これまで普通に食べていた物をしょっぱい、と感じるようになった。煮物も、前は皮のついた鶏肉を油で炒めて、そこに根菜類を入れて炒めて、砂糖、醤油、出汁を入れて作っていた。九州生まれの母直伝の、筑前煮。大好きな味ではあるが、そんなに油や調味料を入れなくても良いかも、と思い直した。高野豆腐、ねじりこんにゃく、にんじん、干し椎茸、インゲンを薄い塩味のだし汁で煮る。これではメインにならないので、魚を焼いて、ほうれん草となめ茸のおひたし、きゅうりとわかめの酢の物、野菜スープも、と皿数は増えるが、どれもあっさりしているから、胃もたれはしない。

そんな修行僧のような食生活で悟りを開きかけた我が家に、東京帰りの方からのお土産がやってきた。宝石箱のような可愛い箱の中に、チューリップの花びらのようなラングドシャクッキー、その中に濃厚なチーズクリーム、パイ生地を小さく丸めたものなどがキュッと収まっている。直径3〜4センチ、一口で食べられそうな大きさで、義父はあっという間に平らげてしまった。私と娘は、一枚花びら(のようなラングドシャクッキー)をつまんで眺めては、少しずつ齧り、うーん、バターの香り!クリームを少し舐めては、あーん、チーズの味がするぅ、と大歓喜。いつでも甘い物をつまんでいた時には、このお土産の質の良さはそこまで感じなかったかもしれない。パッケージの裏を見て、余計な成分が入っていないことも確認して、一個88kcal、と記録する。1日1個ずつ、それを楽しむ数日間が待っていると思うと、幸せだあ、と思う。ダイエットの効用って、こんなところにもあったんだ、と気づくことができた。

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