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【OUATIBKK_000】一年で人生は変わるか ~Once Upon A Time in Bangkok  前書きにかえて~


2019年に始まったBangkok駐在生活。
あの頃、永遠に続くかのようにぼんやりとしていた未来が、
ついに、娘の進学を機に本帰国というはっきりした現実となってきた。
 
焦った。何もやってない。パンチを食らった気分だ。
もう本当に涙目だ。なぜなら私はバンコクと恋に落ちてしまっていたから。

(帰りたくな~い!ずっとBangkokに住んでいた~い!←心の声)
 
実は、2021年の後半くらいから「朝活」と称して街歩きを始めていた。
当時はBangkokについての知識が致命的に低かった。
コロナの非常事態宣言下で何もできなかったし、どこにも行ってない。
朝活は、失った時間と行動の自由を取り戻すための軽い思いつきだった。
奇跡的に現れた相棒の存在が、私の冒険心を後押ししてくれた。

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「朝活」と言いながら実際は一日中歩くので、毎回がOne day tripである。気づくと2万歩近くなる日もあり、最後には2泊3日くらいの体感が残る。

死ぬほど気の長い相棒との街歩きは文字通りエスカレートしていった。

当初、週1回で始めた朝活は、下見と称して、
徐々に一人で出かけることも増え、
ピーク時の私は週に3~4日歩く日もあった。
重いカメラとレンズを背負っての街探検。もはや文化的筋トレだ。
 
それでも足らずに、帰宅すると夜中までGoogleマップ上で
街中を疑似ウォークしては、次のターゲットに旗を立てまくった。
おかげで今はGoogleマップは一面緑色(行きたいところの旗だらけ)。
旗を非表示にしないと地図としては使い物にならないしまつに…。
 

▲ 緑の旗(行きたい所)立てすぎだよ!と娘にいじられる…


とにかく、楽しくて楽しくて、出かけてばかりいる。
結果、写真も溜まるし、刺激を受けて考えたことも溜まる。
街歩きはとっ散らかり始めた。

心動かされた出逢いや、目に焼き付いた奇跡の光景が、
日の目を見ることもなく私の中にしまい込まれたまま、
ものすごい熱量でくすぶり始めた。

長年の焦燥感がじわじわとよみがえる。
「焦った。何もやってない。パンチを食らった気分だ。」
いつまで同じこと言い続けるつもり?
尊敬するバンコク在住の写真家(私の師匠)の言葉がよぎった。

”週5日、熱量を持って戦略的に1つのことに取り組めば、
1年で人生は変わる”

人生あと一年だったら何をする?ってよくある質問、
日本で普通に生活していたら、実感を持って行動に移すことって
私には多分難しいことだと思う。
そう考えると、駐在は人生を区切るまたとない機会だ。
いつやるの?今でしょ!

長い人生のたった一年だけど、濃厚で幸せな一年。
私にとっての竜宮城Bangkokで、
感覚をフル回転させて精一杯生きた思い出を残していったら
一年後私はどうなっているのか。
ちょっと実験してみようという気になってきたのである。

うまくまとまらないけれど、これから始まる
私の期間限定の個人的な冒険記の前書きにかえて。

2023年3月
もうすぐ引っ越してしまう、愛すべきこの部屋にて。

▲ 娘が撮ってくれた、ある夕方の、愛しのサオチンチャーと筆者



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