「気楽にいこうぜ」

ここ数日、ラジオでのメール投稿の常連の方々による、メール投稿の極意とかやり方みたいなのが、事細かに載っているnoteやツイート、ブログなどを見かける。

その一連の文章の中だったり、それを読んだ人のリアクションだったりでも書いてある事を、今からあえて言う。

メール投稿をしていると採用されないのが、意外と辛い事がある。
採用ばかり気にしすぎて、ラジオを心から楽しめない事がある。

読まれたら本当に嬉しい。
ただ、そんな簡単に採用されるワケでは無い。

ラジオで採用された事が全く無かった時は、「俺には才能が無いんだ!」と、キッパリ諦めがついたが、中途半端にラジオで採用され始めると、読まれない事で気を取られてしまっていた。

今は全くそんな事を思わなくなったと言えば嘘になるが、ただ、採用数を気にしたりとか、採用に気を取られてラジオを集中して聴けないとか、そういう事は減った。

決して、ラジオで採用される数が多くなったからでは無い。

そのキッカケは2つ。

1つ目は、広島RCCにて放送されている「ごぜん様さま」での、天才・横山雄二さんの言葉。

この番組では、2人いるパーソナリティーのうち、どちらかが休みを取った時、代打パーソナリティーが出演する事になっている。
その代打が出演する回のOPでは、リスナーから代打は誰なのかを予想する、「代打予想メール」がやって来て、それを普段出演しているほうのパーソナリティーが番組冒頭で読んでから、代打が出演する事が定番になっている。

ある時、1人のパーソナリティーが休む事になって、OPではメインパーソナリティーの横山さんが代打予想メールを読む流れになった。
番組スタートから数分経って、メールを読み始める前、横山さんが興奮気味に、「今日凄いんだぜ!代打予想メールが、電話帳1冊出来るぐらい来てるんだぜ!!」と言いながら、その紙の束を叩く音が聴こえてきた。

それから横山さんが読んだ予想メールは、たった数通。

たぶん10通以下。

「電話帳1冊出来る」ぐらいメールが来ていても、横山さんが読んだのは10通も無い。

採用される確率って、はたして何%なのか…。

採用するメールの数よりも、送られてきたメールの方が、圧倒的に多いなんて、よく考えたらどのラジオ番組でも当然の事なのだが、この時は本当にその事を実感した。

この一件以来、「読まれる確率なんて、本当に低いんだ!」なんて思うようになり、採用数にこだわる事が無くなった。

2つ目は、超A&G「豊崎愛生のおかえりらじお」での、豊崎愛生さんの言葉。

愛生ちゃんは「放送中には紹介出来なくても、送られてきたメール、全部に目を通してるからね!」と、よく言う。

「おかえりらじお」を聴き始めるよりも前から聴いていた、「ナインティナインのANN」や「爆笑問題カーボーイ」、「伊集院光 深夜の馬鹿力」などなど、これらの芸人ラジオのパーソナリティーも全てのメールに目を通していると聞いた事がある。(正確にはナイナイだと岡村さん、カーボーイだと太田さんが。 )

ただ、芸人ラジオでの「全部に目を通している」というのは、送られてきたメールが面白いか、つまらないか選別しているという意味。

だから、この人達に「全部のメール読んでるからね!」と言われても、採用されないという事は、自分に面白い事を考える才能が無い事を改めて言われているように思えて、この言葉が響く事は無かった。

でも、愛生ちゃんが言う、「全部のメール読んでるからね!」という言葉は、真っ直ぐに心に届いた。

芸人ラジオに送る大喜利的なネタメールとは毛色が違って、声優ラジオだと、何気ない日常を切り取ったメール、そして、「そのパーソナリティーの為に」送っているようなメール、ざっくり分ければこの2種類が結構多い。

「この人の為に」送ったメールだから、目を通してくれているだけでも本当に嬉しい。

そう思えたら不思議と、どんな番組に送る、どんなメールでも、気楽に送れるようになった。
採用されなくても、「まあ、目を通して貰えてるから良いだろう」と思えるようになった。



「趣味は義務じゃないんだから、気楽に」というのは、個人的な心情。

義務になって、「メール送らなきゃ!」「ラジオ聴かなきゃ!」なんて思ってしまったら、つまらなくなってしまう気がするし、そんな事を度々実感して来たし。
嫌になったら、やめれば良いんだと思う。
趣味なんだから、またやりたくなったら、誰かを気にせず、また始めれば良い。

ラジオを聴くのも、メール送るのも、どうか気楽に。




「趣味で忙しくて、仕事をやる暇が無い!」と言った「趣味趣味音楽」…もとい「趣味趣味人間」大滝詠一みたいに、気楽にやれるのが1番。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?