想い出の1曲の話
自分が小学5年の頃まで母親が乗っていた車には、カセットプレーヤーが付いていた。
車内にあったカセットを色々と再生していて、そのおかげで、山下達郎や南佳孝、B'z、UAと出会ったので、今の自分の音楽の趣味を形成しているのは、この車のカセット達と言っても過言では無い。
さて、これらのカセットの中でも、忘れられないカセットがある。
そのカセットは、その辺りにリリースされた、様々なアーティストのシングル曲が収録されているものであった。
このカセットに入っている曲で、とっても大好きだった曲が2曲ほどある。
その車が廃車になり、カセットを聴くことが一切無くなってから数年経った高校生の頃、うっすらと覚えている、その2曲がどうしても聴きたくなる。
が、思い出せない。
どんな感じの曲かは覚えているが、ハッキリと歌詞を覚えているワケでは無いので、言語化出来ない。調べようがない。
そんな事を思っていたら、2曲のうち1曲が、たまたま聴いていたラジオ番組で流れてきた。
その曲はRIP SLYMEの「楽園ベイベー」。
大好きな曲と数年ぶりに出会えた事はもちろん嬉しかったが、こうなると、もう1曲も聴きたくなる。
そのもう1曲は女性ボーカルの曲。
そして、その曲が収録されていたカセットは上記の通り、「その当時リリースされた、様々なアーティストのシングル曲が集まったカセット」。
という事で、「楽園ベイベー」のリリース年を調べてみると、2002年。
2002年の女性ボーカルの曲をしらみ潰しに調べるにしても、膨大過ぎる。
ここで、どうにか記憶を甦らせる。
幼稚園児か小学生の頃の自分と、車を運転する母親。
カセットからは、大好きなその女性ボーカルの曲が流れている。
「お母さん、この曲は誰の曲?」
「これはね、『◯◯コ』の曲よ」
間違いない!あれはaikoの曲なんだ!!
そう思い、2002年にリリースされたaikoの曲を調べ、出てきた曲を聴きまくる。
その結果、…想い出の1曲は現れない。
「あくまで『楽園ベイベー』が2002年ってだけで、もしかしたら2001年とか2003年の曲か?」と思い、aikoの2001年の曲も2003年の曲も聴いてみたが、想い出の1曲はそこには無かった。
諦めた所で、しらみ潰しに、自分が名前を知っている女性アーティストの名前で検索をし続ける。
宇多田ヒカル、椎名林檎、MISIA…。
どれも違う。
何人目だったろうか、何の気なしに「矢井田瞳」と検索してみる。
すると、「『ヤイコ』という愛称で呼ばれてる」的なウィキの文章を見つけて、「次こそ間違いない!矢井田瞳だ!!」と、即座に2002年の曲を調べてみる。
矢井田瞳が2002年にリリースした曲を調べて出てきたのは、「アンダンテ」という1曲。
YouTubeの公式の動画にて、これを聴いてみると…、まさに自分の想い出の中にあった1曲だった。
数年ぶりに大好きな1曲と出会えた時には本当に感動して、何度も何度もリピートした。
今でも、とっても大好きな1曲。
気になったら聴いてみれば良いと思う。
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