”僕”の起業の物語 失われた30代

僕は30代の事を「失われた30代」と呼んでいる。

今思い返しても、あまり記憶がない。

なにをしていたのか?

まぁこれだ。


「朝起きて仕事に行き、請求書を支払う、
そしてまた朝起きて仕事に行き、請求書を支払う」

波風はあまり立たない生活。

新聞屋は1年程で辞めた。

知人のつてで「墨出し」という仕事についた。

建築現場で基準となる線を引く人。
建築関係の人なら皆わかるのだが知っている
人は少ない。特殊な仕事だ。

建設業なのだが測量などもする。
光波という200万ぐらいする高価な機械を
使い、境界の位置出ししたり、建物の位置を
出したりする。

技術職なので覚えるとお給料はまあまあ高い。

毎日違う現場に行くので、飽きっぽい僕には
そこは合っていた。

でも、特に好きな仕事というわけでない。
嫌いでもないが、もう履歴書書いたりする
のはうんざりだった。

ただ日々をこなしているだけ。

野心はもう捨てた。

普通になる。毎日平穏に過ごす。今度の職は
辞めないで続ける。

借金はほぼ無くなっていった。

世の中は激動していた。

リーマンショックがあった。

東日本大震災があった。

それらの出来事も僕を目覚めさせる事は無かった。

相変わらず本はよく読んだ。
投資系、成功法則系が多かった。いい本も
たくさんあった。でも動けない。安定した生活を変える事はなかなか出来ない。

人は基本的に変化を嫌う。
人間は長く生きられるように体が環境の変化をうけても
常に安定的な状態を維持しようする働きがある。

それを「ホメオスタシス」という。

それは体だけでなく、心理的にも作用するらしい。

よく言われるのが宝くじで高額当選した庶民が
数年以内ですべてて失って、元の生活に戻ってしまう話。

自分でも気付かずに潜在意識では変化を嫌い、
「元の自分に戻れ戻れ」
「この状況はお前らしくないよ」
と強烈に働きかけるのだ。

禁煙、運動、勉強…頑張ろうと決意しても挫折した経験は
皆持っているだろう。

太古では
「今日は違う道で狩りに行こう」とか思ってしまうと、崖から落ちてしまったり

「今日は魚じゃなく肉を食べるぞ」そう思って山に行くと猛獣に遭遇したりする。

なるべく昨日と同じ今日を過ごそうと思うらしい。

このホメオスタシス、かなり強烈だ。
だから大抵の人は変化する事をしない。

満員電車で毎日通い、人間関係でストレスを抱えて、それでも安月給…

辞めたい、変わりたいと思っても
(今不景気だし、再就職出来るかわからないしなぁ)
(好き仕事じゃないけど、良いところもあるし…)
と色々言い訳を考えつく。そして
(とりあえず頑張ろう)
という結論に。また同じ毎日が続くのである。

ではどうすればいいか。

キーワードは「コンフォートゾーン」と「臨場感」だ。
詳しくは苫米地博士の本を読むのがいい。

ただし専門用語オンパレードで、しかも天才的な人なので
「こんなの簡単に出来るでしょ」的にサラっと書いてあるけど
「いやいや、出来ないから(笑)」
ってのが多い。

なので簡単に言うと

コンフォートゾーンは「心地良い状態」

臨場感は「リアルに感じること」

と覚えておく。

どうすれば、ホメオスタシスに打ち勝ち、理想の自分になれるか。

まず「高い目標を持つ」
これの注意点は今の延長上にある目標では駄目という事。
例えば「毎月10万ずつ貯める。一年後には120万になる」みたいのはバツ。
現状では考えれば「お前馬鹿?」って思われるくらいがちょうど良い。

そして目標が現実に変わった時の状態がコンフォートゾーンとなるよう
に「臨場感」を持って想像するのだ。瞑想してもいい。

やがて今の状態が居心地が悪くなる。なぜなら「今」がコンフォートゾーンで
なくなっているから。
その時、今まで憎っくき敵 だったホメオスタシスが強力な味方になる!!
コンフォートゾーンに戻ろうとするホメオスタシスの強力な力が
働き、目標の状態、臨場感を持って想像した世界に戻そうとするのだ。

ビジネスアイデアが浮かんだり、メンターに出会ったり、アンテナが
ビンビンに立ちまくり、目標に向かって突き進む。

という仕組みである。聞けばなるほどと思うし、出来そうだと思う。

でも、なかなか難しい。
まずこの臨場感って奴がくせものだ。

貧乏な人がお金持ちの生活を臨場感を持って想像できない。

ここでだいたいつまずく。

ただ僕はその辺の解決法も、勉強してきたのでいずれ書いていこうと思っている。

まあ、そんなわけで完全にホメオスタシスに支配された僕は、ただただ
生きているだけになってしまったのだ。

もうすぐ40才を迎えようとした時に僕の人生で一番の出来事が
起きる。そのおかげで僕のステージがガンと上がったのだ!

そのおかげでゾンビから抜け出した。

失われた30代は終わりを告げた。

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