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【第21回】(看護教員の総括)学生の意欲を引き出すためには教員が学生のモデルとなる行動ができるかどうかが大切

~看護教員から教育学者へ~

 ARCSモデルは「学習意欲についての心理学諸理論を分類したものと、学習意欲を引き出すことが上手な教育実践者の知恵を分類したものが、ARCSという4分類に重なったもの」と教えていただき、モデルが確立されるまでに非常に多くの時間と労力が費やされたのだろうと想像し、先人の知恵を受け継ぐことのありがたさも感じました。それを受け継ぐ私たちは、ARCSモデルを活用させていただき、よりよい授業を目指していかなければならないなと改めて肝に銘じつつ、今回は梅澤がこれからやっていきたいと考えていることを書いていきます。

1.ARCSモデルを活用した授業を評価してみます 

 「その4」で質問させていただいたARCSモデルを活用した授業設計と評価について、西野先生にご回答いただいたすべての説明がすっと頭に入ってきました。そして2つのことを実行しようと考えました。1つは、今年度梅澤が担当した授業「医療安全」を、ARCSチェックリストを使って振り返ることです。少し前に授業は終了してしまったので、学習指導案づくりの段階でチェックはできなかったのですが、実践した授業を振り返りチェックしてみようと考えています。2つ目は、レポートの評価です。ほぼ毎回の授業後に記載してもらっているので、すべてのレポートを対象に意欲の向上が図れたかを読み取るといってしまうと挫折しそうなので、昨年度の内容と変更が少なかった授業の事後レポートと科目終了後の最終レポートを分析してみます。分析した結果は、学内の年度末評価の際、「ARCSモデルを活用した授業評価」として報告していこうと考えています。

2.次の学習課題は「自己調整学習」

 当校は専門学校ですので、看護師になりたいという明確な目標をもった学生たちが入学してきます。意欲という点では、もともと高いところからのスタートとであることは強みです。しかし、学習する専門性の高さにその意欲が徐々に薄らいでしまうというのも事実です。また、西野先生がおっしゃるように、わかっているけど行動できないという学生が増えてきたように思いますので、ARCS-Vモデルは現代の学生にとっては有効なモデルであると思いました。しかしこのモデルは、まだ模索段階であるとのことで、「自己調整学習」をご紹介いただきました。実は以前、「自己調整学習」に興味を持ち書籍を購入しましたが、恥ずかしながら斜め読みしかできていません。使える知識になるよう年末までには精読していきたいと思います。

3.自らの学びのプロセスから改めて認識した育てたい学生の姿

 ARCSモデルを活用した授業づくりについて西野先生に教えていただき、それを元に自らの教育実践を振り返り、実践してきたことを意味づけたり、改善点を考えたり、わからないことを質問させていただき分かるようになってきたり……。このように学ぶプロセスは本当に楽しいものでした。しかし、ARCSモデルは1つの考え方であり、他にもたくさんの知見があることも認識しています。今後学んでいきたいこととして先ほど「自己調整学習」をあげましたが、思考力を高めるためのモデルがあればそれも学んでいきたいと考えています。そして、ARCSモデルを活用して意欲を高め、粘り強く考える力を身にづけ、考えたことを実行できる看護師を育てていきたいと思います。

 「看護は実践の科学である」と言われており、机上の学習だけでは看護とは言えず、実行して初めて「看護」になります。それを教える私たち看護教員自らが学ぶことは当たり前で、学んだことを実行することが大切であり、そのように行動する存在として学生のモデルになることが求められると考えます。個人としては、まず「自己調整学習」の学習、そしてARCSモデルを活用した授業評価を何らかの形で報告することを実行していきます! 

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