見出し画像

「好き」の因数分解 BUMP OF CHICKEN

*「好き」の因数分解、は最果タヒさんの詩集の名前です。とっても素敵なので気になった方は是非。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784898155165


「えもい」の語源は知らないけどこのバンドなんじゃないかと思っています。本当に好きなものって一周回って理由を説明できなくなる感じがあるんだけど、BUMPはまさにそんな感じがする。なんかいいんです。えもいんです。
初めて聴いたのは小学生高学年の時だからもう20年近く前になる。ユグドラシルが出た頃でもう天体観測はリリースされた後でつまり今風に言えばもうバズっていたのだと思う。当初の僕にはあんまり社会の流行りをキャッチする能力がなく、ただ姉が借りてきたユグドラシルをMDに入れて繰り返し聴いていた。もしかしたらBUMPを知った入り口はワンピースの映画の主題歌になったオンリーロンリーグローリーなのかも知れないがもう思い出せない。一つ覚えているのは絶対当時はその感情は理解できなかっただろうに、車輪の唄を何度も聴いていた事だけだ。BUMPはきっといつも僕の少し前を歩いてる。走ってない、歩いている。これはシンプルに年齢の問題もあると思っていて、BUMPのメンバーは僕より10個くらい年上だ。ちなみに調べてないから嘘だったらごめん。10個上の人がちょっと前の自分の感情を歌詞に載せると、どうも後を追うませた後輩としてはかっこよく見えるようだ。この現象はRADWIMPSとかELLEGARDENとかにも言える気がする。
ことBUMPの話に戻ると、基本的にあんまり強くない。歌に古き良きアメコミのヒーローみたいなマッチョな奴は出てこない。みんなちょっと情けないくらい人間的だ。かつ表現がかなり抽象的だ。あの日の些細なため息はざわめきに飲まれ迷子になるし、汚れちゃったのは世界か自分の方かわかんないし、近づいたら驚くほどたやすく触れてしまったりする。だからこそ色んなタイミングで色んな人に刺さるんだろうけど、こうやって切り取るとえもさがすごい。ちなみに僕は多大にBUMPの影響を受けた人間なので言うことがいちいち抽象的なんだがそれに文句のある人は1割くらいの文句をBUMPに向けて欲しい。残り9割は僕で良い。
昔の曲も好きだし最近の曲も好きなバンドは意外と少なくって、BUMPはじめそういうバンドとはこれから先もずっと付き合っていくんだろうなと思う。これからも僕たちに音楽を届け続けてほしい。一曲ずつ書きたくなってきたのでそれはまたいつか。こんな気分の日は午前二時に踏切に行ってみようかな。まだ寒いか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?