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「好き」の因数分解 四畳半神話大系

*「好き」の因数分解、は最果タヒさんの詩集の名前です。とっても素敵なので気になった方は是非。


四畳半って住んだことある?と聞かれたら、私はないし、今後住む予定もない。でも、あの「四畳半」という言葉の響きが持つ漲る学生感にはやっぱり何か憧れてしまう部分はあって、「むかし四畳半に住んでいた頃は」なんて言いたかったり言いたくなかったりはする。ダブルチーズバーガーはチーズバーガーを2つ重ねただけだと思ってはいても食べてみたかったりはする。さて神話体系ってなんなんでしょうか。造語でしょうか。わかりません。でもなんか厳かな響きがあるのでかっこいいのは確かだ。
四畳半神話大系の中には、基本的にアホばかりである。アホの見本市だ。ジャンルは様々、パット見のアホから、よく考えたらアホまで多種多様だが、その姿は正に私達に似ている。私達は多かれ少なかれみなアホである。他人には、ましてや自分にも理解できないような行動を平気でしてしまう。これをアホと言わずになんと言おう。だがそのアホさこそが人間性だとも思ったりするし、必要十分条件というか、アホ=人間という図式はいつか誰かが証明してくれると思っている。もうされているかも知れない。マックとマクドみたいなもんだ。中身は一緒である。
アホがアホなりに悪戦苦闘し、そしてアホなりに考え、最終的に悟りを開く様には希望がある。しかもその悟りがライフ・イズ・ビューティフル的な悟りなんだから尚素晴らしい。人生における選択において、バッチリ満足している人というのはどれくらい居るのだろうか。はぐれメタルより少ないだろう。さすがにメタルキングよりは多いかも知れない。と同時に、本当に救いようのない、誰がどこから見てもクソみたいな人生というのも、これまた少ないものだ。きっとこっちはメタルキングより少ない。どんな人生を送ろうが人は悩むし苦しむが、どんな人生にも楽しいことや喜びがある。気付くか気付かないかだけなのだ。人類みな悲劇の主人公気質なのでマイナスなことにだけ気付くことが多い。だから自分の人生が上手くいってないと思ったらこのアニメを見て、たしかに私の人生も悪くなくね?なんなら良くね?せんきゅーみんな。そんな気持ちにされてしてもらうことにしている。本当に人生で何度元気をもらったかわからない。もしも生まれ変わるなら必ず四畳半に住もう。あ、それよりも、いつか引っ越したら四畳半がある家にしよう。そんな家あるのかな。

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