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デルタトレード戦略

オプショントレードにおいて、相場の方向性(上昇もしくは下降)を取るトレードをデルタトレードといいます。今回、デルタトレードの代表的な手法を紹介したいと思います。

1)クレジットスプレッド

 クレジットスプレッドとは、低い権利行使価格の売り、それよりも高い権利行使価格の買いを組み合わせたスプレッド。売りの方がプレミアムが大きいため、組んだ時点で受け取り(クレジット)になります。そのクレジット分が最大利益となる。
 通常、OTMの権利行使価格を利用して組むため、相場が変動しなくても(変動しても戻っても)最大利益を獲得できるメリットがあります。

例)ブルプットスプレッド
06P29125@390円(1枚)
06P29375@505円(-1枚)

最大利益:115円(505円-390円)
最大損失:-135円(250円(※スプレッド)-115円)

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2)デビットスプレッド

 デビットスプレッドとは、低い権利行使価格の買い、それよりも高い権利行使価格の売りを組み合わせたスプレッド。スプレッドを組んだ時点で支払い(デビット)になります。その支払い分が最大損失となります。
 通常はOTMの権利行使価格を利用するが、ATMに近い買いポジションをITMにすることで、相場が動かなくても利益を獲得できる、また、損益分岐点を近くすることができるインアウトデビットスプレッドを組むことができる。

例)ブルプコールスプレッド
06C29125@340円(1枚)
06C29375@225円(-1枚)

最大利益:135円(250円(※スプレッド)-115円)
最大損失:-115円(225円-340円)

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3)合成先物

 同じ権利行使価格のプットとコールを組み合わせることにより、先物と同じ効果を得ることができるポジション。異なる権利行使価格を用いることで、先物より有利なトレード(損失を限定、相場が動かなくても利益等)が可能。

例)ブルシンセティック
06C29500@160円(1枚)
06P28500@190円(-1枚)

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4)レシオスプレッド

 ATMの権利行使価格のOPを1枚買って、OTMの権利行使価格のOPを複数枚(通常、2~3枚)を売るポジション。通常、クレジットで組むので、相場が下がっても利益、ある程度の上昇でも利益を見込める。
 ただし、組んだ当初のデルタはマイナスであるので、組んですぐに上昇をすると含み損が増えるため注意が必要。そのため、暴落時にプットで組むのはリスクが高い。暴騰時にコール側で組むとプレミアムが高いOPを複数枚売ることが可能なので利益を高くすることができる。
 組んですぐに相場が下落し、徐々に上昇するような相場が理想。

例)コールレシオスプレッド
06C29125@330円(1枚)
06C29375@210円(-3枚)

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5)カレンダースプレッドスプレッド

 同じ権利行使価格の期近売りと期先の買いを組み合わせたスプレッドをカレンダースプレッドと言う。期先のプレミアムの方が価格が高いため、デビットとなるため「カレンダーの買い」とも言われる。
 カレンダースプレッドは、権利行使価格に近づくと最大利益となるため、ATMで組んだ場合は相場がうごかなければ利益、OTMで組んだ場合は相場が動いて権利行使価格に近づいてくれば利益となる。
 カレンダースプレッドは、ベガの数値が大きいので、通常はボラティリティトレードとして利用されるが、方向性を考慮して使用することも可能である。

例)ATMカレンダースプレッド
06C29125@330円(-1枚)
07C29125@680円(1枚)

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6)リバースカレンダースプレッド

 同じ権利行使価格の期近買いと期先の売りを組み合わせたスプレッドをリバースカレンダースプレッドと言う。カレンダースプレッドと逆になり、プレミアムが高い期先を売るのでクレジットとなるため「カレンダーの売り」とも言われる。
 カレンダースプレッドと逆であるので、権利行使価格に近づくと最大損失となり、ATMで組んだ場合は相場がうごかなければ損失、OTMで組んだ場合は相場が動かなければ利益となる。

例)ATMリバースカレンダースプレッド
06C29125@330円(1枚)
07C29125@680円(-1枚)

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