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「5色」2024/5/24


みんなも素直にどこがどうおもしろかったってたくさん言った方がいい。あなたの感想を私が見たい。
※単独特典映像どちらも見た上でざっくりとネタバレをしています


5/24

・オフローズ第7回単独「時は金なり」

時は金なりを見ました。
この世には小説のようなコントや映画のようなコント、音楽のようなコントやいろんなコントがあるんですけどオフローズのコントはコントの最高峰という印象を受けました。
コントとしてどれもがおもしろくて揺さぶられる。そんな感じでした。
以前ラジオでカンノが単独というパッケージそのものにあまり興味がない話をしていましたが、今回でいう公園のようなコントはコントでしか見られないと思います。劇で得られる胸の高鳴りとはまた別物なので。

元々三遊間や兄弟のような"思っていること"の強いお笑いが好きで好んで見ていたのでオフローズっておもしろいんだけどなにが言いたいんだろう分かりづらいなと思っていた(良い悪いの話ではないです)んですけど、そもそも土俵が違う。全然違うじゃん!と


これを見て明確に思いました。
伝えたいこととかそういうのじゃなくてやりたいことをやっている。そんな感じがしました。
メタってはっきりと好き嫌いが分かれるものだと認識していて。でもおもしれ〜と思っている芸人たちのこのコント見れるのはめちゃくちゃ嬉しいと思う。しかもめちゃくちゃおもしろい。
単独っておもしろいだけじゃなく、嬉しいが明確にある。
新ネタと単独の違いって嬉しいの種類かもしれない。


宝くじ

単独を通して一番びっくりしたコントでした。
ここ半年ほど30本程度での印象なので数として信憑性がないのですが、オフローズのコントは日常がないと思っていました。めちゃくちゃ日常だった。
日常から非日常という展開がある中で熱量は反比例してておもしろかった。なにも解決しないのが大好きなので、かなり好きなオチでした。
特典で演技をこうした方がよかったなのような話を聞けたのは嬉しかったです。動画で改めて見ると過剰すぎておもしろかった。


初恋

あの一言から膨らませたコントというのもよかったです。今までのカンノの歯切れの悪さを一言で全て察させる。その一言が博士と機械の日常での言葉なんだろうなと思わせるものすごいと思った。存在しない日常なのに。
女明賀がいいよー!って青春みたいに言っていたのがかなりいいシーンみたく感じて、ちぐはぐでそれがおもしろかった。
博士は機械のことを子のようにかわいがっているのにも関わらず、子とは思っていないのが良かった。
ハートフルの舵がめちゃくちゃ切れる設定にしておいて、ずっと博士が機械として接しているしぐさが見て取れるコントだったのが私は大好きでした。
幕間の盛り上がらなさもかなりおもしろかった。盛り上がらなくても楽しそうって一番幸せなことだと思う。


ヒーロー

おもしれ〜
これは3人の演技力が内容を底上げしているのを感じました。3人ともいい演技だった。
宮崎の歯切れの悪い奴の演技、カンノの遅刻の演技のリアルさはかなり本人たちの性格や経験が出ていてオフローズを見ている者として感じるおもしろさもあった。
その中でもピカイチだったのが女明賀。
イラつきのボルテージのあげ方、感情を爆発させた時のリアルさとコミカルさのバランス、不機嫌なしぐさなど一挙手一投足がもれなくおもしろかったです。もはや演技というよりは本当にどこかに実在する人として見てた。
オフローズのすごいところは明賀の演技一本頼りではないところ。台本がめちゃくちゃおもしろい。べつにもうこんなおもしろければおもしろくなくていいのでは?と一般人なので思ってしまうのですが。
明賀の演技はあくまでコントを盛り上げる役割で内容を動かすのは宮崎だったのはすごい!オフローズのコントだ〜!と思いました。


転校生

創造と破壊が大好きです。オフローズは創造の完成度が高いから破壊の反動もデカくてめちゃくちゃおもしろい。
ずっと破壊のネタもいいけど、私は積み上げたものが全部パーになるのが本当に好き(これに関してはふっとう茶そそぐ子ちゃんが全部言ってくれています)なのでその予感を感じるコントで嬉しかったです。
普段のオフローズからはあまり見れないコントなので余計に嬉しかった。
あまりの無茶苦茶さに幕間で涙を流しました。
あの空間で呑まれるわけでも適応していくわけでもなくずっとあのまともなスタンスのまま過ごせるのある意味狂人だと思う。横山、どこでも働けそう。
異様な拍手とかアホのSEの使い方してた。ムードに合わない変な温度の上がり方っておいてけぼりにされているのに全然悔しくなくて笑っちゃう。
明賀の持ってた杖がカンノの手彫りなのおもしろい。


怪盗

これ!!!!キャラクターのチャーミングさが軸のコントだ!珍しい!と思ったら、カンノの発案だった。どこまで手をかけたのかは分かんないけれど。すごく好きでした。
オフローズのコントはコントそのものとして好き!というのは山ほどあるけれど、キャラクターとして愛着が湧くというのがあまり多くないイメージだったので新鮮でした。
暗転した時の頼りなさという演技で伏線を張っていたのかと思ったんですが、もし本当にそうだとしたらすごい。
他のコントと別の雰囲気を出していて、単独として怪盗が5本目だったのもめちゃくちゃ良かった。


監禁

宮崎が休憩してたコントこと監禁。
カンノが巻き込んだにも関わらずまるで巻き込まれた人みたいに映っていたのがおもしろかった。
もうここまでずっとコントを見ているので明賀の演技の切り替えにも注目する脳になっていたので、ちゃんと演じ分けられていて慄きました。
どうにもならないものを秩序に変えて展開していくの、パズルみたいな爽快感がありますよね。
2人で話し合った内容を宮崎に伝えずに本番を迎える。なんでそれでうまくいくんだ。


公園

カンノのコントかと思った!!すごくおもしろい、でも絶望も備えていて。そんな展開の中、最後に笑いが起きるコントなのはカンノの演技力と持っているチャーミングさの高さを感じました。
同じ時間の中で別のことが展開されていくのはトリオならではだなと思いました。人間が1人多いとこういう見せ方もできるのか楽しいね。
初恋での博士の野暮(世話焼き)はいい未来に転んだのに対して、公園でのカンノの世話焼きはなにも生まなかったこと。これを最後のコントとした宮崎の発想と選択に意地の悪さと信念を感じました。
特典でこのコントで明賀がぐちゃぐちゃ…となにか言ってた(噛んだ)のを見返してたときに明賀がカンノのやりづらさを分かっていて、なんて俯瞰的なんだと思いました。こんなに分かるのにめちゃくちゃ噛んでいた。



最初と最後のコント以外には幕間の前後談があったのですが、2本に関してはopとedが差し込まれたのでありませんでした。一番気になる最初と最後のコントの"そのあと"がわからないの、意地悪やないですか!?と思いました。余白をくれてありがとう。

初恋とヒーローと転校生と怪盗と公園が特に好きでした。5/7本は特にと言わない。本当に全部おもしろかったです。

特典映像も全コントに軽く触れつつ、お互いの良かった演技や成長について話し合っていてとてもよかった。
なんぶさんが「カンノはちょっとおもしろく言うのがうまい」と言っていて、なんていい褒め方なんだと思った。
コントって物語の理解も同時にしていかないといけないから何気ないところでおもしろすぎると"そこだけ"になっちゃうので。

YouTubeのコントをざっと見て普段のライブにもちょくちょく赴いている程度ではあるのですが、今回の単独は3人の演技が格段に台本を活かすものとしてレベルが上がっていたのを感じました。
おしみんまるさんの動画でオフローズに足りないのは"血"と言われていましたが、内容への思考が変わったというよりは全員の演技の底上げによりオフローズのコントのまま血を予感させるものになっていて、すごくワクワクしました。
カンノと明賀は台本を活かす演技がとても上手い。宮崎はうまく自分の役どころを把握しているという印象です。
宮崎が全編書いてるのにオフローズのコントとして全部を褒められるのがオフローズの真のすごいところなのではと思います。宮崎の懐の広さ。
台本だけが演技だけがコントをたらしめるものとなっていない。どちらもがオフローズの魅力だと思います。

正直私はどうやったらオフローズのコントがたくさん見れるかしか考えてない自己中なので賞レースに関してはそこまで興味がないです(私は1000万貰えないし)
でもちょっと楽しみになりました。

私の見た単独はこんな感じでした。他の人が見た単独はまた違うんだろうなと思うと羨ましいです。

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