SNS社会を生き残れ!

先日Ishiyaさん(Forward, Deathside)が非常に興味深い記事を投稿されました(1)。内容はSNS社会に対する考えとそこから自分を守る方法です。
私の最近思ったことと非常にリンクしているので、私も思ったことを書こうと思い筆をとりました。
ここでは、(A)人間の持つべき欲求とは(B)SNSに対して私たちの持つべき意識とは、について私の意見を述べたいと思います。

(A)人間の持つべき欲求

近年、木村花さんやryuchellさんといった若い芸能人の自殺が報道され、非常に心を痛めております。その自殺の原因はSNSの誹謗中傷にあると報道されました。
上記のIshiyaさんのお考えによるとSNSから離れるとそのような問題は解決されると提唱されています。確かにそれも一つの手です。しかし、現代人は承認欲求と手軽に非難できるという人間の闇の部分の欲求を満たしてくれる魔法の道具(SNS)に、麻薬中毒者のように虜になっており、SNSから離れるのが難しくなっています。
この麻薬(SNS)で満たされる承認欲求や闇の部分の欲求は、満たされれば満たされるほど更に求めてしまうものです。しかし、自分の一時的な欲求を満たす自慰行為のような生産性のない欲求です。では、生産性のある欲求とは、なんでしょうか?
それは、「リアルで、自分と向き合い、自分の納得するまで突き詰めること」だと思います。
「反応しない練習」(2)という本に「自分が納得して終わり」というものがあります。そこには負けや勝ちはありません。「自分が納得するまで突き詰めて、結果負けようが、自分に勝てていたら、その人は幸福である。その幸福は一時的ではなく一生続くものである。」と解釈しています。言い換えれば、「他人がどう評価しようが、自分が納得していれば、それでいいじゃないか」という考えです。しかし、私の人生の経験上、そのような考えを持つ人は必ず成功しています。
例えばノーベル賞をとった本庶佑先生は、「まず書いてあることを信じない。自分の目で確認できるまでやる。それが、僕のサイエンスに対する基本的な考え。」(3)と語ってます。とにかく他人がなんと言おうと、自分が納得するまで突き詰める姿勢が見て取れます。
これは武士道でいえば「克己(かっこ)」の考えに当たります(4)。
私は、ボランティアで柔道を指導していますが、常々生徒に申していることは、「思いっきりやれ。それで失敗しても怒らない。しかし、成功しても、手を抜ていたら、先生はすごく怒る。」です。
武道であるがゆえに克己の考えを教えています。
そのような考えを持っていれば、SNSの非難を相手をしている暇がなくなり、非難の応酬のSNSから自然と離れていくと考えています。

(B)SNSに対して私たちの持つべき意識

先日のテレビ番組の最後に上岡龍太郎さんの伝説の番組が紹介されていました(5)。そこでは、「テレビドラマで「フィクションです」といれなければ苦情の電話を入れるバカがいる。ほとんどの人がフィクションだとわかっているのにわざわざバカのために入れなければいけない。このような苦情のバカのためにテレビの作る番組が制限されてしまう。もっと「○○がよかった」とか肯定的な意見が増えれば、テレビの可能性は広がる。」といった内容を言っていました。
私は「なるほど」と思いました。
これはSNSでも言えると思います。SNSで非難せずにもっといいところを見出して褒めるとSNSで発信している人はよりその可能性を広げ、よりよい発信をすると思います。
私もSNSをします。SNSは気軽に先ほども申した承認欲求や闇の欲求を満たすといった生産性のない機能もありますが、リアルではなかなか接点を持てない人と人をつなげることや、肯定的な意見を得て発信者の可能性を広げる生産的な機能もあります。
音楽の好きな私のSNSはバンドマンのつながりが多いです。そこで心がけているのは「SNSでいうのは肯定的な意見だけ、否定的な意見は本人に会って直接言う」ことにしています。リアルで直接会って、否定的な意見を言う場合は、言われた人は基本真摯に聞いてくれ、そこで議論が生まれ、時には否定的な意見を撤回することもあります。そして人間的なつながりが増えます。
私は常々思っていることがあります。それは「リアルがまずあって、テクノロジー(SNSなど)はそのリアルの補助に過ぎない。」ということです。当たり前かもしれんませんが、SNS中毒になっている人は「SNSという逃げ場がまずあって、厳しいリアルは二の次」となっています。
「スマホ脳」という本(6)にもありますが、「人間は原始から進歩していない。しかし、テクノロジーばかり進化して、テクノロジーに人間がついていこうとしている。そこに原始時代の人間とテクノロジーについていこうとする人間の間に亀裂が生じて精神病になる。テクノロジーは本来人間を支えるものである。」と、いう内容が書いてあります。
つまり言いたいことは、SNSでは発信者が良い方向に向かうように発言するのが理想的な私たちの持つべき意識だと思います。

上記のようにSNSが生産的(人と人をつなげる、発信者の可能性を広げる)ならやめる必要はないかもしれません。しかし、非難の応酬になっているSNSは離れるべきだと思います。

テクノロジーに人間が左右されることではなく、テクノロジーをうまく使って人生を豊かにすることが大切で、人間を左右するテクノロジーは離れるべきだと思います。

(1)https://rooftop1976.com/column/ishiya/230810114000.php?fbclid=IwAR1DOr1MB2ylVJdbny26fM76UgepyB9btr1QINQm4DkqR4Lp4m8CS2mj45c
(2)反応しない練習 草薙龍瞬(2015)ASIN ‏ : ‎ B012EU8CD0
(3)https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201810020000167.html
(4)武士道 Bushido: The Soul of Japan 新渡戸 稲造(2008) ISBN-10 ‏ : ‎ 4896846923
(5)https://www.youtube.com/watch?v=TwzyDoAeg3s
(6)スマホ脳 アンデシュ・ハンセン(2020)ISBN-10 ‏ : ‎ 4106108828


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