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分離型自作キーボード「sphh jp」を購入したのでレビュー。

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sphh jp、いいですよ

以前から興味のあった自作キーボードの世界に足を踏み入れました。

今回購入したsphh jpは自分にとって理想的なキーボードで、とても満足しています。あまり記事がないのが不思議なくらい……。

本記事では初心者が自作キーボードを導入するにあたり、迷ったり悩んだりしたポイントを備忘録的に記載していきたいと思います。

(自分にとっての)理想的な自作キーボードを探すには

製作者のこだわりが詰まった自作キーボードは非常に種類が多いため、ある程度ポイントを絞って探さないと本当に迷走します。これから探そうという方、気を付けてください。私は結構な時間ハマりました。

なお、私がこれはゆずれないと設定したポイントは下記のとおりです。

・日本語配列であること
・キーレイアウトが一般的なものであること
・左右分離型であること(肩こり対策)

特に外せないのは日本語配列であること。在宅勤務中に接続する会社のリモートデスクトップは日本語配列のキーボードのみ認識するという制約があるんです……。こういう環境の方、意外と多いのではないでしょうか。

sphh jpとは

sphh jp は、多くのプロが支持する HHKB の日本語配列を完全に再現した「分割」キーボードです。あの使い心地を、より快適に、さらに自分好みに。(https://abitkeys.com/sphhjp/build.htmlより引用)

いろいろ探し回った結果、たどり着いたのがsphh jpでした。上記の通り、皆が求める要素をいいとこどりしたキーボードです。また、コンセプトの良さ自体もさることながら、初心者でもとっつきやすいというのも魅力の一つだと思っています。

・公式ビルドガイドでキーマップの書き込み方法が丁寧に説明されている
・意外と貴重な日本語配列キーキャップの入手法が掲載されている
・オプションで組み立てサービスが選択できる

上記のようにサポートが非常に充実しています。

なお、不器用な私ははんだづけの工程で絶対に失敗するだろうと確信していたこと、自作キーボードに必要な工具一式を揃えるより工賃の方が安価だったことから素直に組み立てサービスをお願いしました。

実は一部キーが反応しないトラブルがあったのですが、作者様にコンタクトを取ったところ迅速に問題の切り分け方と具体的な対処法を提示していただき、事なきを得ました。こういったところは初心者には本当にありがたいポイントです。

sphh jpの販売ページ

booth:https://booth.pm/ja/items/2372359
遊舎工房:https://yushakobo.jp/shop/consign_sphh-jp/

私はboothにて購入しました。遊舎工房にも組み立てサービスはあるようですね。

キット外で必要なもの

自作キーボードでは大抵の場合、キット以外にも自前で揃えなくてはいけないものがあります。

組み立て代行を依頼した場合に必要になる部品は下記のとおりです。
・キースイッチ(MX互換) 70個
・キーキャップ(MX互換) 70個
・USB ケーブル(TypeA to micro) 1本
・USB ケーブル(micro to micro) 1本

初心者にとってはこの「自前で揃える」というのが結構な悩みポイントになると思っているので、”私の場合”を備忘的に残しておこうと思います。

キースイッチ

跳ね返りの強い打鍵感が好きなのと、sphh jpは仕事用と決めていたので静穏性を求めてCHERRY MX SILENT BLACKを選択。ダイヤテックオンラインショップだと約73円/個で購入できるのでお得でした。

lubeで打鍵感を変えたりとかCHERRY互換スイッチとかにも興味はありますが、今回は見送り。

キーキャップ

公式ビルドガイドでは上記のダイヤテック製品が推奨されていますが、私は前回記事で購入したARCHISS ProgresTouchのカスタマイズ用に用意してあったPBT DYE SUB KEYCAPSを流用しました。
※ARCHISS ProgresTouchのカスタマイズは別記事にする予定です。

他にも欲しいキーキャップのセットがあったので私はKBDfansを利用しましたが、遊舎工房でも同じ商品(おそらく)が売られているので海外通販はちょっと、という方でも安心。

ちなみにPBT DYE SUB KEYCAPSは英語配列用なので、キートップの印字と実際に入力される文字に差異がでてしまう(例えば括弧とかダブルクオーテーションとか)ため、そこがOKという方向けです。

USB ケーブル

PCとsphh jpを接続するTypeA to microケーブルはよく見かける製品なので、お好みのものをどうぞ。

私は複数のキーボードを一本のケーブルでまとめたかったので、TypeA to miniB にminiB to microアダプタをかませて使用しています。キーボード本体の差込口の保護にもなるので結構いい選択でした。

https://www.yodobashi.com/product/100000001003944493/
https://www.yodobashi.com/product/100000001002179488/

意外と選択肢がなくて困るのが、sphh jpの左右を接続するmicro to microケーブルです。amazon等で探すといくつか出てきますが、ちょっと不安な製品が多く、公式ビルドガイドに記載されているエレコム製品をチョイスしました。

ただし、80cmあるうえケーブル自体がかなり固いため取り回しが厳しいです。私は写真の通り自分でコイル化し、約30センチまで縮めました。柔軟に配置できるようになり満足です。

(その他)パームレスト

メカニカルキーボードだと実質必須といってもよいパームレストですが、専用に販売されているものは意外と高価です。

私は適度な柔らかさと耐久性、耐水(汗)性のある代替品として、東急ハンズでEVAスポンジを二つ買って3Mのクッションゴムを四隅に張り付けて使っています。

EVAスポンジは水泳の授業でおなじみのビート板などに使用されている素材です。つまり耐水性もあって丈夫。二つで約700円なのでお財布にも優しくておすすめ。

(参考)費用感

sphh jp本体                         :¥14,850
組み立てサービス               :¥  9,800
CHERRY MX SILENT BLACK :¥  5,500
PBT DYE SUB KEYCAPS        :¥  4,000(およそ)
合計 ¥33,750

別途ケーブルを購入したりパームレストを購入したりと諸費用がかかりますので、トータルだと3万円台後半といったところでしょうか。

結構かかってますが、快適な在宅ワークのお供が手に入ったのでOKOK、と自分に言い聞かせています。

キーボードとしての使用感はどう?

まず左Ctrlキーの位置がどうしてもなれなかったため、QMK Firmwareで下記のようにキーマップを変更しています。

・左Fn へ 左Ctrlを割りあて
・空いた左Ctrl へ CapsLockを割りあて(のち、PowerToysで半/全角キー化)
※左Fnは消滅して右Fnだけで運用する形になりますが、左Fnはもともと使ってなったので問題はなしでした。

会社のPCに備え付けのキーボードで業務を行うシチュエーションもたまにはあるため、よく使うキーはできるだけ一致させておきたいところです。

打鍵感については文句なしです。荷重重めのCHERRY MX SILENT BLACKはついついキーを強く叩いてしまいがちですが、アクリル積層のsphh jpは十分な剛性があり、しっかりと受け止めてくれているという感触です。

なお、分割キーボードなので当たり前ですが、タッチタイピングの基本から大きく外れた指の動かし方をすると即ミスタイプとなります。(特に両手の人差し指の運用がめちゃくちゃだと苦労します。私のことです)

これを学習コストが高いととるか、タッチタイピングの練習機会ととるかはありますが、多くの人にとってはさほど高いハードルにはならないと考えています。

で、肩こりには効くの?

左右のキーボードを離して配置することで猫背になりにくく、少なくとも姿勢は確実によくなっています。結果として肩や腕の疲れも多少軽減されている感はあります。まあ、最近リングフィットアドベンチャーにはまっているので筋トレの効果が出ている可能性も否めませんが……。

総評

正直金額だけみると高いです。REALFORCEとかHHKBとかを購入してもお釣りが出ます。が、自分で自分の好みに合わせていけるカスタマイズ性と、キーボード自体の作りの良さを考えれば十分におすすめできます。

せっかくだからと一体型のキーボードと並べてみましたが、機能性に特化したデザインは所有感を満たしてくれますね。

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レビューは以上です。少しでも自作キーボードが気になっている方の参考になれば幸いです。

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